2015年02月23日

11月のジュリエット 乾ルカ著。

《★★》

高校2年の優香は乗り込んだ飛行機で、謎のガスにより乗客が大量死する事件に巻き込まれる。生き残ったのはわずか5人。地獄と化した機内に現れた4人の美青年たちは「NJ」という研究のデータを奪うため、秘密に触れた優香たちをも葬り去ろうとする。4人と対峙するうち、生きることに無気力だった優香は変わり始めるが―。閉ざされた飛行機で、凍えるアラスカの地で、少女は“生”を見つめ直す。名もなき花が導く、美しきサバイバル・ロマン。 (「BOOK」データベースより)

なんでしょうか。
まるで【ターミネーター】3だか4の、ゲーム会社だかどっかの会社の家に、お前が作ったものが未来では人類を滅ぼすものになるんだ、っていってシュワちゃんだちが乗り込んだシーンを思い出した。
でもそういうことだよね。

核も発明した人はそんなつもりじゃなかったのに、後に核兵器というものに利用されたように。

この物語も、未来に影を落とすある発明をなかったものにするために、未来から4人の青年たちが送り込まれた。
でもだからといって無関係な人たちまであんなにたくさん殺していいものだろうか。

最後まで残った優香と陣内。陣内は、未来の碑にその名前が刻まれていて、なきものにしようとしていたその不幸な発明を幸せな方に転換させた人らしい。

では優香は?

そのことには触れられてなかったけど、私は勝手に、陣内と優香は将来結婚するんだろう、と解釈した。

posted by じゃじゃまま at 17:44| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 乾ルカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ケモノの城 誉田哲也著。

《★★★☆》

記憶にある、尼崎の監禁殺人事件や、北九州で起きた一家監禁殺人事件など、明らかにそれがモデルだよねって物語。
ある少女が保護された。証言を元にあるマンションの一室に行くと、大量の血痕の反応が出た。少女と一緒に暮らしていた男女は一体誰なのか?
物語の冒頭には、ある青年の告白があり、人を殺そうとかそういう感情など持ったとしても実行に移すことなんてない。あの男に会うまでは・・・なんて意味深なセリフ。
この青年と恋人の生活に、ある男性が現れて、彼らとマンションで監禁されていた少女の事件が一体いつ結びつくのかハラハラしながら読んだ。

このハラハラ感が誉田氏の思う壺なんだろうけど。

少女の証言から出るある男女の名前。警察は必死に行方を追うが、追えば追うほど深い闇を覗くことになる。
関わった人間の、周りの家族たちも消えている。
小説では、二家族が犠牲になっていたけど、保険証の女性とか、え?まだいたよね?って嫌な気分になる。

逃げようにもあんなにボロボロになるまでよく我慢したよねって思ってしまう。
もっと早くどこかに相談できないものか、って思ってしまうけど。

実際の尼崎の事件とか、女の指示で自分の身内によくそんなことできるよねって思ったけど、小説でも自分の身を守るために親を裏切ったり、いや〜、気分悪かった。まったくもって理解できない。
なんでそんな男にそこまで傾倒するかな。

「ソウルケイジ」に似た切ないラストへと加速していったけど、そこはちょっと無理があったかな。
「ソウルケイジ」のようにはならないし、超えなかった。

そっちに持っていこうとすると、青年の恋人の父親の存在を替え玉にするしかないんだろうけど、無理があったかな〜。
だったら、恋人の父親が監禁の犯人でしたっていう方が、いやだけど、いやだけど!!でも現実的にあり得る展開だったのに。
読者をミスリードしたいがために、ちょっと無理のある方向に持って行ったなって正直思った。

でも切ないラストにはなったけどね。
でも久々に誉田節を読んだ気がする。

posted by じゃじゃまま at 17:32| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 誉田哲也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月12日

田村はまだか 朝倉かすみ著。

《★★★★☆》

深夜のバー。小学校のクラス会三次会。男女五人が、大雪で列車が遅れてクラス会に間に合わなかった同級生「田村」を待つ。各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たちのこと。それにつけても田村はまだか。来いよ、田村。そしてラストには怒涛の感動が待ち受ける。’09年、第30回吉川英治文学新人賞受賞作。傑作短編「おまえ、井上鏡子だろう」を特別収録。 (「BOOK」データベースより)

ようやく読んだ。
かつての旧友たちが田村を語る、中村理香を語る。
そして今は二人がよき夫、妻、パパ、ママであることも分かり、薄幸だった子供時代を乗り越えたんだな、と安心する。
旧友の一人は、恐らく田村の父親であろう人間と縁していたり、年下の教え子と切ない恋心を隠し持っていたり、浮気していたり、それぞれの問題も語られつつ、「田村はまだか?」なのだ。

そう、来ないのだ。

後に来れなかった理由が分かるんだけど、結構ショック。
それでも淡々と後日も語られ、最後の最後でバーで私たち読者は田村に会える。
その前に友人たちは病院で会ったりしてるんだけど、私たちは最後の最後に会えるんだよね。

こんなにも小学校時代の友人を待ってくれる旧友たち。
どこにでもある素材なのに、すごくおいしく調理した物語。なるほど、話題になっただけのことはある!

「おまえ、井上鏡子だろう」も、同じくクラス会に参加した他の友達の話。彼は田村は待たない。
どうでもいいんだろう。その帰り道、中学が一緒だった女性とすれ違う。
彼の中では記憶に残っているその女性。たまたま数回、あ、中学の時一緒だった子だ!って再会することもある。
でもそれだけで、別段人生に深く関わることも、その後縁することもないんだけど、でも、そういう再会ってあるよね。
その後で、井上鏡子が死亡欄に載っていても気付くことなく、ああ、またどこかで会うかもな〜ってのんびり想像してる。

どうでもいい再会って誰でもあることで、それを印象深く物語にしている。

posted by じゃじゃまま at 17:33| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あなたの本当の人生は 大島真寿美著。

《★★★》

かつての大島ワールドが、対象年齢をぐっとあげて復活したかのような作品。
読み終えた時、そっと気付かないうちにその人たちが成長したり、ほっこり幸せになってたりする、そんな物語。

なんだけど〜、でも長く感じてしまった。
何度も手が止まってしまって、終わればああ、かつての大島ワールドだ〜って思えるのに、辿りつくまでが長かったんだよね。

「内容紹介」より
「書く」ことに囚われた三人の女性たちの本当の運命は……
新人作家の國崎真美は、担当編集者・鏡味のすすめで、敬愛するファンタジー作家・森和木ホリーに弟子入り――という名の住み込みお手伝いとなる。ホリー先生の広大で風変わりなお屋敷では、秘書の宇城圭子が日常を取り仕切り、しょっぱなホリー先生は、真美のことを自身の大ベストセラー小説『錦船』シリーズに出てくる両性具有の黒猫〈チャーチル〉と呼ぶことを勝手に決めつける。編集者の鏡味も何を考えているのか分からず、秘書の宇城は何も教えてくれない。何につけても戸惑い、さらにホリー先生が実は何も書けなくなっているという事実を知った真美は屋敷を飛び出してしまう。
一方、真美の出現によって、ホリー先生は自らの過去を、自身の紡いできた物語を振り返ることになる。両親を失った子供時代、デビューを支えた夫・箕島のこと、さらに人気作家となった後、箕島と離婚し彼は家を出て行った。宇城を秘書としてスカウトし書き続けたが、徐々に創作意欲自体が失われ……時に視点は、宇城へと移り、鏡味の莫大な借金や箕島のその後、そして宇城自身の捨ててきた過去と、密かに森和木ホリーとして原稿執筆をしていることも明かされていく。
やがて友人の下宿にいた真美は、鏡味と宇城の迎えによって屋敷へと戻る。そしてなぜか、敢然とホリー先生と元夫の箕島にとって思い出の味を再現するため、キッチンでひたすらコロッケを作りはじめた。小説をどう書いていいのかは分からないけれど、「コロッケの声はきこえる」という真美のコロッケは、周囲の人々にも大評判。箕島へも届けられるが、同行した宇城はホリー先生の代筆を箕島に言い当てられ動転する。真美、ホリー先生、宇城、三人の時間がそれぞれに進んだその先に〈本当の運命〉は待ち受けるのか?




posted by じゃじゃまま at 17:11| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大島真寿美 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。