2010年10月25日

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹著。

≪★★≫

引きこもりの兄を抱え、女手一つで育ててくれる母。こんな生活をどうにかしたくて、13歳のなぎさは、生きるための実弾を欲している。
そんななぎさのクラスに、言動は意味不明で、全身に痣があって、足を引きずって歩く美少女転校生がやって来た。
彼女の名前は、海野藻屑。関わりたくないと思っているのに、藻屑はなぎさに近づいてくる。

藻屑は、自分を人魚だといい、この町には10年に一度、天気予報にはない大嵐がやって来て、それは人魚の繁殖期だと言う。
10年前の嵐の夜、なぎさの父は遭難したのだ。

不思議な転校生、藻屑。藻屑は突然やって来て、突然消えて行った。
気持ちを掻き乱されながらも、なぎさは藻屑によって、生きるための実弾を欲しがってばかりいた少女から、普通の少女に戻っていく。それは悲しい現実を乗り越えて。
そして、藻屑は、いったいなんのために生まれてきたんだろう?
なぎさに救いを求めていたんじゃないか。心の拠り所としてなぎさを選び、あれが藻屑なりの精一杯の友情の表現だったんじゃないか。

夢のように消えていった藻屑との日々。
すごく不思議な余韻を残した物語だった。
桜庭氏、初読みです。






posted by じゃじゃまま at 22:53| 神奈川 ☁| Comment(3) | TrackBack(3) | その他 さ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
桜庭本デビューですね。
これはほんとうに、タイトルからはとても想像がつかない物語でした。

独特の雰囲気を漂わせる作品が多いので、読むたびにどこかへ連れ去られる感覚になります。
Posted by ふらっと at 2010年10月26日 06:20
桜庭さんの本は毎回ほんとうに不思議な余韻を残して
タイトルを見るたびにその気持ちを思い出してしまいます。
Posted by なな at 2010年10月26日 08:42
ふらっとさんへ
不思議な読後感でしたよね。
悲劇なのに、なんでだろう?どこか救いを感じてしまって。
まだまだ桜庭さんを知らない私です。

ななさんへ
毎回なんですね。この不思議感は。
いつもこんなに悲劇なのかしら。ちょっと怖い気もします。
Posted by じゃじゃまま at 2010年10月31日 18:44
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない*桜庭一樹
Excerpt: 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet(2007/03)桜庭 一樹商品詳細を見る 桜庭一樹の原点、青春暗黒ミステリーが単行本化! どこにも
Weblog: +++ こんな一冊 +++
Tracked: 2010-10-26 06:25

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」桜庭一樹
Excerpt: 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet 桜庭 一樹 JUGEMテーマ:読書 海辺の町に生きる、どこにでもいるけど少し不幸な女子中学生・山田なぎさは、自..
Weblog: ナナメモ
Tracked: 2010-10-26 08:37

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」桜庭一樹
Excerpt: 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet(2007/03)桜庭 一樹商品詳細を見る 山田なぎさは中学生。父を亡くし、母のパートの収入と生活保
Weblog: しんちゃんの買い物帳
Tracked: 2010-10-27 11:30
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。