2010年05月02日

ニサッタ、ニサッタ 乃南アサ著。

≪★★★≫
どん詰まりでやる気のない青年の、明日への一歩を踏み出すまでの成長物語。
就職した会社も上司が気に入らないと言って辞めたのが、そもそもの始まりだったのか。
北海道から上京し、大学卒業後就職しても続かない。やっと見つけた会社も夜逃げされ、途方に暮れながらも派遣社員になるが、なにかが違うといっては辞める。
派遣先の進学塾も、インフルエンザが原因でクビになり、パチンコで当てた金は出会った女に奪われる。
実家は頼れず、借金まみれになったところを、住み込みの新聞配達員として拾われる。

でもそこは、本当にもうどん底。

ロクな人間がいない中、耕平は一体自分の人生はどこで間違ったのかと考える。
どこまで遡っても後悔ばかりの人生で、生まれてこなければよかったのかと、そこまで思ってしまう。

そんな中、新聞販売店である事件が起こり、耕平は東京に見切りをつけ故郷に戻る決意をする。
どん底まで来たんだ、これからはどんなことでもする、頑張るんだ、と耕平は一歩を踏み出す。

ところが、そこでも耕平は同じことの繰り返し。頑張っていても、結局同じところで躓いてしまう。
それはいったい、なんなのか。

販売店で出会った一人ぼっちの少女杏菜、苦労し続けてきた耕平の祖母、父親に出奔された母親、どこで人生を間違えたのか、それでも明日への歩みを止めることはない女たち。

耕平も明日へ踏み出す、その日までの物語。

すごくすごく分かることばかり。
耕平が、人のせいにしたり、環境のせいにしてみたり、運のなさを嘆いて、どこからが間違ってのか、なんてウジウジするところも、イラッとくるんだけど、でも分かるな〜。

そうやって同じ過ちを繰り返しながら、なんでだろう、どうしてだろうって、ようやく骨身に染みる、そんなところがすごく分かる。

杏菜がもっと好みの子だったら肩入れできたんだろうけど、そこは残念。
同じ再生の物語としては「しゃぼん玉」の方が好きかな。



posted by じゃじゃまま at 21:56| 🌁| Comment(3) | TrackBack(1) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうなんですよね。
不甲斐なさすぎる耕平なんだけれど、一喝することができないのですよね。
そのどうしようもなさをわかってしまうから。

そして、じゃじゃままさんがおっしゃるとおり、男と女の心持ちの違いもよく現れていましたね。
Posted by ふらっと at 2010年05月03日 06:18
こんばんは。

>杏菜がもっと好みの子だったら肩入れできたんだろうけど

ああ。よーく判ります。
私も生理的に嫌な感じでした(苦笑)

★5つつけれなかった原因は、そこにあるのかもです(笑)
Posted by ゆう at 2010年05月04日 23:17
ふらっとさんへ
こういうことってありますよね〜。(ないかな)
私も若かりし頃やる気消失の時期があったので、分かってしまうんですよ〜。でも傍から見ると腹立ちますよね、なんでも人のせい、言い訳ばかりって。(苦笑)

ゆうさんへ
ね〜〜〜!そうですよね〜。(笑)
もちろん、杏菜がめちゃめちゃ可愛かったら、人生あそこまで孤独だったり、販売店でも苛められたりしなかったでしょうけど、でももう少し脚色して欲しかった。(爆)

北海道に来ちゃうところなんて、そういう図々しいの私嫌いなんですよね〜。
Posted by じゃじゃまま at 2010年05月07日 11:34
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