2009年11月28日

リリイの籠 豊島ミホ著。

≪★★★☆≫
女子高生や、その教師たちの、女の子らしい友情や駆け引き、嫉妬、でもどれも瑞々しくて、懐かしくて、なんだかキュンとくる7編の物語。
女の子の裏側も垣間見れる物語だけど、どの女の子も、可哀相だったり、切なかったり、でもどこか共感できて、好きだな〜と思った。

「銀杏泥棒は金色」 美術部の春は友だちとつるむよりも、自分の好きなことをしていたい女の子。
そんな春が、金色の光る同級生と出会った。恐らく春が初めて友だちになりたい!と思えた、加菜との物語。

「ポニーテール・ドリーム」 若干ダサめのえみ先生。バリバリ今風の教え子にちょっとからかわれ、苦手なタイプの生徒なのに、その生徒のおかげで救われる。失恋もしちゃったけど、前向きになれた。

「忘れないでね」 転校ばかりしていた美奈は、一人ぼっちにならないために、いつもクラスで一人ぼっちでいる子と友だちになっていた。どうせ私はまた転校するから、とそのお気楽さで。
置いていかれる気持ちなど考えず。ところが、父が永住を決めた場所で、美奈は友だち作りに失敗する。そして、今度は自分が置いて行かれる立場に・・・。
すごくドキンとしたお話だった。

「ながれるひめ」 姉の勤め先の、母校の女子校に教育実習に行くことになった藍。姉と藍はお互いを誤解していて、姉は妹であることを隠したがるし、藍も教師を軽く見ていた。そんな藍が、うまくいかない教育実習で姉の本音を知り、見直しちゃう物語。

「いちごとくま」 自分よりも下だと思っていた友達に彼氏が出来たら・・・自分よりも可愛い子には嫉妬し意地悪もしたりするけど、下に見る子には優位に立ってる余裕で、優しい振りをしたりする。
女の子の世界の本音がチラリ。

「やさしい人」 同窓会の幹事をやることになった。友だちになりかけて、結局そのままで、すっかり忘れていたクラスメートからの連絡。
木田さんは家庭の事情で卒業式にも出ていなかったんだけど、それすら気付かなかった。
ちょっと切ない。
あの時代って、ほんの少しのきっかけで友だちになれたり、なれなかったり。これもタイミングだよね。

「ゆうちゃんはレズ」 女子校で、後輩から告白された明子先輩。女子しかいない世界で、ほんのちょっと常識からずれちゃうことってあるんだろうな。でもあんまり興味の持てなかったお話でした。






posted by じゃじゃまま at 22:52| ☔| Comment(5) | TrackBack(1) | 豊島ミホ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
高校生の時から女は女なんですよね。
じゃじゃままさんのレビューを読んでいたら
物語の色んなシーンが頭の中を巡りました。
Posted by なな at 2009年11月29日 22:05
ななさんへ
女はどの世代でも変わらないけど、でもどうして高校時代ってあんなに群れることに必死だったのかな〜って思います。
どの話にも、あ、それ分かる、とかちょっと似てるって子がいて、女子の話ですよね。(笑)
Posted by じゃじゃまま at 2009年11月29日 22:50
地味な子にスポットを当てる著者を褒めていました。
しかし、残念ながら覚えていない。ぐすん。
長編のキラキッラは記憶あるのに、くすんだ短編は...。
個人の好みですかねぇ。
Posted by しんちゃん at 2009年11月29日 23:05
共学だったので想像も楽しめましたが、
当時のことをあれこれ思い出しました。
苦さもありましたが、
そうだったって思い出しました。
また書いてほしいですね。
Posted by 藍色 at 2009年11月30日 18:38
しんちゃんへ
その時はちゃんと感想あるのに、時間が経つと忘れちゃいますよね。
私も豊島さんわりと好きな作家さんってこと、最近思い出して、読み残し漁っていこうと思います。(笑)

藍色さんへ
女はいつの世代も女ですよね〜。苦いのに、でもどこか煌めいていて、懐かしく思いました。
Posted by じゃじゃまま at 2009年11月30日 21:36
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