2010年05月19日

愛は苦手 山本幸久著。

≪★★★≫

愛に出会ったり、見つめ直す、アラフォー世代の女たちの生きる物語。
「カテイノキキ」 なんだか分からないセンスの服を着ている高校生の娘と、そんな娘に相手にされてない夫。昔使ってたミシンを偶然見つけ、忘れかけてた家族の絆を再確認した、ささやかな物語。

「買い替え妻」 前妻の持ち物をすべて新しいものに買い換えたい悦子。
それが無駄なことに気づき、仕切り直し再スタートする悦子と、女子高生の奇妙な友情もなかなかよかった。

「ズボンプレッサー」 別れた夫は、いつも女性関係が面倒になると元妻の元へ女たちを送り込んでくる。そんな厄介ごとを償いとして捉える恵利。自分だけはできちゃった婚をした娘夫婦の理解者でいよう。

「町子さんの庭」 中古で買った家には庭があった。手入れなんかしないから草ぼうぼう。いっそのことコンクリで埋めてしまおうか。
ところがそこは町で愛されていた町子さんが、丹精込めて作った庭だったのだ。

「たこ焼き、焼けた?」 昔お世話になった一旗さんから借りっ放しになっていたたこ焼き機を見つけた。
その一旗さんが亡くなった。すごくすごくお世話になって、いい人だったのに、葬儀に行かない選択をした静子が、私には理解できない。

「象を数える」 四十過ぎてできちゃった結婚をする真紀。仕事にかこつけてなにもしない夫だけど、亡き義母との約束や平和を大事にしている義父がいる限り、真紀はあんな男でも結婚するだろう。

「まぼろし」 二十年ずっと政治家の愛人を続け、贅沢三昧の生活をしていた美鈴。落選と同時にすべての生活のすべを失った美鈴が、その現実を受け入れ、一歩を踏み出そうとする。
できれば踏み出した後まで見たかった気もする。

「愛は苦手」 駅ビルの中に店舗を持つ洋服直しの店「針糸本舗」。そこで働く茂絵は、子どもの幼稚園グッズを他人任せにする無責任な母親やゲイの遙の恋人に刺されたりと、散々な目に遭いながらも、これからも変わらず共に独身の琴音と愚痴りながらも仕事していくんだろう、遙の帰りを待ちながら。

それぞれ読みやすい短編なんだけど、これといったものもなかったかな。
「たこ焼き、焼けた?」の一旗さんだけが、ちょっと切なかった。
頑張ってきたのに時代の流れに置いていかれ、最期もやり切れないし。だからこそ、静子には、残された奥さんに声を掛けて欲しかったし、葬儀には行って欲しかったな。




posted by じゃじゃまま at 11:18| ☁| Comment(3) | TrackBack(4) | 山本幸久 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんとなく少しずつ周りと自分の距離感がしっくりこないような、自分の中でも身の置き所に迷いがあるような、微妙な感覚が上手く現れていると思いました。
とは言え、ひとつひとつのインパクトはさほど強くはありませんね。
Posted by ふらっと at 2010年05月19日 13:28
「象を数える」あの夫!!!義父がいなかったら、即離婚ですよ。許せない。
Posted by なな at 2010年05月20日 08:32
ふらっとさんへ
どれも小さく共感はできるんですけど、でも薄味でした。インパクトないことが、余計記憶に残ったりして。(苦笑)

ななさんへ
「象〜」の主人公も言ってましたよね、妊娠してなければ別れてたって。本当にその程度の奴でしたね。(爆)
Posted by じゃじゃまま at 2010年05月24日 22:13
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