2014年10月20日

豆の上で眠る 湊かなえ著。

《★★★》

小学一年生の時に、姉の万佑子ちゃんが行方不明になった。
いつも優しく、絵本を読んで聞かせてくれた万佑子ちゃん。お気に入りの本は、「えんどうまめの上になたおひめさま」。
本物のお姫様だと証明するために、小さな豆をベッドの下に置いて気付くかどうか、そんな童話が二人のお気に入りだった。
本当に気付くかしら?と実験した思い出もあった。

そんな万佑子ちゃんが突然いなくなったのだ。
同じ姉妹とは思えないほど、対照的だった妹の結衣子は、姉の不在よりも、いなくなったのが自分だったら母親はここまでするだろうか、とそんな不安や孤独を感じながら過ごす。
隣の県で起きた同じような事件が、男による監禁事件で解決したことにより、母親は結衣子を利用して不審者を捜す。

万佑子の失踪事件と、現在が交錯しながら物語は進み、現在では、姉は無事に戻って来ていて、でも、結衣子の語り口では、万佑子を失ったものとして語られるので、またもや、いつもの湊節だな、と。
こう思わせておいて、実はこう!!みたいな、そんな展開なんだろう、と予測立てつつ、どんなことがあるだろうか、と考えながら読んだ。

途中、母親の行動のせいで結衣子がクラスでいじめられたり、失踪してから二年後に保護された万佑子が戻って来ても、家族に馴染めなかったり、結衣子は可哀相だったね。
そのわりに、万佑子の方は私立に通ったり、友達もできたりと、この差がなんとも言えず切ない。

物語の最初からキーワードとして出てくるあの童話も、つまりは偽物と本物、そういうことだね。

ラストに近づくにつれ、まるで【そして父になる】を思い出したよ。

取り違え、そういうのって家族にはきちんと話さなきゃダメじゃないのかな。特に姉妹ならば。
なんだか、安西家の親はちょっとずれてるかな。まったく別の子を受け入れられるわけないじゃん、説明なしに。
しかも二年しか経ってないのに、違うものは違うでしょ。

二人の少女にとっては、まあ、辛いだろうけどね。それにミスリードが大好きな湊氏だから、こうでもしないとミスリードできないんだろうけど、取り違えを家族、身内にすら説明なしで強行突破は、説得力に欠ける。

でも、それなりにドキドキしながら読めたけどね。

posted by じゃじゃまま at 12:38| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 ま行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

芸者でGO! 山本幸久著。

《★★★☆》

お仕事小説ですね〜。山本氏のお仕事小説は、本当に楽しいし、ほんわかしてくる。
アヒルバスのデコがゲストなのも、ファンにとっては嬉しいし。

八王子で芸者をしている、置き屋「夢民」五人衆。
男に振られて芸者になった、元女子高生、晴子。
その晴子の元彼の友達、佐野君に夢中な十も年上の紗英。
元看護師で高校生の息子がいるシングルマザーの千香。
プロレス歴はほんのひと月でリングネームすらもらってないのに、そっちの方が興味持たれる優月。
みんなの憧れで、ちょっと遠巻きにもされる謎の喜久代。

どれもこれも、いろんな事情があるんだけど、ふっと笑ってしまったり、涙ぐんだり。

紗英の章では、最後佐野君が帰ってこなくなって、どうしたんだろう?って、佐野君のお父さんが出てきたりで、嫌な予感で終わったよね。
千香には、結婚式前日に事故で亡くなった婚約者との子供がいて、当時の仲間たちが千香にはいてくれたのが嬉しかったし。
女らしくなりたくて芸者になった優月、恋には縁遠いのかなってイメージだったけど、なにやら素敵な出会いがあるし、謎の多かった喜久代さんには、辛い辛い過去があって、別れた子供との再会は・・・ないのかな。

大団円のラストのようで、ちょっとずつ余韻を引きずりながら終わったのも、いい味。

佐野君と逃避行に走った沙英は見つかったのか。
置屋「夢民」が千香が継いでくれれば、なんか安心だしね。だって、千香には亡き婚約者との間の息子を抱えて、これからも女手で頑張って欲しいしね。

なんだろうな〜、なんか嬉しくなる物語でした。

posted by じゃじゃまま at 12:07| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 山本幸久 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月08日

コロボックル絵物語 有川浩著。

《★★★》

どうということもない短いお話。
だけど、子供のころ佐藤さとる氏の「コロボックル」シリーズに夢中になった者としては、久しぶりに、コロボックルの存在を信じてたあの頃に戻れて嬉しかった。

当時、佐藤さとる氏のコロボックルを読んだ子供たちは、絶対コロボックルを信じて探したね。
私は多少遅く、中学一年のころに読みました。読み始めた瞬間から、ドキドキワクワクして、もしかしたら本当にいるのかも???って確かに探した。

これは子供たちにも話してるし、本当にあったことなんだけど、でも、今では半信半疑の出来事。
そう、ちょうど佐藤さとる氏の「コロボックル」に夢中になっていたある晩。
さあ、もう寝ましょうとベッドに入りました。
そうしたら、ベッドの下から「ルルルルルルルルル・・・・」って音が。

それはまるで物語の通り、コロボックルの話し声みたい!!
それでも、まさかね〜、きっと虫に違いない、と。
でも明らかに声は部屋の中から。じゃ、虫が部屋の中かよ!?いつもなら虫嫌いの私は大騒ぎするところなんだけど、でも、虫ともちょっと違うような、っていうか、半分、コロボックルかも!って信じてたからね。

しかもしかも!ベッドの下あたりから聞こえてきて、探したんだ、コロボックル。
だけど、探して驚かしちゃいけないと思って、ゆっくりと「コロボックルさん、出ておいで。おやすみなさい」とかなんとか話しかけたんだよね。

あの当時、確かに私は信じてた。

そんな子供が全国に何人いただろう。きっと読んだ子供たちはみんな信じてたと思う。
その、信じてた自分のあのころがよみがえって来て、懐かしく読んだ。

そして、実は今でも私は、やっぱりコロボックルだったんじゃないかな〜?って信じてる自分に改めて気付いた。

有川氏が今後、どのように紡いでいくのか。待ってます。

posted by じゃじゃまま at 10:29| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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