2011年08月10日

マリアビートル 伊坂幸太郎著。

≪★★★☆≫

東京駅から盛岡まで行く新幹線<はやて>。それぞれが様々な事情を抱え<はやて>に乗り込む。そこで巻き起こる数々の事件。
ごちゃごちゃに絡まってるように見えた糸が、端と端を引っ張ってみたら、するすると一本の糸になるように、次から次へと事件が巻き起こるわりに、終盤に向けてどんどん整理されて、ラストが気になって仕方なかった。

息子を中学生に屋上から突き落とされ、復讐するために<はやて>に乗り込む木村。
誘拐された峰岸の息子を助け、身代金のトランクを運ぶよう命令された業者、蜜柑と檸檬。
トランクを奪い上野駅で降りるはずだった業者、七尾。
そんな彼らが、思わぬトラブルに見舞われ、盛岡まで行く羽目になる。

なんといっても木村の子供を屋上から突き落とした王子。
中学生という子供の仮面をつけ、<はやて>で起きているなにか異常な出来事を敏感に察知し、面白半分に自在に操ろうとする、この中学生、王子には、冒頭からイライラさせられっぱなし。
なぜ木村の息子が選ばれたのか、木村は何度も王子と出会っていた。よもやそれがこんな結果になるとは思わずに・・・。
伊坂氏の小説には、結構そういう不運な出会いがあるから、切ないんだよね。

この物語には数々の業者が現れる。
天道虫の七尾。頭は悪いけどトーマス好きの檸檬に慎重な蜜柑。ホラ吹きの狼に、なんでも「悪い話といい話」って切り出す仲介屋。起されると機嫌の悪い寝起きの悪い業者。毒針で一刺しのスズメバチ。
さりげない会話の中の伏線。

<はやて>に集う殺し屋たち。

木村親子がよかった。ああ、この人だったのか!って。歳は取っても嗅覚は衰えない木村父が格好いいね。
そうだよ、王子は許しちゃいかん!



posted by じゃじゃまま at 11:07| 神奈川 ☀| Comment(3) | TrackBack(1) | 伊坂幸太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
王子にはまったく終始イライラさせられました。
これ、実際の中学生が読んだらどんな印象を持つのでしょうね。

これだけたくさんの人が死んでいるにもかかわらず、キャラクター(王子以外)には魅力を感じるし、業者同士の駆け引きにも魅了されてしまうのは、伊坂さんの腕でしょうか。
Posted by ふらっと at 2011年08月10日 12:50
ふらっとさんへ
まったくですよね!王子の人を舐めきった態度を見るたびに、どんなラストになるのかと暗澹とした気持ちになりました。

だから、まさかあんな救世主が現れるとは・・・!!
Posted by じゃじゃまま at 2011年08月10日 15:11
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Posted by mxi at 2011年10月28日 17:21
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マリアビートル*伊坂幸太郎
Excerpt: マリアビートル(2010/09/23)伊坂 幸太郎商品詳細を見る 元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。狡猾な中学生「王子..
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Tracked: 2011-08-10 12:55
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