2010年07月02日

竜の涙−ばんざい屋の夜 柴田よしき著。

≪★★★≫

「ふたたびの虹」の続編。
東京・丸の内、会社帰りのサラリーマンやOLたちが行きかう街に、そこにひっそりと「ばんざい屋」はある。
旬の食材を、その味を生かし、旬の食べ方をさせてくれる。
たった一人で、小さなお店だけど、料理を愛し、足を運んでくれる客を、もてなしながら、それぞれが抱えてる人生の岐路や悩みに、そっと耳を傾ける、そんな女将。

ばんざい屋には、そんなお客たちが、毎日やって来る。

「竜の涙」 疲れきった表情の女性。女将は、自分に似ている、と思う。
いつもおいしい物を食べ歩いていた学生時代の男友達が、海外へ行ってしまう。自分の感情に気づく女性。

「霧のおりていくところ」 会社で男に負けまいと、そして自分にも負けまいと闘うOL。会社には、男、組織、自身に、負けまいとしている女たちがたくさんいる。

「気の弱い脅迫者」 常連に連れられてやって来た人のいい男性。彼の周りでは不思議なことが起こっているという。無言電話、移動した上着、郵便受けにいた謎の女性。その真相とは。

「届かなかったもの」 海外へ行った男友達が久しぶりに帰国した。もうすぐ結婚する男友達のために「ばんざい屋」に呼び出す有美。
失恋酒を相手の男と飲む有美が、格好よく見えた。

「氷雨と大根」 食文化の違う人間とどう理解し合えばいいか悩んでいた常連客。その常連客が事件に巻き込まれた。駆けつけた娘と同行していた彼氏を見て、常連客の悩みを理解する。

「お願いクッキー」 人生の岐路に立たされた女性たちが結論を出す。乳癌になった有美。不倫もすべて精算して一からやり直す麻由。
そして、丸の内を立ち退き、新たな場所で「ばんざい屋」を開くことを決意した女将。

とにかく、どれもこれも美味しそう。こんなお店に行ってみたかった。溜まっているいろんなものを黙って聞いてくれる女将がいて、すごく美味しいものを食べられて・・・「ばんざい屋」で呑んでる自分を想像してしまった。

posted by じゃじゃまま at 10:57| 神奈川 ☁| Comment(4) | TrackBack(1) | 柴田よしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
女将自身も抱えているものがありそうなのに、常連客を和ませてくれるんですよね。
こんな店の常連客になれたら・・・、と想像するとしあわせになります。
次は、女将自身が心から和んでほしいものです。
Posted by ふらっと at 2010年07月02日 16:44
ふらっとさんへ
お腹空いちゃいますよね。ほっくりと和食、食べたくなりました。
そうそう、女将には幸せになって欲しいですよね。
Posted by じゃじゃまま at 2010年07月08日 11:18
いいですよねぇ、このお店。

読みながら、カウンターに座っている自分を想像しちゃいます。
もちろん、定位置で飲んでいる姿を(笑
Posted by じゅずじ at 2010年07月09日 10:25
じゅずじさんへ
歳のせいか(笑)賑やかでうるさい居酒屋よりも、おいしくて居心地のいいお店に好感を持ちます。
しかもすごくおいしそうで、仕事の後に行ける人いいな〜って思っちゃいます。(爆)
Posted by じゃじゃまま at 2010年07月12日 12:04
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