2010年02月17日

いつか響く足音 柴田よしき著。

≪★★★☆≫
古い!とにかく古い、郊外の団地。
その団地に住む人々の、様々な人生模様の短編連作集。

「最後のブルガリ」 自分の人生をまあまあだと思ってきた絵理。母親が病死し、失意の父が自殺。そこからどんどん坂を転がり落ちていく。
借金まみれになった絵理が逃げ込んだ先は、高校時代の友人朱美の住む古い団地だった。

「黒猫と団子」 両親の離婚をきっかけに高校を中退した朱美。10年ぶりに偶然再会した父親に誘われるまま、古い団地に移り住んだ朱美。そのくせ父は再びいなくなった。父親らしいことなに一つしてない父のはずなのに、どこかで聞いた歌声は・・・。

「遠い遠い隣町」 夫に先立たれた里子は、ついつい寂しくて、頭では分かっていても息子夫婦の町へ足が向いてしまう。孫が生まれてからは、孫を守るために・・・。結果、息子夫婦は遠い遠い隣町に住む人となってしまった。
息子たちへ届けるはずの肉じゃがは、上の階にいつの間にか住んでいる若い女の子や、最近夜逃げしてきたっていうその友だちが喜んでくれる。

「いつか響く足音」 三度目の結婚で団地に越してきた静子。静子にはなにか不幸がつきまとう。最初の夫は酒乱、二度目の夫は病死。三度目の結婚生活も夫は事故死してしまう。
静子は怯える。いつか、夫の事故死について誰かが訪ねてくるのでは、と。その足音が響く日がいつか来る・・・。

「闇の集会」 克也はなにも願わない。子どもの頃、アパートの階段にいる猫が怖くて、猫なんかどこかへ行ってしまえばいい、と願ったあの日から、自分はなにも願ってはいけないと信じていた。

「戦いは始まる」 絵理、朱美、里子、静子、克也、仲島が、絵理を借金地獄から救い出す会のため集まる。
そして仲島の目的を、絵理は知る。静子は決して赦されたわけではないのだ。

「エピローグ」 父親が再びいなくなってしまった団地で暮らす朱美。
でも父はまた必ず戻ってくる。その日まで朱美は、ここで、ここの家族と共に待つ。

それぞれが個性あって、決して幸せとはいえないけど、そんな毎日の中でもそれなりに暮らしてる。どこか懐かしい響きがするのは、やはり団地のせいだろうか。
できれば続編で、いなくなった父が戻ってくる物語読んでみたい。




posted by じゃじゃまま at 22:58| 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | 柴田よしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ほんとうにぜひ読みたいです、続編。
帰ってきたお父さんが、何かを運んでくるはず!
と、勝手に期待しています。
Posted by ふらっと at 2010年02月21日 08:28
ふらっとさんへ
絶対運んできますよね!お父さん!!!!
どこに行ったんだか、なにしてるんだか、すごい気になります。柴田さんって次が作れるような余韻わざと残してるんでしょうかね?きっとご自分の書いた作品にとっても愛着があるんでしょうね。
Posted by じゃじゃまま at 2010年02月28日 23:02
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