2015年01月18日

スターダストパレード 小路幸也著。

《★★★☆》

(内容紹介)
傷心の元暴走族ヘッドが、
言葉を失った5歳の少女と逃避行――

星屑のようなささやかな僕たちの光。

『東京バンドワゴン』の著者が描く
極上のハートフル・ミステリー

元暴走族のヘッド・マモルが刑務所から出所した日に、
彼を無実の罪で逮捕した刑事・鷹原が迎えにきた。
鷹原は、母・ジョゼットを不審な死で亡くした少女・ニノンが
何者かに狙われているため、
三重にいる鷹原の元妻・美里のところへ連れていくようマモルに依頼。
マモルに去来する美里との過去と想い――。
マモルとニノンは無事に辿り着けるのか?
そしてジョゼットの死の真相とは?

生きていていいんだってあの人に教えてもらったんだ――  

物語の始まりの、その前からが、一つの小説になっていいくらいの内容だよね。
マモルの母親と妹は父親に殺されていて、だから同じ境遇のニノンに心寄せるって件もあって。
で、世話になった鷹原とその妻と男女の関係になって、無実の罪で刑務所に入れられて、その辺りも一つの小説になりそう。

あ、忘れちゃいけないのは、そうだった!鷹原とその同僚の杏子ちゃんには共通の目的があって。
杏子ちゃんの父であり、鷹原の尊敬する先輩刑事はある政治家絡みで殺されてて。
これだって、小説にするにはいい材料でしょ。
物語にするのは、骨折りそうだけど。
その辺の難しいとことは過去の話でさらっといって、この物語の軸は、ニノンちゃんの母親殺しの真相と、マモルとの逃避行の果ての鷹原と元妻の関係。

どれをとってもすごいネタでしょう〜。
結局、仇は取れなかった。大きく大きく風呂敷を広げたのに、畳みきれなかった。包みきれなかった。
そんな感じ。

でも小路氏の世界は、ドロドロとしたものではなく、ほっこりと最後は収まる感じなんだよね。

結局、ニノンちゃんは鷹原さんと美里さんが育てるんだろうな。
「壁と孔雀」もそうだったけど、全然別の人同士が最後は一緒に暮らして、めでたし、って。だけど、そこが一番安心だよね、ってとこに落ち着く。

面白かったけど、物語の前の段階もすごいことになってるじゃん!そっちも詳しく知りたいよ、って思いながら読み終えた感じ。



posted by じゃじゃまま at 10:31| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月12日

首折り男のための協奏曲 伊坂幸太郎著。

《★★★》

首折り男は首を折り、黒澤は物を盗み、小説家は物語を紡ぎ、あなたはこの本を貪り読む。胸元えぐる豪速球から消える魔球まで、出し惜しみなく投じられた「ネタ」の数々! 「首折り男」に驚嘆し、「恋」に惑って「怪談」に震え「合コン」では泣き笑い。黒澤を「悪意」が襲い、「クワガタ」は覗き見され、父は子のため「復讐者」になる。技巧と趣向が奇跡的に融合した七つの物語を収める、贅沢すぎる連作集。 (あらすじ紹介)

他のレビュー見ると、最後に繋がってすっきり!とかバラバラのパズルが一つになった!とか書いてあったんだけど、なんだか置いてけぼり。

え?パズル一つになった??
繋がったの???
っていうか、首折り男が借金取りの事務所で死んでたのはなんで?誰が、どうやって殺したの?
ところどころに死んだ話が出てくるけど、あれは首折り男が全部成敗してくれてたの?
そういうところをすっと納得して楽しめればいいんだけど、いちいち止まっては分かってない自分を気に病む。一応気に病んだりはするけど、引きずらない。

外科医とか浮気ばかりしてる男、トランクから見つかった遺体とか、ちょこちょこと話しが出てきた人たち、もしや繋がってるのか?と。
できればあの番組プロデューサーだっけ?久喜山だっけ?あいつもどうにかなって欲しかったけど。

伊坂ワールドは不条理な設定が多くて、それを受け入れる柔軟さがないと苦しめられる。
私は苦しむほどまでには真剣に捉えないことを学んだので、分からないときは分からないまま終わらせる。
ただ、見かけは大きいけどいじめられ気質の大男は、偶然にも首折り男によって解放されたし、子供を轢き殺された男の罪をこれまた首折り男が救ってくれたし。

時空のねじれも、いいでしょういいでしょう、そういうのもありですよ。

個々に楽しめたので、それはそれで面白かった。

posted by じゃじゃまま at 12:05| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 伊坂幸太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

黒い羽 誉田哲也著。

《★★★》

右肩にある瑕に、君島典子は幼い頃から苦しんできた。激しい痒みと痛み。どんな治療もほとんど効果がなかった。病院を転々とした末に辿り着いた遺伝子治療という選択。典子は主治医らとともに、人里離れた山奥にある研究施設へと向かう。ところが、そこには何体もの惨殺死体が転がっていた!ここには凄まじく危険なナニカがいる…。衝撃のサスペンス・ホラー。  (「BOOK」データベースより)

こういうの好きなんだよね〜、映像で観たら最高に好きなジャンル。
痣に苦しんできた主人公が、ちょっと好意を持ってる医師と他の患者と共に山奥の研究所に向かう。
途中、車が事故に遭ってそこで6人いたうちの二人が死亡する。

残ったのは内心好意を持ってる医師と、憎まれ口ばかり利く嫌な男と、年下の女の子。
その医師は気を失ったままだし、残った男は嫌な奴でちっとも協力的ではないし、でもなんとかここから離れないと夜になったら気温は下がって危険だし・・・助けを呼ばないと、って医師を担いで研究施設に向かうと誰もいない。
それどころか、そこかしこに死体が転がっている。腹をえぐられて・・・。

最初は熊かと思ったけど、そうではなく、なにか人為的なモノを感じた主人公。

で、正体不明なものに怯えながらも連絡を取ろうと施設内をうろうろするんだけど、こういうところが映像にもってこいの緊張度アップのシーンなんだよね。

でも読み終えてみると、緊張感はまったくなかった。

なぜならば、正体不明なモノとの見えない攻防戦があまりなくて、あるのは施設内うろうろして死体を発見して、主人公の別れた姉のカルテを見つけて、もしかして化け物の正体は姉かも、ってちょっとだけゾクゾクしたけど、結構あっさりと終わったし。

どこに盛り上がりをつけるかでだいぶ面白味も変わってきたと思うんだけど、素材はワクワクしそうだったのに、出来上がった料理は無難なものでした、って感じかな。

痣の正体も分からないままだし、ゴキブリを想像するとゾッとするけどね。

posted by じゃじゃまま at 11:44| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 誉田哲也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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