2010年11月04日

スパイク 松尾由美著。

≪★★★≫

途中までは★四つでもいいか〜、だったんだけど。
友人のおばあちゃんの遺言で、犬を譲り受けた江添緑。スパイクと名付けたその犬と散歩中、下北沢の街角で青年とぶつかりそうになった緑。
偶然にも同じ犬を連れていて、偶然にも同じスパイクという名前だった。
そして、どこか懐かしさの漂う青年、林幹夫に好感を持ち、また来週会う約束をして別れた。

互いに、好感を持っていることは伝わってきたものの、約束の日まで緊張しながら待つこととなる。
ところが、約束の日、幹夫は来ない。
お茶をしたほんの短い間だけど、幹夫の人柄を信じる緑は、なぜ来ないのか信じられない気持ちで家路に着くと、なんとスパイクが喋り始めた!しかもこのスパイクは緑のスパイクではなく幹夫のスパイクだったのだ!

二人の住む世界、一緒には過ごせない悲しい事実、やっぱりSFだったのか!

なんていうか「時をかける少女」と北村薫氏の「ターン」をなぜか思い出してしまって、時空を超えた出会い、切ない恋、などなど、途中までは断然応援してたんだよね。

幹夫が巻き込まれたトラブル、あっちの世界とこっちの世界。

だけど、だんだん悲恋の色合いが濃くなってきて、真実を知りたいけど、知るのが怖い、まるで緑のように。
まあ、これから緑は浦賀さんや、手の早そうな作家さんとか、どうにかなるかもしれない、でもならないかもしれないっていう大人の空白の余地を残した終わり方は、ハッピーエンドの終わり方を好む少女向けっぽくなくて、大人のSFでよいかもね。

ちょっと首をかしげてしまったのは、二人の分岐点がお母さんの離婚っていうところ。
それならばなぜ性別が違うのか。
生まれたところから分岐点ではないと同一人物ということにはならないんじゃないかな。

だから私は、お父さんがお母さんとの結婚を続行した人生が緑。お母さんではなく浮気相手を選んだ人生が幹夫かと思ったんだけど。

かなり以前にどなたかがお薦めしていた「スパイク」。私のメモに載っていたので。
納得のいかないところもあるけど、だいたいにおいては満足の作品でした。





posted by じゃじゃまま at 16:19| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 松尾由美 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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