2009年02月02日

東京島 桐野夏生著。

≪★★★≫
夫との世界一周の航海で遭難し、無人島に漂着した清子。後に、同じく遭難して漂着してきた日本人と中国人と共に、トウキョウと名付けた島で救出を待ちわびながらも、生き延びるためのサバイバルが始まった。

てっきり「バトルロワイヤル」みたいな殺戮が繰り広げられるのかと思ってたけど、そこまで残酷ではなく、精神に異常をきたすものもいれば、病に倒れるものもいるけど、このいびつな島社会で生き延びようとするサバイバルだね。
中年で一番太っている清子が、島でただ一人の女性というだけで、性を武器に開放的になってたのは、ちょっと気持ち悪かった。

何年待ち続けても救出は来なくて、島でのけ者にされてたワタナベが、数年ぶりに島に廃棄物を投棄しにきた業者に救われるところは皮肉すぎる。でもなぜかスッとしてしまった自分もいる。
新たな生き方を確立した彼らは、本当に幸せなんだろうか。

清子のその後って、なんともいえず後味悪い。
でも「だから、なに?」と言えなくもない作品だったかも。




posted by じゃじゃまま at 11:37| ☀| Comment(5) | TrackBack(7) | その他 か行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
勧善懲悪や、倫理道徳なんてなんのその、のサバイバル物語でしたね。
それでも人間は、リーダーを求め、群れを作り、物事に意味づけを行わずにはいられない生き物なのだと、改めて思わされました。

読書中も読後も、決して気分よくはなかったけれど、著者らしいリアルさを味わえる読書タイムではありました。
Posted by ふらっと at 2009年02月02日 13:25
こんばんは。
人間の欲望ばかりの物語でした。
島でたった一人の女だった清子。
哀れで醜かったです。
Posted by なな at 2009年02月02日 21:41
こんばんは。
エゴむき出しの物語でしたね。
この人たちよりはちょっとはいいかもとか、
この行動よりましなことを選びそうとか、
そんな、程度の低い安心感を抱いちゃいました。
Posted by 藍色 at 2009年02月03日 04:39
はっきり言って、きっつい本でした。

男のダメさ加減、よぉくわかりました(^^ゞ
Posted by じゅずじ at 2009年02月04日 13:18
ふらっとさんへ
桐野さんの作品は数えるほどしか読んでないですけど、こういうリアルさが特徴なんですね。
あまり気分は良くならないですね〜〜〜。(苦笑)

ななさんへ
一番島で嫌悪感のあった人間が、脱出して成功してるかと思うと、残念でなりません。(爆)

藍色さんへ
無人島に漂着してしまうと、人間あんな風になっちゃうんでしょうか。これが桐野さんらしさなんでしょうね。
あまり好んで読んでみようと思う作家さんではないんですけど。

じゅずじさんへ
特に好んで手に取る作家さんではないんですけど、決定的にダメってほどでもないところが厄介で。(爆)
気分のよろしくない本でしたが、妙な余韻がありますよね。
Posted by じゃじゃまま at 2009年02月05日 11:27
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