2008年08月08日

オレたち花のバブル組 池井戸潤著。

≪★★★★☆≫

「オレたちバブル入行組」の続編。なぜ四つ星半なのかというと、最後ちょっと悔しいじゃない!正義の味方半沢が、結局組織の一つの歯車としていいように使われて、行内の政治力には勝てないってところがね。

老舗ホテルの巨額損失隠蔽。金融庁の検査。銀行のためにも、なんとしてでも検査を乗り切り、伊勢島ホテルを再建させなくてはいけない。
その伊勢島ホテル内でも社長を裏切り権力争いが水面下で策略が。
取引先と行内の癒着、隠蔽工作、内通者。
同期の近藤は、出向先で不正を見つける。そしてそれがやはり行内の常務や腰巾着どもの悪事に繋がっている。半沢はすべてを見抜けるか。

これでもか!ってくらい悪玉が登場して、半沢を窮地に立たせる。
日本の時代劇さながら、読んでる私の血も騒ぐ。
半沢にはよき同志がいる。同期の渡真利や部下の小野寺。新聞記者やライバル銀行白水の行員。そしてなによりも、伊勢島ホテルの社長が男気のある経営者であり、出向させられた元経理の男性も善玉で、半沢の味方はすべて心強い存在。

ちょっとむか〜〜っときたのは、近藤さん!あなたね〜。もうっ!
大黒柱として、闘うサラリーマンとして仕方ないところもあるけどさ、半沢を見習え。京橋支店の小物たちは成敗されてザマーミロ。溜飲下がるね〜。

池井戸氏には、悪玉は必ず成敗されるというテーマがあって、そこがうまい!んだけど、さすが元行員だけあって、きれいごとだけじゃ済まされない現実もさらりと出てくるんだよね。必ず屈服しちゃう残念さんもいれば、まだまだ大きな悪は生き残った、みたいな後味の悪さもさら〜りとね。

でも、やっぱりさすが池井戸氏!作家としてぐんぐん魅力が出てきて、最初はお硬かったけど、柔軟性が頭のよさを感じさせます。
半沢の闘いはまだまだ続くんだろうな。

池井戸氏は、きっと行員という仕事にやりがいと誇りを持っていたのがうかがえて、ふと思い出したのが、新野剛志氏の「あぽやん」。
業種は違うけど業界モノ同士で、私が感じた違和感の正体が分かった。
こんなこと書いたら失礼だけど、書き手がその職業にどれだけ知識と愛情を持っているかで、伝わり方が違うってことかな。
池井戸氏は間違いなく金融のプロだね。


posted by じゃじゃまま at 10:55| ☀| Comment(3) | TrackBack(2) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
半沢、かっこよかったですね〜
まったく、銀行ってばどうなっちゃってるんですか?
金融庁のオネェ言葉の人も仕事をしなさい!って感じ。
ラストは、絶対に続編を読みたい。
負けずにのし上がってくる半沢さん、待ってます。
Posted by なな at 2008年08月08日 22:38
 うーん、「四つ星半」の気持ち、すごく良く分かる!
 前作は9回裏に逆転満塁サヨナラホームラン的結末だったのに、今回は9回表にダメ押しホームラン打ったのに、その裏で没収試合?みたいな。

 でもいつの日か、半沢ー!カムバック!
Posted by higeru at 2008年08月16日 02:47
ななさんへ
コメントすみません!うっかりしてました!
半沢さんはこのままじゃ悔しすぎますよね!そういう現実的なラストもまた余韻に浸ってしまう魅力の一つではあるんですけど。
でも金融庁のあの男、銀行員の娘を婚約してたら、関係ばれるのって時間の問題だった気もします。

higeruさんへ
最後が後味悪いですよね、悔しい!
近藤さんの裏切りがな〜んかがっかりでしたけど、一応悪事はばらせたし。池井戸さんが今連載してる話って、どんなのなんだろう。単行本になるの楽しみにしてます。
Posted by じゃじゃまま at 2008年08月17日 22:32
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