2014年12月28日

昨夜のカレー、明日のパン 木皿泉著。

《★★★★★》

ほっこり温かくなる小説。
読む前にドラマを途中まで見てしまったので、イメージができてしまった。
テツコは仲里依紗だし、ギフは鹿賀丈史だし、岩井さんは溝端淳平。シュウマイにかけるウスターソースまでばっちりイメージできる。

ドラマの優しさがそのまま読んでいてイメージできて、本当によかった。

不思議な感じの物語だったけど、夫が死んでそのまま義父と同居するテツコ。
息子を亡くす父と、夫を亡くす嫁。二人は大事な人を亡くすという悲しみを共有し、二人で乗り越え、いつの間にか義父はギフへ、徹子さんはテツコさんとカタカナ表記の呼び方に・・・変わる感じのニュアンスも、ドラマで見ていたおかげで伝わってきた。

かといってドラマを絶賛ってわけでもなく、いやいや、絶賛してもいいんだけど、それはやっぱり原作のよさがあるからなんだろうな〜。
あの原作に流れる温かさ、優しさ。すごい独特。

そこへテツコの恋人岩井さんも登場して、いやいや、夫は死んでるんだからテツコのことを思えば岩井さんも大事なんだけど、でも夫のことも忘れて欲しくなくて、ギフとも仲良くして欲しくて。
そんなわがままが全部ハッピーエンドになるとっても素敵な小説だった。

ドラマを最後まで見られなかったので、最後の章のあの出会いは、テツコと一樹だったのか確信が持てないのが残念だ。


posted by じゃじゃまま at 16:29| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 か行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

壁と孔雀 小路幸也著。

《★★★★》

警視庁SPの土壁英朗は仕事の負傷で休暇を取り、幼い頃両親の離婚で別れたまま2年前に事故死した母の墓参りに赴く。北海道にある母の実家は町を支配する名家で、今は祖父母と小5の異父弟・未来が住んでいた。しかし初めて会う未来は自分が母を殺したと告げ、自ら座敷牢に篭もっていた。その真意とは?さらに町では謎の事故が相次ぐ。信じるべきものがわからぬまま、英朗は家族を護るため立ち上がる。 (「BOOK」データベースより)

小路氏にしてはちょっと珍しい、きな臭さの漂うミステリー小説。
でも、やっぱり根底には人の優しさが流れている。
主人公、土壁英朗には幼い頃に別れた母がいる。父とは駆け落ちで結ばれたという。その母がある日父と別れ英朗を置いて家を出てしまった。それから数十年、母の死に、墓参りのために、会ったこともない祖父母に会いに行く。
それまで音信不通だった英朗に対し、祖父母は愛情を持って接してくれる。ずっと気にかけていた、と。
こういうところが優しいんだよね。

そして、英朗は知らなかった。自分に異父兄弟がいたことを。まだ小学生の弟。だけど父親の存在は知らされていない。
秘密の多い母の一族だけど、今までの小路氏の小説のようにぎりぎりまで引っ張って感はあまり感じなかった。

篠太家の結束は、ある秘密を守るためで、邪まなものもあれば、純粋に篠太本家を守るためだったり、だけどやっぱり小路氏だからね、根底には人間への優しさが溢れていて絶対に幸せになるの分かってるからね。

珍しくお金に絡んで嫌な奴いたけどね。

母親がどうして弟を産んだのか、どうしてあの池で死んでしまったのか、本当の真相は分からないままだったけど、未来も祖母も、英朗も、安心できたのでよかったよかった。

posted by じゃじゃまま at 16:02| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月20日

ビタースイートワルツ 小路幸也著。

《★★★★》

2000年、北千住の“弓島珈琲”。店主の私(弓島大)を過去の事件から救ってくれた恩人で、常連客でもある三栖警部が失踪。三栖さんからとおぼしきメールには“ダイへ”とだけ。私と常連の純也は、早速探索に乗り出す。一方、私が過去に巻き込まれた事件に関わることになったあゆみは、女子大生となり、“弓島珈琲”へ出入りする。そのあゆみが、親友と連絡が取れないというのだが…。 (「BOOK」データベースより)

このシリーズ久しぶり。細かいことはほとんど忘れてるけど、ああ、そんなこともあったなぁとか、ああ、そうだったそうだった、と、多分前作よりも私は好感触。
基本、悪い人がいないんだ。

大さんのことを慕うあゆみちゃんの親友と、三栖警部失踪事件がひとつになって、悪意からの事件かと心配したけど、結局それぞれを想う気持ちが発端となって、下地に流れるものは温かい。
大さんの恋人が死ぬきっかけを作った人物も、すっかりいい人になっていて、これも本人の意思でいい人になってるんだけど、なかなかこんな風に自分の意思だけで更生できる人ってのもいないんじゃないか。

そして周囲にいる人たちも、それを見守って、基本、いい人たちばかり。

今、小路氏の次の作品を読んでるんだけど、きっとこれも下地に流れるものは優しいんだろうな〜と思いながら、先を楽しみに進めている。

なんだかミートソースが食べたくなる小説だった。



posted by じゃじゃまま at 11:14| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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