2010年05月07日

球体の蛇 道尾秀介著。

≪★★★≫
16年前の出来事を思い出しながら、葬儀のためにかつての町へ向かう。

母が家を出て、父とは親子の絆を感じないまま、隣家で下宿人になっている友彦。
白蟻駆除の会社をたった一人で経営している乙太郎小父の手伝いをしながら、二つ年下の幼なじみのナオと三人で暮らしている。
かつてこの家にはナオの姉サヨと、乙太郎の妻であり姉妹の母である逸子さんもいた。

16年前のある出会い、それは乙太郎一家の運命を変えた女性、友彦に罪を背負わせた智子との出会い。
乙太郎、友彦、智子の運命はすでに絡み合っていた。

嘘と誤解の連鎖で、よくもまあ、ここまで絡み合ったもんだ。

ラストでナオが友彦を救おうとしてついた嘘が分かった時、そこにいるはずのない女性がいた時、暗くて重い人生だらけだった物語にすっと救いの光が射した。

物語ではサヨは思い出のみだったけど、なんであんなに残酷な少女なんだろうね。もしもサヨがずっと生きていたら、さぞかし悲惨な話になってただろうね。

posted by じゃじゃまま at 10:52| ☀| Comment(5) | TrackBack(3) | 道尾秀介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ほんとうにいろんな嘘が出てきました。
まったくもって連鎖としか言いようがないですね。

じゃじゃままさんの最後の一行、怖いです。笑
Posted by ふらっと at 2010年05月07日 13:09
いろんな人たちの嘘や誤解が絡み合って、ここまで話がもつれているとは、驚きの展開でした。
ラストで差した救いの光、ずっとこのまま幸せでいられるように願わずに入られません。
Posted by 花 at 2010年05月07日 22:09
嘘の連続でしたね。
智彦はよくも素直に騙されたって感じです。
サヨ、怖ろしい女性でしたよね。
Posted by なな at 2010年05月07日 22:34
道尾らしくもあり、らしくもない作品でした。
面白く読めましたが、「作家の新境地」という帯を見ると、いつもドキっとします^^;
Posted by しんちゃん at 2010年05月08日 18:23
ふらっとさんへ
ドキっとしました。(笑)私なに書いたっけ?って。
サヨの残酷さの説明がないままだったので、本当、怖いですよね〜、もしもサヨの物語だったら。(爆)

花さんへ
道尾さんなのでこのままドヨ〜ンで終わってもおかしくないですよね。だからラストでの救い、すごく光ってます。

ななさんへ
いろんな嘘があって、なにが正しいのか分からなくなりましたね。誰かを救うためについた嘘が、その人を苦しめることになったり、って。

しんちゃんへ
ラストは道尾さんらしくなかったですね、救いの光。
でもそこが私にはとてもよかったです。
Posted by じゃじゃまま at 2010年05月16日 23:35
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