2010年07月24日

南の子供が夜いくところ 恒川光太郎著。

≪★★≫

南の島、トロンバス島。
そこは伝説の島。
タカシは、両親と共に一家心中しそうな夜、ワーゲンバスのお店にいた120歳という不思議な女性ユナ女性に導かれ、ある島へやって来る。そして、両親と別れそこで暮らすようになる。
「南の子供が夜いくところ」

「紫焔樹の島」 ユナが伝説の島に生まれ、選ばれし者であった物語。

「十字路のピンクの廟」 ロブは7年に一度の墓参りのため親戚の集まりに参加していた。そこで真っ白い四角い顔をした、人間だかなんだか分からない生き物に呪いをかけられたロブ。

「雲の眠る海」 タカシは、ペライアという島から来た男シシマデウという男に会う。彼の島は他の島やスペイン人の襲来を受け、命からがら逃げ出したシシマデウは、力を借りるために伝説の島へ向かったというのだ。
タカシは思う。ここから二千キロ離れたところにペライアという島はあったけど、今では遺跡の島になっていることを。

時空を越えたシシマデウさんの旅の話。

「蛸漁師」 息子を事故で亡くした父親。息子の死の真相を知るために出向いた事故現場で、ある老人から仕事と住む所を引継いだが、そこで知った真相と手に入れたものは・・・。

「まどろみのティユルさん」 石像のティユル。そこで動けぬまま、自分が遠い過去、海賊であったこと、そこで知り合ったティユルの人生を変えたソノバとの出会い、その友人であるユナのことを回想する。

「夜の果樹園」 一度は家族と共に死のうとした男。息子は不思議な女性と共にある島へ渡り、自分と妻は借金を返すために離れて働いていた。息子に会うためにバスに乗ったが、自分の姿は変わり果てていた。

戸惑うことも多かった物語だった。
「雲の眠る海」が一番好き。なんともいえない、胸の奥がシーンと痛くなった。ずっとずっと永遠に伝説の島を目指しているシシデマウさん。
時を越えて、ひたすらに目指している彼を思うと、シンと切なくなる。
「まどろみのティユルさん」も結構好き。

だけど、恒川氏らしい和風テイストではなく、私は、あの不思議で懐かしい物語が恋しい。




posted by じゃじゃまま at 21:54| 神奈川 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 恒川光太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
期待してるのと違いすぎましたね。
著者からすれば「してやったり」でしょうか。
でも、やっぱ違う。読みたいのはこれじゃない~~;
Posted by しんちゃん at 2010年07月26日 17:33
しんちゃんへ
なんか違いますよね。(^^ゞ
もしかして違う世界があるかも、なんて自分が幼い頃想像してた、そんな頃を思い出させる作品で、その懐かしさがよかったんですけどね。
でも恒川さんだからこそ、また書いてくれますよね。
Posted by じゃじゃまま at 2010年07月30日 11:54
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