2009年11月23日

ぬばたま あさのあつこ著。

≪★☆≫
すべてを失った男。幼き頃、母が去った山。その山に足を踏み入れた。
女たちが舞っていた。男は獣に変身していく。

成美は15歳まで住んでいた山間の小さな町に、晶君を置いてきてしまった。たった一人ぼっちで。待たせてしまった晶君に、成美は会いに行く。

恭平の幼なじみの輝樹が自殺をした。夏休みに入ったあの夏。恭平と卓也と輝樹は、釣りをしに行った帰り、少年らしい冒険心で、老人の蛆の湧いた死体を発見してしまった。そのときの黄色い蝶を見た、と言って輝也は死んでいった。

私には見える。死んでいることに気付いていない人たちが。
その人たちに山へ還りなさい、って言ってあげることが、私にできることだから。
山は、人の魂が還るところだから。

山に呼ばれた者たちの、悲しみと狂気の物語。
暗くて、切なくて、読んだ後、なんともいえない気持ちになった。



posted by じゃじゃまま at 22:08| ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | あさのあつこ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
山に呼ばれる、なんて科学的に考えたらあり得ないことを、すっと受け容れてしまう不穏さがありました。
後味が悪いけれど、通り過ぎることのできない物語でした。
Posted by ふらっと at 2009年11月24日 06:43
ふらっとさんへ
不穏でしたよね〜。でも私も学生時代に、山に行って「精霊」を感じたことあって、なんか分かるんですよね。およそ霊感には無縁な私だったのに。(怖!)
Posted by じゃじゃまま at 2009年11月28日 20:54
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