彼らの住む「美奥」には、はっきりとは目に見えぬ境界線があり、そこにはもう一つの「美奥」がある。
いつもと同じ道、知っている道を歩いているつもりが、いつの間にか見知らぬ水路に迷い込み、進んでいくと、そこには・・・。
「美奥」で暮らす人々の物語。どこかで誰かに繋がっていて、思い出すのに苦労したり、すぐにピンときたり・・・。
でも、いつもの恒川ワールドよりは、ちょっと弱くて、好きなものと、ちょっと分からなかったのがある。
「けものはら」 中学三年の夏、春がいなくなった。心当たりは?と聞かれ、もしやと思う。小学生の頃、迷い込んでしまったもう一つの美奥「けものはら」
これはもう、恒川ワールドでしたね!不思議で、神秘的で、日本的で、懐かしい。霧が晴れたときに、自分の知らないもう一つの町に迷い込んでるんじゃないか、と想像してしまう。
「屋根猩猩」 幼い頃、「町を守る獅子舞になりたい」と言った美和に、「じゃあ、予約を入れといてあげるよ」と見知らぬ男の子は言った。おばあちゃんは「変なものと話すんじゃないよ」と言い、美和の手をぎゅっと握る。
美奥の尾根崎地区には屋根に守り神として猩猩をつける、屋根猩猩というものがある。そして一人の少年と出会う。
「くさのゆめがたり」 この話はとっても好き。「けものはら」にも繋がり、美奥の原点はここにあった。悲しい美奥の過去。
「天化の宿」 望月祐果は、くねくね曲がる線路を伝い森を進んでいく。そこで双子の少年と出会い「クトキ」の館へと入っていく。
「苦」がある人間だけ、その「クトキ」の館へ入ることが許されているのだろうか。
「朝の朧町」 長船さんが持っていた「クサナギ」は「くさのゆめがたり」と繋がってるよね。香奈枝は、過去から逃げて、そして長船さんに助けられた。不思議な町を長船さんと散歩する。
太鼓腹の男と双子の男の子、キーワードだよね。
でも、今回はちょっと全体像が分かりにくかった。
自分はこの本と相性が良かったです。
一編ごとに表紙を見てニヤっと笑っていました。
「くさのゆめがたり」美奥の始まりが興味深かったです。
そしてオロチバナが見てみたい!
気になります。
「美奥」ものの続編を期待したくなりました。
思いました。今度読んでみます♪
恒川さんらしい世界だったんですけど、今までのに比べると、すんなり入ってこなくて、あれ?って分からないことがあったんですよ〜。それが悔しいというかすっきりしなかったんですよね。
ななさんへ
人の繋がりとかが、私完璧に繋がらないと、モヤモヤ残ってしまってて、どうにもすっきりしないんですよね〜。
最後の章のあの女の人は、美奥で誰かと結婚したのかな、とかちょっとした疑問がいくつか・・・。
藍色さんへ
やはり「謎」のまま!?私、てっきり自分が理解できてないだけかと思ってましたよ。だから今回はすっきりしないな〜と。次は、長編を読みたいですね。
ともさんへ
恒川さんはいいですよね〜!!すっごい期待して読みました。個人的には今までの4作品の中では、私にはちょっと難しかったところもありましたが。
私時系列いまいち分かってないかも。(爆)
「美奥」の始まりのお話は好きでした。一番最後の章に出てくる女性は、誰かのお母さん?って思ってたんですけど、関係ないですね。誰がどう繋がってたのか、ちょ〜〜っと分かってないです。(苦笑)