2009年09月26日

朝のこどもの玩具箱 あさのあつこ著。

≪★★☆≫
不思議だったり、切なくなったり、ほろりとしたりの短編集。

「謹賀新年」は、お父さんの再婚相手の麻衣子さんを、あたしのお母さんと思う人はほとんどいない。そんな若い麻衣子さんとあたしを遺して、お父さんが病気で亡くなってしまった。
ただそれだけのお話なんだけど、ほっこりしてくる。
お父さんが、どれだけ麻衣子さんを好きだったか。そして「あたし」と麻衣子さんの関係が良好であるか、それが分かるから。
しいていえば、麻衣子さんがどれだけお父さんを好きだったか、知りたかった。

「ぼくの神さま」 フユンの住む街で奇病で死者が出た。フユンの父も犠牲となった。次々に死者が出る、そしてみんな同じ工場で働く者たちだった。その工場でなにが行われているのか。新薬の人体実験なのか?
短い物語の中では、なにも解決も解明もしない。
フユンがこの先、どう立ち上がっていくのか、見届けることはない。

ただ、この物語の続きがあったらな〜と思う。

「がんじっこ」 村で一番の嫌われ者のおばあさん。頑固で強情で、という人をがんじっこと言うらしい。がんじっこのおばあさんの昔話は、胸にじんとしたものが来た。

「孫の恋愛」 息子の提案した「プロジェクト0」。人間社会に潜り込み、自分たちの居場所を守るための任務。ところが、孫が人間に恋をした。多分、そんな展開だろうな〜とは思っていたけど。

「しっぽ」 朝起きたらしっぽが生えていた。言いたいことが言えずにいた少年は、そのしっぽのおかげで強くなれた。でもその代償は・・・。
ふっと、道尾秀介氏の「悪意の顔」という短編を思い出した。あっちの方が恐かったけどね。

「この大樹の傍らで」 地球から遠く離れた星で暮らし始めた人間たち。ニレたちはロケットに乗って飛び立った。本物の森をその目で見るために。地球に戻るために。そして、地球は、地球自身の力で生き返っていた。「宇宙戦艦ヤマト」みたいで、もしも本当にそんな風になったら、嫌だな、と私は思う。
やっぱり地球に住み続けたいよ。


posted by じゃじゃまま at 22:36| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | あさのあつこ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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