2009年07月11日

左岸 江國香織著。

≪★★★☆≫
濃厚だった。かなりの時間毎日読んでいたのに、見直すと、まだ半分にもいってなかったり、江國風に言うなら、そんな自分に途方に暮れてしまった、って感じ?大長編だよね、これ。
兄をこよなく愛し、隣家に住む幼なじみの祖父江九と兄惣一郎の男同士の友情に嫉妬しながらも、祖父江九に生涯(だよね)愛し続けられる女茉莉。
心の中では存在するのに、すれ違いながら互いに別の方角を向いている。茉莉はさまざまな男性と恋をして、九も数奇な人生を歩んでいるらしい。
九については「右岸」で語られることとなるんだろうけど、50年に及ぶ茉莉の人生は、江國氏によって語られる。

辻氏と江國氏のコラボは「冷静と情熱のあいだ」を思い出すね。江國氏のファンだった私だけど、辻氏の小説の方が愛に包まれてた記憶があるんだけど・・・。小説はよかったけど映画は散々だった。

そして、今回。江國氏らしく、性に奔放である。しかも上品に。
茉莉の母も夫と娘を置いて出奔する。茉莉の父新は、生涯妻のことを想っていた。この物語の女性(茉莉、母喜代)は本当に身勝手だ。
夫と娘を置いて留学し、恋人を作り出奔する母。
17歳で駆け落ちし、戻ってきたときは別の男。その男を置き去りにして九と抱き合う。そして別の男、始と結婚。その後も友情の関係、また恋したり、結局母喜代とたいして変わんない気がする。

江國氏の女性って、上品に性に奔放で、現実的じゃない気もする。

しかし茉莉の50年。長い!濃厚!
祖父江九は、超能力とか訳分からなくてどうでもいいかなと一瞬思ったけど、九の視点でしか見えないこと、九を取り巻く出来事は、やはり辻氏の「右岸」を読むしかなく、やっぱり九の身に起こったこと気になる。
茉莉の娘さきと、九の息子であろうアミ。この二人も運命なんだろうか。
里中真智子の「あすなろ坂」を思い出した。

身勝手さゆえの一人で、正直茉莉は放っておこうって気になるけど、父新のことを思うと、きゅっと苦しくなる。生涯、彼は妻を待ち続けたんだよね。こういうとこ江國氏って冷たいよね〜。



posted by じゃじゃまま at 23:05| ☁| Comment(4) | TrackBack(3) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
連載に5年半かけられたので2段組565ページですよ。
濃厚でしたね〜。読むのにかなり時間がかかりました。
記事の「上品に性に奔放」にうなずいてしまいました。
小説ですから、そのへんはエレガンス?(笑)。

蛇足ですが
里中真智子→里中満智子です。
Posted by 藍色 at 2009年07月12日 03:35
50年ですもの、読み応えのある作品でしたね。
とても、共感できるような人生ではありますが、茉莉は、そのとき、そのときにおいて、一生懸命なのでしょうね。
Posted by 花 at 2009年07月12日 15:14
おはようございます。
>江國風に言うなら、そんな自分に途方に暮れてしまった
確かにそうですよね。
そしてこれを読むと、思考が茉莉風、江国風になりませんか。
「右岸」もぜひぜひ。
Posted by なな at 2009年07月13日 05:39
藍色さんへ
連載に5年半ですか!読む方も精神力使いますね。(苦笑)
おっと!里中満智子さん、ちゃんと漢字確認して直したつもりが、変換ミスしてしまいました。(^^ゞ

花さんへ
江國さんの書く女性って自由ですよね〜。
う〜ん、私には茉莉も喜代も同類ですね。自分の愛に生きる女ですよね〜。

ななさんへ
確かに、読んだ後ってその作家さんの書く登場人物っぽい思考になりますよね!
でも私には茉莉はちょっと・・・。(爆)
Posted by じゃじゃまま at 2009年07月18日 22:42
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