≪★☆≫
児童書なのかな。
お父さんがいなくなってしまった晴人は、お父さんの実家、すりばち団地で暮らすことになる。
そこには、離婚して子どもと離れ離れになったお父さんの弟がいて、シュンおじさんから「この団地には夢が叶うボタンがある」と聞かされる。
クラスメートの薫子と雪乃、雪乃の兄邦彦は、そのボタンは押しちゃいけないボタンだと言う。
子どもたちの冒険が始まる。
大人たちもこの都市伝説のような話を信じていて、鼻で笑っちゃうような話なんだけど、温かいんだよね。さびれてしまったすりばち団地を復活させようと、晴人のおばあちゃんたちが活動してる。
そして、若い人たちが夢を叶えようと、そこでお店を開いたり事務所を作ったりして。
「アトリエそらみね」が成功したのも嬉しかったし、すりばち団地に活気が戻っきたのが嬉しいよね。
そういう温かい話なんだよね。結局ボタンは分からなかったし、ボタンを守る少年の件は物悲しいけど、なんだか懐かしさを感じた。
晴人のお父さんが戻ってこないところなんか、大島氏らしいよね。
2009年07月01日
2009年06月29日
乱反射 貫井徳郎著。
≪★★★≫
それぞれが無関係に見える、小さなモラル違反。それが小さな男の子の命を奪った。
前半は、彼らの描写から始まり、遅々として進まない物語にちょっと辟易。これがどんな風に繋がっていくのか、はやる気持ちでページをめくった。
街路樹の脇にいつも犬の糞をさせる老人。道路拡幅工事のため街路樹を伐採する計画を阻止するために立ち上がる老婦人。
待ち時間が嫌で、夜間診療に風邪で通院する大学生。責任を問われるのが嫌で、内心、緊急の患者が来ないことを願う医師。
大きな車に買い換えたため、車庫入れがうまくいかず、途中で投げ出すOL。
市民の苦情で犬の糞の処理しなかった役所の職員。極度の潔癖症で、糞のために街路樹の点検をしなかった造園業の職人。
小さな、本当に小さなモラル違反が、無責任が連鎖して、男の子が死んだ。
男の子の父親は、この悲しみ、怒りをどこにぶつけるべきなのか。
誰一人として謝らない。誰か一人でも、悪かった、申し訳ない、と思ってくれたのなら、と何度も何度も悔しい思いをした。
でも、父親は気付く。彼らを責めることは出来ない。小さなモラル違反、これくらいならいいか、一回だけなら、そんな些細なモラル違反は誰しもが経験している。それが、どんな風に連鎖して悲劇を生もうとは考えもせずに。
なんて気分の悪い物語を書くんだ、と「愚行録」で証明済みの貫井氏だけど、これは自分にも当てはまることで、小さなモラル違反でも、守れることは守らなくては、と思う。
突き詰めると、やっぱり、あの犬の散歩をさせてた老人が一番の発端だよね。
車庫入れの女性が、免許証を捨てたことが少しだけ救われた。
それぞれが無関係に見える、小さなモラル違反。それが小さな男の子の命を奪った。
前半は、彼らの描写から始まり、遅々として進まない物語にちょっと辟易。これがどんな風に繋がっていくのか、はやる気持ちでページをめくった。
街路樹の脇にいつも犬の糞をさせる老人。道路拡幅工事のため街路樹を伐採する計画を阻止するために立ち上がる老婦人。
待ち時間が嫌で、夜間診療に風邪で通院する大学生。責任を問われるのが嫌で、内心、緊急の患者が来ないことを願う医師。
大きな車に買い換えたため、車庫入れがうまくいかず、途中で投げ出すOL。
市民の苦情で犬の糞の処理しなかった役所の職員。極度の潔癖症で、糞のために街路樹の点検をしなかった造園業の職人。
小さな、本当に小さなモラル違反が、無責任が連鎖して、男の子が死んだ。
男の子の父親は、この悲しみ、怒りをどこにぶつけるべきなのか。
誰一人として謝らない。誰か一人でも、悪かった、申し訳ない、と思ってくれたのなら、と何度も何度も悔しい思いをした。
でも、父親は気付く。彼らを責めることは出来ない。小さなモラル違反、これくらいならいいか、一回だけなら、そんな些細なモラル違反は誰しもが経験している。それが、どんな風に連鎖して悲劇を生もうとは考えもせずに。
なんて気分の悪い物語を書くんだ、と「愚行録」で証明済みの貫井氏だけど、これは自分にも当てはまることで、小さなモラル違反でも、守れることは守らなくては、と思う。
突き詰めると、やっぱり、あの犬の散歩をさせてた老人が一番の発端だよね。
車庫入れの女性が、免許証を捨てたことが少しだけ救われた。
2009年06月28日
モダンタイムス 伊坂幸太郎著。
≪★★★≫
浮気を疑う妻が差し向けた男に、拷問されそうになる渡辺。会社では、得体の知れない会社ゴッシュの仕事を任され、前任者の五反田は「見て見ぬふりも勇気だ」と謎の言葉を残し行方をくらましている。
ある言葉をキーワードにして検索をすると、なにかが起きる。
それは一体なんなのか、なんのために。誰が?
五年前に起きた播磨崎中学校襲撃事件、浮気を疑う妻佳代子、友人の作家が示してくれたヒント、拷問しようとした男岡本との奇妙な距離、もりだくさん。
すべてが監視されてるとしたら。ネット情報の怖さや脆さをこれでもか、これでもか、って、いや〜、ボリュームあったよね。
「ゴールデンスランバー」と並行して書かれていたそうで、だからなのか、ネット情報の怖さ、捻じ曲げられた真実、逃げてるあっちの主人公がところどころで浮かんできた。
それぞれが言われた作業を仕事としてこなしてるだけで、システムは変えられない、それが奥底にある。それが怖い、本当に怖い。
結局、桜井ゆかりはなんだったのか。不倫は、運命だったのか、それとも仕組まれたものだったのか。
佳代子も恐い妻なのに、なぜか終盤頼ってしまってる自分がいたりして。佳代子って一体何者だったのか。
浮気を疑う妻が差し向けた男に、拷問されそうになる渡辺。会社では、得体の知れない会社ゴッシュの仕事を任され、前任者の五反田は「見て見ぬふりも勇気だ」と謎の言葉を残し行方をくらましている。
ある言葉をキーワードにして検索をすると、なにかが起きる。
それは一体なんなのか、なんのために。誰が?
五年前に起きた播磨崎中学校襲撃事件、浮気を疑う妻佳代子、友人の作家が示してくれたヒント、拷問しようとした男岡本との奇妙な距離、もりだくさん。
すべてが監視されてるとしたら。ネット情報の怖さや脆さをこれでもか、これでもか、って、いや〜、ボリュームあったよね。
「ゴールデンスランバー」と並行して書かれていたそうで、だからなのか、ネット情報の怖さ、捻じ曲げられた真実、逃げてるあっちの主人公がところどころで浮かんできた。
それぞれが言われた作業を仕事としてこなしてるだけで、システムは変えられない、それが奥底にある。それが怖い、本当に怖い。
結局、桜井ゆかりはなんだったのか。不倫は、運命だったのか、それとも仕組まれたものだったのか。
佳代子も恐い妻なのに、なぜか終盤頼ってしまってる自分がいたりして。佳代子って一体何者だったのか。
2009年06月20日
三人姉妹 大島真寿美著。
≪★★★≫
大島氏の書くヒロインって、こんな感じ。
どこにでもいる女の子で、特別容姿端麗でもなく、どちらかというとみんなと同じに出来ない不器用な感じの女の子。
水絵も、大学卒業後、フリーターで映研にOGとして参加しながら、ミニシアターでバイトしてる女の子。
大学の後輩の右京君のことが好きで好きで堪らないのに、恐らくどこかで付き合いに無理を感じちゃってる。
右京君との、もしかしたら期待持ってもいいかも感のある自然消滅な別れ、全然物語的には、結局なんだったのよ、の二人の関係なんだけど、でもこれまた大島氏らしく、読み終えた後、水絵が一歩踏み出したのが分かるんだよね。大事件もない、誰でも経験してそうなことなんだけど、成長してるんだよね。
三人姉妹っていうんだから、もちろん、長女の亜矢。見合い結婚で経済的に恵まれてるとろこへ嫁いだものの、冒頭では離婚するだのとすったもんだしてる。大人になると、そう簡単には決められないこともあって、騒いでみても、それで気の済むこともあり、亜矢はなんだかんだいって祖父江家で居場所確保してる。
次女の真矢は、不倫を脱しバリバリキャリア志向で働いている。
グンジさんの気持ちに気付いていながら、グンジさんはゲイだということにして、ちゃっかりグンジさんとの友情を確立しちゃってるところが私にはさすがに見える。
でも、本当は気づいてないだけで、真矢にはグンジさんが一番なんじゃないかとも思ってる。なんたって謎の病気を治してくれるんだから、グンジさん。
水絵の視点で、福池家のあれやこれやが語られて、でもやっぱり末っ子の水絵が、なんのかんのと言いながらも二人の姉にいろいろと人生教えられるところがいいよね。
亜矢の天敵、小姑の雪子も、水絵とは仲良しって表現は合ってないけど、水絵にとって血は繋がってないけど、3人目の姉みたいで、興味のある関係だよね。
大島氏の作品には、それが決してメインではないんだけど、うまくいかない恋っていうのがよくあって、なんともいえない親近感があるんだよね。この身近な感じが好き。
大島氏の書くヒロインって、こんな感じ。
どこにでもいる女の子で、特別容姿端麗でもなく、どちらかというとみんなと同じに出来ない不器用な感じの女の子。
水絵も、大学卒業後、フリーターで映研にOGとして参加しながら、ミニシアターでバイトしてる女の子。
大学の後輩の右京君のことが好きで好きで堪らないのに、恐らくどこかで付き合いに無理を感じちゃってる。
右京君との、もしかしたら期待持ってもいいかも感のある自然消滅な別れ、全然物語的には、結局なんだったのよ、の二人の関係なんだけど、でもこれまた大島氏らしく、読み終えた後、水絵が一歩踏み出したのが分かるんだよね。大事件もない、誰でも経験してそうなことなんだけど、成長してるんだよね。
三人姉妹っていうんだから、もちろん、長女の亜矢。見合い結婚で経済的に恵まれてるとろこへ嫁いだものの、冒頭では離婚するだのとすったもんだしてる。大人になると、そう簡単には決められないこともあって、騒いでみても、それで気の済むこともあり、亜矢はなんだかんだいって祖父江家で居場所確保してる。
次女の真矢は、不倫を脱しバリバリキャリア志向で働いている。
グンジさんの気持ちに気付いていながら、グンジさんはゲイだということにして、ちゃっかりグンジさんとの友情を確立しちゃってるところが私にはさすがに見える。
でも、本当は気づいてないだけで、真矢にはグンジさんが一番なんじゃないかとも思ってる。なんたって謎の病気を治してくれるんだから、グンジさん。
水絵の視点で、福池家のあれやこれやが語られて、でもやっぱり末っ子の水絵が、なんのかんのと言いながらも二人の姉にいろいろと人生教えられるところがいいよね。
亜矢の天敵、小姑の雪子も、水絵とは仲良しって表現は合ってないけど、水絵にとって血は繋がってないけど、3人目の姉みたいで、興味のある関係だよね。
大島氏の作品には、それが決してメインではないんだけど、うまくいかない恋っていうのがよくあって、なんともいえない親近感があるんだよね。この身近な感じが好き。
2009年06月18日
スノーフレーク 大崎梢著。
≪★★★★≫
面白かった。
小学生の時、大好きだった幼なじみが死んでしまった。その少年、速人を見かけたという。そして真乃の目の前にも速人とよく似た青年が現れ、速人は生きているのではないかと思われる不思議な出来事が続く。
いつものじれったい大崎氏なのかと警戒してたけど、なかなかどうして。
速人は生きているのか。事件の時、速人の遺体だけが見つかっていない。
似ている青年、勇麻の正体は、速人なのか?
もう一人の幼なじみ、亨。
なんでこんなに真乃がもてるのか、出来すぎなくらいなんだけど、ま、女子のハートは掴むでしょう。このあま〜〜い感じは。
こんな甘いの書くんだ〜と新鮮な気持ち。嫌いじゃない。
真相まで、本当に引き込まれた。
真乃がずっと好きだった男の子、ってところ、なかなか無難などんでん返しで、よろしいんじゃないでしょうか。
面白かった。
小学生の時、大好きだった幼なじみが死んでしまった。その少年、速人を見かけたという。そして真乃の目の前にも速人とよく似た青年が現れ、速人は生きているのではないかと思われる不思議な出来事が続く。
いつものじれったい大崎氏なのかと警戒してたけど、なかなかどうして。
速人は生きているのか。事件の時、速人の遺体だけが見つかっていない。
似ている青年、勇麻の正体は、速人なのか?
もう一人の幼なじみ、亨。
なんでこんなに真乃がもてるのか、出来すぎなくらいなんだけど、ま、女子のハートは掴むでしょう。このあま〜〜い感じは。
こんな甘いの書くんだ〜と新鮮な気持ち。嫌いじゃない。
真相まで、本当に引き込まれた。
真乃がずっと好きだった男の子、ってところ、なかなか無難などんでん返しで、よろしいんじゃないでしょうか。
とんび 重松清著。
≪★★★★☆≫
「とんび」と「鷹」の長い長い父と子の物語。
我が子の誕生をどれほど待ち焦がれていたか。照れ屋のヤスさん。美佐子さんとアキラを無骨な愛情で包み込む。このままずっと続けばいいと思っていたのに。まさかの「暗転」。
え〜〜〜〜っ!と、もう〜〜、やだぁ〜〜っ!!とギュッと苦しくなってしまった。
父と子だけになってしまっても、たくさんの手があった。海雲和尚が、両親のいる子は前も後ろも抱きしめてもらえるから暖かい。でもアキラはヤスさんしかいないから、背中が寒いだろう、でもその背中をみんなが暖めてくれる、なんだかいいよね〜〜って。
ヤスさんとアキラは、たくさんの周囲の人に助けられながら、時にぶつかり合いながらも、生きていく。
海雲も、幼なじみの照雲も、その妻幸恵も、たえ子さんも、みんなアキラを見守り、ヤスさんを助ける。
これで泣かない方がおかしいってば。
アキラの結婚相手が、バツイチの子持ちってとこで、あ、そうきたか、と思ったけど、ヤスさんが由美の連れ子とアキラの子、どちらかが溺れたら、って話の時、う〜〜っ!ヤスさんは男だね!と思ったよ。
昭和の古い親父で、バツイチ、子連れにちょっと面白くない顔してたのに、一度孫と認めたら、そういう筋はきちんと通ってるんだね。
いつも短編で、故郷に親を残す子どもの話があるけど、それのロングバージョンでした。
「とんび」と「鷹」の長い長い父と子の物語。
我が子の誕生をどれほど待ち焦がれていたか。照れ屋のヤスさん。美佐子さんとアキラを無骨な愛情で包み込む。このままずっと続けばいいと思っていたのに。まさかの「暗転」。
え〜〜〜〜っ!と、もう〜〜、やだぁ〜〜っ!!とギュッと苦しくなってしまった。
父と子だけになってしまっても、たくさんの手があった。海雲和尚が、両親のいる子は前も後ろも抱きしめてもらえるから暖かい。でもアキラはヤスさんしかいないから、背中が寒いだろう、でもその背中をみんなが暖めてくれる、なんだかいいよね〜〜って。
ヤスさんとアキラは、たくさんの周囲の人に助けられながら、時にぶつかり合いながらも、生きていく。
海雲も、幼なじみの照雲も、その妻幸恵も、たえ子さんも、みんなアキラを見守り、ヤスさんを助ける。
これで泣かない方がおかしいってば。
アキラの結婚相手が、バツイチの子持ちってとこで、あ、そうきたか、と思ったけど、ヤスさんが由美の連れ子とアキラの子、どちらかが溺れたら、って話の時、う〜〜っ!ヤスさんは男だね!と思ったよ。
昭和の古い親父で、バツイチ、子連れにちょっと面白くない顔してたのに、一度孫と認めたら、そういう筋はきちんと通ってるんだね。
いつも短編で、故郷に親を残す子どもの話があるけど、それのロングバージョンでした。
ブロードアレイ・ミュージアム 小路幸也著。
≪★★★☆≫
懐かしき古き良きブロードウェイ!男は男だったし、女は女だったし、金持ちは金持ち、貧乏人は貧乏だった時代に、<ブロードアレイ・ミュージアム>はあった。
そこに暮らす人たちには、それぞれの事情ってもんがあって、少女のフェイの持つ不思議な力のために、大人たちが奔走する物語。
最初は、どうしてだか全然進まなくて、なんと時間のかかったことか。
フェイがあるモノに触ってしまうと、そこには悲劇が見える。それを阻止するために、訳ありの大人たちが、ああだこうだと動き回るんだけど、すっかり冒頭で出てきた写真に写っていた赤ん坊の存在や訪ねてきた小説家なんて忘れて、あの時代に引き込まれてしまった。
マフィアのボスや幼なじみの窮地、メイベルさんの仇、いろんな事件に遭遇して、ブロードアレイ・ミュージアムに関わる人たちのそれぞれの過去が少しずつ明らかになっていく。
やっぱりエディの正体が気になったけど、進めば進むほどに面白くなっていく。
もちろん「東京バンドワゴン」の流れを汲んで、賑やかな騒動の連続。
懐かしき古き良きブロードウェイ!男は男だったし、女は女だったし、金持ちは金持ち、貧乏人は貧乏だった時代に、<ブロードアレイ・ミュージアム>はあった。
そこに暮らす人たちには、それぞれの事情ってもんがあって、少女のフェイの持つ不思議な力のために、大人たちが奔走する物語。
最初は、どうしてだか全然進まなくて、なんと時間のかかったことか。
フェイがあるモノに触ってしまうと、そこには悲劇が見える。それを阻止するために、訳ありの大人たちが、ああだこうだと動き回るんだけど、すっかり冒頭で出てきた写真に写っていた赤ん坊の存在や訪ねてきた小説家なんて忘れて、あの時代に引き込まれてしまった。
マフィアのボスや幼なじみの窮地、メイベルさんの仇、いろんな事件に遭遇して、ブロードアレイ・ミュージアムに関わる人たちのそれぞれの過去が少しずつ明らかになっていく。
やっぱりエディの正体が気になったけど、進めば進むほどに面白くなっていく。
もちろん「東京バンドワゴン」の流れを汲んで、賑やかな騒動の連続。
2009年06月08日
ブラザー・サン シスター・ムーン 恩田陸著。
≪★★★≫
うん、恩田作品の中で苦手じゃない。
高校時代の同級生男女三人が、同じ大学に進み、共に過ごしたり、離れたり、そしてなにもなかった大学時代を振り返る。決して事件があるわけでもなく、淡々と話は進む。
これ、苦手な人は苦手かも。こんなとりとめのない物語、だからなに?って思うかもね。
でも私は思ったよりもさくさく読んでしまった。
記憶にあるタイトル、見たことはないけど、映画だよね。映画を見てないからなにがどう共通してるのか分からないけど、もしかして、響かない人には響かない、一見意味のなさそうなものの繋がりなのかな、と。
この物語は、第二部で戸崎衛が語る、
「大学生というのは、あまり停車駅のない長距離列車に乗っているようなもの」
これがすべてのような気がする。座席でうとうとしていても起されることはないし、まして乗り過ごしたとしてもね。
ずっとカードゲームに熱中していても構わない、そんな感じが大学時代。
私には共感できてしまったから、とりとめのない三人の思い出話、苦じゃなくて、懐かしさを持って読めてしまった。
そして第三部の、箱崎一が言う、
「『私たちは別れるために出会ったのね』」
そういう物語だったのだ。
うん、恩田作品の中で苦手じゃない。
高校時代の同級生男女三人が、同じ大学に進み、共に過ごしたり、離れたり、そしてなにもなかった大学時代を振り返る。決して事件があるわけでもなく、淡々と話は進む。
これ、苦手な人は苦手かも。こんなとりとめのない物語、だからなに?って思うかもね。
でも私は思ったよりもさくさく読んでしまった。
記憶にあるタイトル、見たことはないけど、映画だよね。映画を見てないからなにがどう共通してるのか分からないけど、もしかして、響かない人には響かない、一見意味のなさそうなものの繋がりなのかな、と。
この物語は、第二部で戸崎衛が語る、
「大学生というのは、あまり停車駅のない長距離列車に乗っているようなもの」
これがすべてのような気がする。座席でうとうとしていても起されることはないし、まして乗り過ごしたとしてもね。
ずっとカードゲームに熱中していても構わない、そんな感じが大学時代。
私には共感できてしまったから、とりとめのない三人の思い出話、苦じゃなくて、懐かしさを持って読めてしまった。
そして第三部の、箱崎一が言う、
「『私たちは別れるために出会ったのね』」
そういう物語だったのだ。
2009年06月05日
まんまこと 畠中恵著。
≪★★★★≫
今回はよかった〜。裏切られなかった。
神田の町名主の跡取り息子、お気楽な麻之助。幼なじみにして悪友のこちらも町名主の跡取り清十郎、そして同心見習い吉五郎と、江戸の町で巻き起こる人情物語の数々。
いや〜、面白かった!
畠中氏は、明治より江戸の方がよいんじゃないかしら。
気になるのは、麻之助と、清十郎の義理の母であり、幼なじみであるお由有。これは・・・切ない恋物語か!と気を揉んでしまった。
吉五郎のまたいとこのお寿ずも現れて、三角関係なのか、四角関係なのか、やきもきしそうなとこだったんだけど、お由有の子が、そういうことね、と分かった途端、お由有からお寿ずの方に私の気持ちは傾いてしまった。
いやいや、これは早く続編が読みたい。
今回はよかった〜。裏切られなかった。
神田の町名主の跡取り息子、お気楽な麻之助。幼なじみにして悪友のこちらも町名主の跡取り清十郎、そして同心見習い吉五郎と、江戸の町で巻き起こる人情物語の数々。
いや〜、面白かった!
畠中氏は、明治より江戸の方がよいんじゃないかしら。
気になるのは、麻之助と、清十郎の義理の母であり、幼なじみであるお由有。これは・・・切ない恋物語か!と気を揉んでしまった。
吉五郎のまたいとこのお寿ずも現れて、三角関係なのか、四角関係なのか、やきもきしそうなとこだったんだけど、お由有の子が、そういうことね、と分かった途端、お由有からお寿ずの方に私の気持ちは傾いてしまった。
いやいや、これは早く続編が読みたい。
鬼の跫音 道尾秀介著。
≪★★★☆≫
そっと不気味さが近寄ってくる感じ。
「鈴虫」 Sの死体を埋めた。11年後、男が刑事に取調べを受けている。Sの大学時代の友人で、男の妻はSの元恋人。そう来たか。
「ケモノ」 家族の中で駄目人間な僕が、偶然、刑務所作業製品の椅子の裏にあるメッセージを見つけた。引き寄せられるように、43年前Sという男が引き起こしたある事件を調べ始める。
いや〜、これが一番、やられた!なんともいえないやり切れなさが残る。
「よいぎつね」 20年以上も前、高校時代、祭りの夜。友人Sたちにそそのかされ、越えてはならない一線を越えてしまった男が、20年後、同じ祭りの夜に見たものは・・・。
「箱詰めの文字」 作家としてデビューした男の秘密。友人Sの作品を盗作してしまった。Sの弟と名乗る青年がやって来る。嫌な気持ちになるどんでん返し。
「冬の鬼」 私とSの、壊れていない愛。古典の匂いがした。ちょっと悲しくなるよね。
「悪意の顔」 Sに執拗に嫌がらせをされる少年。そんな時、なんでもキャンバスに閉じ込めるという近所では変わり者の女性と出会う。
これ、ラストかなり不気味で、ドギマギしてしまった。本当にSの悪い心が閉じ込められたのだろうか。それとも作り話?
怖かったよ〜〜〜。
でもワールドとしては、恒川氏みたいで、一瞬錯覚してしまった。
嫌いじゃない不気味さ。
そっと不気味さが近寄ってくる感じ。
「鈴虫」 Sの死体を埋めた。11年後、男が刑事に取調べを受けている。Sの大学時代の友人で、男の妻はSの元恋人。そう来たか。
「ケモノ」 家族の中で駄目人間な僕が、偶然、刑務所作業製品の椅子の裏にあるメッセージを見つけた。引き寄せられるように、43年前Sという男が引き起こしたある事件を調べ始める。
いや〜、これが一番、やられた!なんともいえないやり切れなさが残る。
「よいぎつね」 20年以上も前、高校時代、祭りの夜。友人Sたちにそそのかされ、越えてはならない一線を越えてしまった男が、20年後、同じ祭りの夜に見たものは・・・。
「箱詰めの文字」 作家としてデビューした男の秘密。友人Sの作品を盗作してしまった。Sの弟と名乗る青年がやって来る。嫌な気持ちになるどんでん返し。
「冬の鬼」 私とSの、壊れていない愛。古典の匂いがした。ちょっと悲しくなるよね。
「悪意の顔」 Sに執拗に嫌がらせをされる少年。そんな時、なんでもキャンバスに閉じ込めるという近所では変わり者の女性と出会う。
これ、ラストかなり不気味で、ドギマギしてしまった。本当にSの悪い心が閉じ込められたのだろうか。それとも作り話?
怖かったよ〜〜〜。
でもワールドとしては、恒川氏みたいで、一瞬錯覚してしまった。
嫌いじゃない不気味さ。


