2012年05月17日

花咲小路四丁目の聖人 小路幸也著。

《★★★★》


寂れる一方の花咲小路商店街。この町で英語塾をしている亜弥は、日本人に帰化した英国人の父と二人暮らし。亜弥の父親は、なんと英国中を騒がせた伝説の泥棒で、亜弥の母親や日本を愛するあまりこの地で暮らしている。亜弥に恋する<白銀皮革店>の跡取り息子克己や、その親友で引きもこもりの電気店の跡取り北斗らと、この町を狙う陰謀から商店街を守るため、父とその仲間たちが結託するハートウォーミングで痛快な物語。

どこかやっぱり《バンドワゴン》の香りがするけど、なんかほのぼのしてるんだよね〜。
町を狙う陰謀で、商店街の人々が浮気や不倫騒動に巻き込まれるんだけど、生臭くささなんてなくて、小路氏っぽい温かさがにじみ出てる。
で、詳細は知らされないまま、お父さんがどんどん解決していっちゃう。
なんといっても伝説の大泥棒なんだから。

そして、亜弥と克己の恋の行方もにんまりしてしまう。

町の乗っ取りを阻止したお父さんだけど、どうやったって疑いの目はいくし、それがあっさりと外されたのができすぎな気もするけどね。
だってイギリスでは伝説の大泥棒で、しばらく行方が分からなくなっていて、それが急に日本で盗まれた美術品が出てきたら、しかもどっかの地方都市の商店街でだよ??
その町に住んでる英国人=伝説の大泥棒になるのは当然で、それが丸く収まっちゃうなんてやっぱできすぎだよね。

だけど、なんていうか、このほのぼの温かいところがいいんだろうな〜。

お父さんが子供たちに配るドーナツが無性に食べたくなった。

posted by じゃじゃまま at 22:33| 神奈川 晴れ| Comment(2) | TrackBack(1) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月10日

夢違 恩田陸著。

《★★★☆》

 
各地の小学校で謎の集団パニックが起きた。
人の夢を映像化しその「夢札」を分析する夢判断の研究者たちに、子供たちの夢を解析する依頼が来た。
もうこの世に存在するはずのない兄の元婚約者、結衣子の姿を目撃する研究者、浩章。
かつて結衣子に恋心を抱きつつ、結衣子の持つ能力に苦悩した浩章は、ある子供の夢の中に結衣子の存在を感じる。
なぜ、死んだはずの結衣子が少女の夢に?

そして子供たちが見る夢の中に現れる「何者か」は、かつての結衣子の夢の中に存在していた。
夢でつながる者たちの共通点は、過去に「夢札」を引いていたことなのか。

たびたび感じる結衣子の存在。結衣子の生存を匂わせる謎の男。

夢という無意識の中で繋がる世界。

ゾクゾクしながら読んだ。本気でぞっとして、トイレ行けなかったくらい。
・・・なんだけど〜、だんだん尻すぼみっていうか、展開のスリルがしぼんで、解釈は広がりすぎて、まとまらなくなってしまった。
人の夢が映像で見れる夢札、子供たちの集団パニック、結衣子の予知夢、すっごい材料はいいのに、最後の調味料で味付けちょっと失敗したような????
面白いテーマ同士が、互いの足を引っ張り合っちゃって、どっちも俺が一番ってね。

えっと、子供たちは結衣子の夢の中に行っちゃったの?
結衣子が植えてた鳥の足はいったいなんの意味があったの?

どうも私は最後の最後で理解できていないみたい。
浩章は結衣子の夢の中に行ってしまったのか。それとも結衣子は夢札を引いたことのある人間の無意識を通じてどこにでも現れることができるってことなのか。

こうして考えてみると、確かに面白いのにな。

posted by じゃじゃまま at 22:43| 神奈川 晴れ| Comment(2) | TrackBack(1) | 恩田陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月02日

刑事の子 宮部みゆき著。

《★★★》


父と二人で住む下町で、家政婦のハナからある噂を聞かされた順。
近所にある屋敷に入ったきり若い女性が出てこない、そして時を同じくしてバラバラ殺人事件が起こる。
屋敷の噂は本当なのか、そして第二のバラバラの遺体が発見される。
順は同級生とともに噂の真相を探ろうとする。

屋敷に住む日本画家、その秘書、刑事である父、道雄は秘書の息子の動向を気にしている。
やがて殺された若い女性たちの共通点が見つかる。
画家の家で見つけたマッチが気になる順はハナとともに喫茶店を訪れる。そこで手がかりをつかんだ順とハナを待ち受ける危険とは・・・。

装丁がティーンズ向けっぽかったので、そんなつもりで読んだ。

展開はどことなく陳腐だし、順の家にイタズラの手紙を投げ入れた同級生もむかついたままだし、きっかけとなった秘書の息子の事件もずいぶんと雑?
唯一手が込んでいたのは、秘書の犯行ですかね〜。

少年たちに押し付けるために(いや、元々少年たちの犯行か)いろいろと脚色して、ご苦労さん。

両親が離婚して、母が再婚してる辺り、ちょっとブラックな味付けもあったけど、ティーンズ向けなのか、大人向けなのか、迷う作品でした。どっちでもいいと言われるとそうなんだけど、ちょっと装丁を変えた方がいいような気もする。個人的な見解ですが。



posted by じゃじゃまま at 22:46| 神奈川 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月27日

絆回廊 新宿鮫] 大沢在昌著。

《★★★★★》


久々に鮫が戻ってきた。

物語の始まりは、鮫島の情報屋からの「警察官殺し」のネタだった。男の正体を突き止めるため、今は消滅した須動会を探るうちに、元組長が殺され、鮫島の情報屋も行方不明になる。
須動会の元組員吉田がすべて握っていた。中国の犯罪グループと謎の男。
男が狙っていた警察官が明らかになったとき、戦慄が走った。そして、どうにか運命を変えられないものかと、悲しい予感がしながらもがんばって読んだ。

なんといっても二つの別れ。
今までもこのままではないんだろうなと感じさせる振りはあったし、そもそもロックシンガーと現職刑事が付き合い続けていくっていうのもそろそり無理かなと。
だから来るべき時が来たってところですかね。
いつかはそんな予感がしていたし、どういう風にするのかなと思っていたけど、バンド仲間のドラッグ絡みなら不自然さはない、か。

晶よりも私は桃井がショックだった。
桃井が狙われているって知ったときから、もう逃れられないんだろうな、と切なくて悲しくて辛かった。

あのオカマめ〜!!!よりによってお前か〜!!と久々に罵った。

まさか鮫シリーズは終わりではないよね。晶が去り、桃井が不在となったこれから鮫シリーズは新しい展開になるんだろうな。

いつからだろう、大好きだった鮫シリーズを買わなくなったのは。
最近の鮫は、なんか理屈っぽいというか小難しくて重た〜い感じがして、ちょっと敬遠してた。
でも今作は、戻ってきた。昔の鮫が。大事な人物がいなくなってしまったのは本当に切ないけど、久々にのめり込めた。
もちろん、一ファンの感想なので、元々変わってなかったかもしれないけどね。

鮫の次回作、心から待っている。


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2012年04月22日

慈雨の音 宮本輝著。

《★★★》

何年ぶりだろう、「流転の海」シリーズの新作は。
あまりにも間が開きすぎて忘れてるけど、松坂熊吾一家は戦後いろんな苦難に遭いながらも、人間の優しさを思い出させてくれる。

熊吾はお酒を呑むと妻に暴力を振るったり、短気な面もあり人とぶつかることもあるけど、筋が通っていて、怖い頑固親父なんだけど人間としての優しさも感じる。
そして、熊吾の人間哲学というか、人生哲学には学ぶことも多い。
人間としてこういうことはやっちゃいかん、人間としてこういうことする人間は信用できない、とかこの作品を読むと、賢くなった気がするから不思議。

戦後事業に失敗し、新たなモータープールという駐車場経営も順調で、中古車販売ももしかしたら軌道に乗りそうな気配。
熊吾にはいつもその人間性に惚れ込んで助けてくれる人や商才のおかげでどんな窮地も、なにかやってくれそうな予感がする。

一方の息子、伸仁も宮本氏がモデルなのだろうか、彼がいつその文才を花開かせるのか、いったいそこまでどれくらい「流転の海」は続くのであろうか。

あまりにも間が開きすぎたせいで、海老原太一がどんな人だったのか、大阪のビルでどんなことがあったのか、モヤモヤしたままだけど、もうそんなことはどうでもいい気がしている。


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人生教習所 垣根涼介著。

《★★》

人生啓発セミナーに参加する、人生をやり直したい人々の話。
小笠原諸島の美しや歴史を語りたいのか、東大生の引きこもりや元ヤクザ、過去に訳ありそうな定年後の男性、なにやってもうまくいかない太目の女性などなど、キャラの立つ彼らの物語を描きたいのか、いまいちよく分からなかった。

あの定年後の男性の、過去がちょっと気になった。もしかして他の物語に出てたかな。
コロンビアだかどっかのマフィアが女の子養女にしたとか、あったもんね、そんな話。

小笠原の生活やキャラの立つ彼らの話がどうもどっちも中途半端な感じがした。

posted by じゃじゃまま at 12:02| 神奈川 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 垣根涼介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月19日

ばくりや 乾ルカ著。

≪★★★≫

自分の能力を誰かの能力と交換できるという不思議なチラシ<ばくりや>。自分のそれら能力によって人生の貧乏くじを引いたと思っている彼らは、導かれるようにその店を訪れる。彼らの顛末は・・・。

「逃げて、逃げた先に」・・・ やたらと女性にもてる男、三波は洋子から逃げるために<ばくりや>を訪れる。替わりに手に入れた能力は、包丁研ぎと次にその包丁が切るものが見える能力だった。客として洋子と再会し、その包丁に見えたものは・・・自分の顔だった。

「雨が落ちてくる」・・・ 行く先々で悪天候に追いかけられる永井賢介は市内から出ることができない。まるでその地に縛られるかのように。<ばくりや>を訪ね、替わりに手に入れた能力は大食いだった。その時、ちょうど大食いタレント出身の俳優が乗っていた飛行機が悪天候により消息を絶った。

「みんな、あいのせい」・・・ 会社を倒産させてしまう藍川。どんな企業も、公務員になろうとも倒産させてしまう。<ばくりや>のチラシに導かれ替わりに手に入れた能力は動物に寵愛される能力であった。動物園に就職し、これが天職だと有頂天になる藍川だが、オランウータンのアイコに愛されすぎて・・・。

「狙いどおりには」・・・ 剛速球が売りでドラフト一位で入団した吉良洋行だったが、いまや戦力外通告。そもそもプライドだけは高く、人望がまったくない。コーチでさえの声もかからない。あかりとは互いに打算で付き合い始めたが、今では蔑み合っている。そんな二人がよりによって互いの能力を<ばくりや>によって交換してしまったらしい。売れないタレントのあかり始球式で156`で投げる。そして皮肉にも、いやらしくアイスを舐める吉良。

「さよなら、ギューション」・・・ 喉の奥の塊は、どんなときでもどんな場所でも石倉を泣かせてしまう。子どもの頃親が離婚して、どちらにも引き取られなかった石倉は、花卉栽培農家の清田夫妻に引き取られる。義兄の嘉男も優しく、それでも石倉の喉の塊はいつでも石倉を泣かせる。<ばくりや>によって交換した能力は、仕事のできる男に変えてくれたけど、それは石倉にとって心と涙を失う結果になってしまう。

その能力で評価された仕事は、義兄の、そして自分の実家を立ち退きさせてしまうことになる。石倉の結婚式のために義兄が心を込めて栽培していたカーネーション。失火による義兄の死。石倉は泣けるのか。

これは大号泣だった。それまで残酷で皮肉な展開ばかりだったので、そろそろ違うパターンが読みたいなと思っていた矢先の、まさかの大号泣。

「ついてなくもない」・・・ 間が悪いのぞみ。会社の人々の逢引の場に遭遇するのはいつものこと。生まれる時ですら、父の出張の時に限ってで、それにより父は出世コースから外れ、早くに亡くなる。好きな子の前では吐いてしまい見知らぬ女性のスーツを汚し、そして女手一つで育ててくれた母の再婚相手との旅行の時も怪我をして台無しにしてしまう。
こんな能力を交換してもらおうと<ばくりや>に行けば一年に一度の定休日。

ついてない、間が悪いと思っていたのぞみだが、実はその逆だった。のぞみのタイミングにより、みんなが救われ、幸せになっていた。心温まる話。

「きりの良いところで」・・・ 柏原はどうにもツキに恵まれているらしい。どこにいっても祝○○人目、と祝福される。ところが本人にとっては重荷でしかない。気の進まない結婚話が進み、<ばくりや>でこのきりのいい能力を捨てたい、と思った柏原だが、やはりどこまでも運命は皮肉なのか。
柏原は<ばくりや>の100人目、50組目の能力移植だった。そしてそれは、柏原と<ばくりや>の男性との時間の交換だった。

今後、どれくらい柏原は<ばくりや>に縛られるんだろう。ゾッとした。

乾氏はうまいな〜。残酷で皮肉な展開ばかりでなく、途中ほろっと泣かせて、そして最後は皮肉で〆る。
期待の作家さんです。


posted by じゃじゃまま at 23:37| 神奈川 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 乾ルカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月10日

しらない町 鏑木蓮著。

≪★★≫

映画監督を夢見る青年門川は、故郷を離れ、大阪でアパート管理会社でアルバイト生活をしていた。そんなある日、自分の担当する棟で老人の孤独死に遭遇する。
上司の命令で、遺品整理をしている時に、帯屋老人の撮った8ミリフィルムを発見する。
そして、そこに映っていたリヤカーを引く女性の姿、そのフィルムに心惹かれ、帯屋老人の人生、フィルムに映っていた女性に興味を持ち、孤独死をテーマにドキュメンタリー映画を撮る決意をする。

帯屋老人のノートに書かれていた謎の言葉。帯屋老人を知るために訪ねた人々は、ノートに書かれていた和美という名前に異常に反応し、拒絶する。
戦友、特殊任務、前妻、親友の死、フィルムの女性。

作中で、門川の上司が「連ドラのキャラが変わるのはおかしい」って言葉が、そのまんま当てはまる小説だった気がする。

帯屋老人は、孤独死をするにはそれ相応の人物で、どうも周囲から嫌われてた出だしだったのが、仲間思いの人物だったし、上司の甲山もやな奴に見えて、本当はいい奴?な振りして結局はしたたか、って展開にしたかったんだろうけど、キャラ掴めなかったし、前妻と、親友の妹との関係が、そこまでぎくしゃくするものなのかも今ひとつしっくり来なかったかな。

一番は、門川が惹かれたという8ミリフィルムの魅力が、文章から伝わりきらず、残念ながらどうでもいい読後感になってしまいました。


posted by じゃじゃまま at 23:24| 神奈川 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 か行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

てふてふ荘へようこそ 乾ルカ著。

≪★★★★☆≫

<てふてふ荘>へ入居すると、変わった同居人もついて来る!?
就職もできないまま大学を卒業し、仕送りも止められた高橋。安い家賃に惹かれて入居を決めた<てふてふ荘>で大家から写真を見せられる。ライダースーツの男性と、美少年と可愛い女性。
迷わず女性を選んだ高橋だったが・・・。

<1号室> 翌朝目覚めると、写真で見た女性が高橋の目の前に座っていた。仰天する高橋だけど、目の前の女性は、恋人に殺されていた女性の幽霊だった。そして、高橋にもずっと胸に秘めていた秘密があった。
高橋とさやかの恋を応援している自分がいた。

<2号室> スーパーの鮮魚売り場で契約社員で働いている美月が好意を寄せたのは幹部候補生の新人社員だった。美月が自分を見失い周囲に哂われているのが辛かった。
そして美月の同居人の遠藤との擬似親子には、号泣。
泣けて泣けて仕方なかった。遠藤がいなくなった時、寂しくて、喜ばなくてはいけないんだけど、ずっとずっと2号室にいて欲しかった。

<3号室> 詐欺で前科のある長久保と、番組の収録中の事故で死んでしまった売れないタレント石黒。このコンビもすごくよかった。それなりに出所してから頑張ってきた長久保だけど、世間の風は冷たくて折れそうになったとき、石黒と口論になる。そして資格を取った長久保が再度面接に挑んだ姿に真の更生と成長を感じて、温かいコンビに感動した。
感動の後には寂しい別れが待ってるんだけどね。

<4号室> 平原は病気になり<てふてふ荘>を出ることになった元住人。一家無理心中の犠牲となった美少年薫に恋をして、追い出されてしまったと思い込んでいる平原。病気を治し、もう一度<てふてふ荘>にやって来て、それが誤解だったと知る。薫は平原に病気を治し、もう一度この部屋に戻ってきて欲しかったのだ。そして触れて欲しかった。そうしてから成仏したかったのだ。
平原に生きて夢を叶えて欲しいと願う薫の気持ちが真っ直ぐ。

<5号室> 5号室には槇という地縛霊が住んでいる。そこに槇の妹が兄の供養のためにその部屋に仮住まいすることになった。が、真由美には<てふてふ荘>の幽霊たちが見えない。そして大家も、真由美には見えないのだ。ということは、大家さんも!?
見えないけど、存在を感じ触れ合った時、槇は成仏した。

<6号室> 米倉と同居する小学生の幽霊翔太。二人の仲は険悪だった。思い返すと、翔太が米倉を憎しみ出したのは米倉の右手首を見た日からだった。翔太の死因と米倉は無関係ではなかった。
翔太がずっと昔米倉の手首を掴んだエピソードは、その後の二人の関係を知ると悲しくて寂しい。

<集会室> 大家さん自身も幽霊で、どうしたら成仏できるのかは言ってはいけない決まりらしい。住人みんなで知恵を出し合い、なんとかして大家さんを成仏させてあげようと試みる。

<てふてふ荘>に住んでいるのは、どこかなにかを抱えている人たちばかりで、そんな彼らが幽霊たちを救い、そして自分自身も救われているというハートウォーミングで感動ものだった。
感動ものだったのに、大家さんのエピソードが薄かったのと、どうして彼らが選ばれたのか、ビリヤード台の方角と彼らの死亡場所、その辺の繋がりがもっと明確だったらもっともっとよかったのにな。

でも乾氏は、好きな作家にランクイン。


posted by じゃじゃまま at 22:55| 神奈川 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 乾ルカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月06日

我が家の問題 奥田英朗著。

≪★★★≫

それぞれの<我が家の問題>。
「甘い生活?」・・・ 夫が帰宅拒否症の新婚夫婦。
一人暮らしからいきなり同居になると、そりゃお互い我慢が必要なんだけどね。

「ハズバンド」・・・ 実は会社で使えない夫だと知ってしまった妻は・・・。
そりゃね、社内の野球大会などで出る野次ってそのまんまだから、怖い怖い。いい男でも、実は会社では嫌われてたり、とか知らぬが仏なことは確かにある。 

「絵里のエイプリル」・・・ 両親が離婚するかもしれないって知ってしまった姉弟。
仮面夫婦と片親と、子どもにとってはどっちも嫌なもんだ。

「夫とUFO」・・・ UFOと交信すると言い出した夫には、会社でのストレスがあった。
夫を守る妻が健気。

「里帰り」・・・ 名古屋と北海道にそれぞれ実家のある一人娘と長男の結婚後の初めての帰省。
こんな風にお互いの実家を好きになれたら幸せだけど。

「妻とマラソン」・・・ 売れっ子作家の妻がマラソンで生きがいを感じる。
生活レベルでママ友や近所づきあいって変わっていくから、結構共感してしまう部分あった。
無理だけど、走ってみたら気持ちいいんだろうな〜。

どこかで伊良部が出てくるかと思った〜。
奥田氏はこういうユーモア小説も面白いんだけど、やっぱ伊良部には敵わないか。

posted by じゃじゃまま at 21:51| 神奈川 霧| Comment(4) | TrackBack(2) | 奥田英朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする