何度も読んだ。何度も泣いた。
初めて重松作品を読んだけど、大好きになりそう。
私の好みとして、女性作家には辛辣さを、男性作家には温かさを求めるらしい。山本幸久氏の「幸福ロケット」と同位置で、本棚に並べたい作品。
たくさんの「きみ」が出てくる。
「あいあい傘」では、交通事故で松葉杖が必要になった、ひねくれものの「きみ」。交通事故に遭うまではクラスの人気者だったと思っていた「きみ」が、理不尽な出来事に八つ当たりしているうちにクラスからはじかれ、でも生涯の友由香ちゃんに出会うお話。私は、このお話で、最初は誰かの控え目な悪口が、誰か一人の賛同者を得ることによってクラスの嫌われ者になっていく様を、激しい共感のもとに読んでいた。
「ねじれの位置」では、恵美ちゃんの弟ぶんちゃんが「きみ」。クラスのヒーローだった「きみ」が、転校生によってヒーローの座を奪われそうになるお話。でも恵美ちゃんの「二人でコンビ組んじゃえばいいのに」でなんか救われたかもね。二人はその後相棒になり、親友になる。
「ふらふら」では、小学生時代、恵美ちゃんと由香ちゃんをはじく原因を作ったことをずっと気に病んでいる、お調子者の「きみ」。
これはグッとくる女子多いんじゃないかな。嫌われたくなくて、みんなにいい顔して、でも実はそんな計算高いところが同性にはすぐにばれて、実は嫌われちゃう。ううん、このお話の怖いところは堀田ちゃんのそんなところじゃなくて、女子の「戦争」かも。すぐに連合軍を作ったり、必ず敵味方をはっきりさせたがったり。私は堀田ちゃんの嫌なところも弱いところもすごい分かったよ。
「ぐりこ」では、自分には眩しすぎる幼なじみを持ってしまった「きみ」。
ぶんちゃんは「きみ」にとって幼なじみで親友だったはずなのに、転校生のモト君とぶんちゃんがコンビを組んだことによって置いてけぼりになってしまった三好君。なんかその寂しさ、分かるよ。
「にゃんこの目」では、親友が彼氏とばかり遊んでいて、いつもドタキャンされて、それでもその親友に振り回されてる「きみ」のお話。
親友に、友だち思いと思われたくて、本当は不満いっぱいなのに我慢しているハナちゃん。恵美ちゃんのいう友だちって一番理想なのかもしれないけど、ハナちゃんのように友だちという呪い(笑)にかけられて我慢したり、いい顔してる女の子多いと思うよ。
「別れの曲」では、ぶんちゃんを生意気だといってシメた先輩「きみ」のお話。
確かに下手くそな部員にとって、後輩のスーパーアイドルは目障りだよね。そういう「きみ」はうまい引き際を演じられないんだよね。恵美ちゃんに「きみ、性格悪そうだもんね」なんて言われちゃうところがなんとなく好き。このひがみ根性、自分にもあるだけに、余計佐藤君好きになれないよ。
「千羽鶴」では、恵美ちゃんと由香ちゃんのクラスに転校してきた「きみ」。
前の学校で、ひどいいじめに遭っていて、今は目立たないよう、周囲を怒らせないよう気を使っている「きみ」が可哀相だったよ。でも女子って本当に残酷。そういう人の弱さを嗅ぎつけたり、指摘するのが得意なんだよね。
今の子たちって、そういう「戦争」が当たり前で、してはいけない、言ってはいけない、って分からないのかな?親もその世代なのかな。
「かげふみ」では、小学校時代それまでお山の大将だったぶんちゃんを初めてびびらせた「きみ」。二人でコンビを組んで以来常にワンツーを分け合っていた君たちが中学生になって、好きな女の子、サッカー遠征の代表選手の座をめぐって、初めて勝者と敗者に分かれた。モト君、辛かっただろうな。ちょっとぶんちゃんできすぎのような気もするけど。
「花いちもんめ」は、恵美ちゃんと由香ちゃんの別れのお話。二人が友だちになったきっかけは、クラスからはじかれた者同士って言うのは簡単。出会いは最悪だしね。恵美ちゃんって交通事故に遭って以来負の視線で周囲を見ているけど、でもそれはそうせざるを得ない事情だったんだと思う。
でも本当は真っ直ぐで、だからあんなに由香ちゃんのことを大事に思えたんだと。
「きみの友だち」では、「きみ」恵美ちゃんの友だちとの再会。ぶんも、モト君も、堀田ちゃんも三好君もハナちゃんも佐藤先輩も、西村さんも。由香ちゃんのご両親とも。私はこの最終章が一番好き。それまでの「きみ」のお話をしてくれていた語り手が、まさかこの人だとは!!
感動の最終章で、こんなに何度も読んで、何度も泣いたのは、本当に久しぶり。
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重松モノは初めてですか。自分は泣きたい時は重松モノに決めています。涙の色は様々ですが・・・。
この本には「みんな」という言葉を意識させられました。普段何も考えないで使っている「みんなの意見」等、みんなって全員じゃないんですよね。
中々、考えさせられました。
泣きたい時には重松モノなんですね!好きな作家リストに加えたし、なんだか今まで通り過ぎてたジャンルだったので、嬉しい発見でした。
>ゆうきさん
ゆうきさんと好きな作家?読んでいる作家さん、かなりリンクしてるので嬉しいです。ブログ始める前に読んでしまった本書いてなくて残念ですが、柴田よしき、真保裕一、宮部みゆき、江國香織等々大好きで、こちらからもまたお邪魔させてくださいね。
この本への愛が感じられます。
なんだかもう一度本の中に入り込んでいってしまいそう。
ゆうきが二人になってしまってすみません。(笑)
すごーくたくさんの本について書かれているようなので、じっくり見せていただきますね!
まさかこんな風に自分の気持ちになぞった作品に出会えると思ってなかったので、今思い出してもツン!と来ます。
ラストの「きみ」の正体が分かるところ、本当に感動しました。
>ゆうきさんへ
これからもよろしくお願いします。
じっくりゆっくり来てください。
初めまして。m(__)m
せっかくコメント頂いたのに、ドライアイが悪化し、PCの前になかなか座れなくて・・・お邪魔するのが遅れました。すみません。
重松さんの描く感動は、温かで本当に気持ちがいいですね。
どの「きみ」も印象に残りました。
あんなに感動した「きみの友だち」なのに、日々雑事に追われ、日々新たな本の感想に、「きみの友だち」が片隅に追いやられてました。
こうやって思い出させてもらえて、よかったです。
これは私の本棚に置いておきたい本だったんだ!と思い出したので、買いに走らなくちゃ!
友だちっていうものに対してほんと正面から向いていて、考えていることにぴったりでした。ブンとモトの関係が取っても好きだったのと同じくらい恵美の考え方や態度が好きでした。
重松さんはじめてだったのですが、文体でもなく構成でもないんだけどどこか合わない部分があってそこのところだけちょっと違和感感じたんですよ。うまく説明できませんが。
ともあれクライマックスはグッと上がってくるものがあったし、いい本を勧めてくださってありがとうございました!!
でも「きみの友だち」は今年度ナンバー1なので、小学生時代、目立たないのに、よくいじめられていた私には懐かしいような苦しいような本でした。
じゃじゃままさんの記事を読んで、私はすごくほっとしました。
ここで描かれている人たちって他人と思えない。自分だったり、自分の身近にいる人だったり。
わかるよ、とか登場人物を温かい目で見られていて、癒されました。
私も泣いてしまいました。
ベスト1かもしれません。小学生とか中学生の頃、こういう作品に出会っていたら、勇気をもらえたかも、と思うんです。
でもまだ子どもで理解できなかったでしょうか。
あの頃、すべてだと思っていたことも過ぎてしまえば小さなことだったんだな、なのにこの世の終わりみたいに思ったり・・・。
本当に泣いた作品でした。
重松さんは、ルポなどの活動も忘れないようにとことで幅広い活動されているようです。
(アサヒ・コム・book)
この本は、良かったです。
今回、泣かないぞーという感じで読み始めるのですが、ラストでは留め止めなく涙でした。
あの頃、あの時の思いが込み上げてきました。
私もラスト、いっぱいいっぱい泣きました。子どもみたいに泣きました。
あの頃の、あの思いを、こうやって大人になってから思い起こせて、しかもこんないい作品、本が好きでよかったなって思える瞬間ですね。
過去記事ですけど、とっても感動したので。
ひとつひとつのエピソードが克明に積み重ねられていましたね。
友だちという微妙な関係の難しさ、悩みまでが描かれていて、つらかった子供の頃のことを思い出しました。
最後に、語り手の正体が明かされるだけでなく、サプライズもあって感動しましたよね。
トラバさせていただきました。
これは本当に感動作品ですよね!ドラマ化や映画化では絶対に描ききれない小説ならではのよさです。
私も女の子同士の世界の残酷さを思い出して、キュンとなりました。
私は最終章、何度も何度も泣きました。恵美ちゃんの歩んできた小学校、中学校時代を知ってるだけに、大人になった恵美ちゃん、幸せになる姿に辛かった過去を思い出しちゃって、何度も何度も号泣。
いや〜、やっぱりナンバー1ですね。
映画化されたようですが、原作のこのよさをそのまま表現できるのか心配です。
辛かったり悔しかったり、そんなことも月日と共に思い出に変わっていく・・・ラストに今まで堪えてたものがどど〜〜っときました。
映画、どうでしょうね。原作を越える映像化って滅多にないんですよね。