2011年02月02日

ラプソディ・イン・ラブ 小路幸也著。

≪★★★★≫

日本を代表する名俳優、笠松市朗の最期の映画を撮るために、バラバラになっていた家族が集まった。それは家族でもあり、俳優、女優でもある彼らが、夫、父、義父と共に作る最期の「家族」の映画。
引退してしまった伝説の女優四ノ宮睦子、再婚後は園田睦子。父を憎みながら育った名脇役、園田準一。
腹違いの弟で人気役者の岡本裕。その婚約者で、才能ある女優、二品真里。

彼らが過ごす、笠松市朗との日々。
ドキュメンタリーでありながら、レンズを通してフィルムに収まった瞬間からフィクションにもなる。
愛し合いながらも家族という形に納まりきれずに別れた元夫、笠松市朗を、やはり心のどこかで愛している睦子と、その母に連れられ家を出て、父を憎みながらも、やはり息子であると認めている準一。
シーンはそれぞれの役者の視点でいくつにも分かれ、その時、なにを考え、なにを思っているのか、この「家族」の過去が浮かび上がり、どんな爆弾を抱えているのかが分かる。

裕は、腹違いの弟で、準一とは反対に、笠松市朗という役者を尊敬して目標としてやってきた。
真里は、自分の親を卑しい人、といい、真里の抱えた爆弾は、裕と共に解決していくのだろう。

読みながら、どこかふっと優しい気持ちになって、頭の中でシーンは上映されている感覚。

ドキュメンタリーって、不思議なもので、見始めるとずっと見ちゃうんだよね。
そんなつもりなかったのに、ん?って見入っちゃう。
レンズを通った瞬間に作られてしまうんだけど、でもそこから滲み出る真実や撮っている人たちの情熱が伝わってくるからなんだね。

きっと懐かしくて優しい映画に仕上がったんだろうな。



posted by じゃじゃまま at 13:23| 神奈川 ☀| Comment(2) | TrackBack(2) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
読書なのに一観客となって見てました。

常に「こうしたらよく見える」「こう言ったら衝撃的」と演技をしながら生活しているのが、俳優さんだなぁって感心しました。
Posted by なな at 2011年02月03日 15:12
ななさんへ
演技しながら、生活しながら、両方をこなしながら家族をしている人たち、役者ですよね〜。

私なんて、すぐに我を忘れてあたふたしてるので絶対に役者にはなれないですね。(爆)
Posted by じゃじゃまま at 2011年02月08日 12:42
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

「ラプソディ・イン・ラブ」小路幸也
Excerpt: JUGEMテーマ:読書 ろくでなしでも、世間は名優と呼んでくれる。役者とはそういう職業だ。山と海に囲まれた、とある町の古い日本家屋。かつてそこは、日本の映画界を支えてきた笠松市朗が、愛する家族と..
Weblog: ナナメモ
Tracked: 2011-02-03 15:13

「ラプソディ・イン・ラブ」小路幸也
Excerpt: ラプソディ・イン・ラブ(2010/10/21)小路 幸也商品詳細を見る それは久しぶりに家族全員が集まった際の、ごく普通の家族の過ごし方と変わらないものだった。日本の映画界を支えてきた名優笠松市朗と..
Weblog: しんちゃんの買い物帳
Tracked: 2011-02-03 22:44
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。