2011年09月27日

砂の王国 荻原浩著。

≪★★★☆≫

ホームレスに転落した山崎は、いかさま辻占い龍斎とカリスマ的な容姿を持つホームレス仲間ナカムラを巻き込み、宗教というビジネスで起死回生をはかる。
人生を取り戻すため、名前も変え、計画はうまく行くように見えたが・・・。

山崎の作った王国は、砂で作ったように脆くも崩れ去るのか。

第一章は、山崎がホームレスまで行き着き、あがいてる様子。イカサマだけど巧みな話術の龍斎、不思議な男ナカムラと出会うまで。
第二章は、ナカムラを利用し、龍斎を巻き込んで起死回生をはかる宗教を立ち上げる。

結構分厚い上下巻で正直、第一章、第二章まで山崎の人生物語か?ってたいした盛り上がりがなく、まったりしてしまった。
ところが、第三章で動いた。

山崎改め、木島の作った「大地の会」は順調に会員数を伸ばし、うまくいくように見えた。
それが偽物だと分かっているのに、なぜか木島を応援したくなってしまう。
木島の駒のはずだった龍斎やナカムラ、特に謎だらけだったナカムラが自分の意思で動き始めたところは、なんだかぞ〜っとした。
山崎が、邪魔なのは自分だ、と気付いた瞬間、その絶望感が怖かった。

なにかを信じたいって思う人間の心の隙間に入るビジネス宗教。それが軌道に乗っていく様を見て、こうやって出来上がるんだな〜と妙に感心してしまった。

乗っ取られた「大地の会」。
木島もとい、山崎の報復物語を読みたい。「大地の会」奪還物語、もしくはどうせ偽宗教なんだから、「大地の会」崩壊物語。
もしかしてあるかな、続編。このまま終わって欲しくないね、山崎には。


posted by じゃじゃまま at 22:45| 神奈川 ☀| Comment(3) | TrackBack(2) | 荻原浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ガラッと展開が変わったときは、ほんとうにぞっとしました。
一体どこへ向かっていくんだ…?と。
報復物語、あるとしたら泥沼ですね。
インチキ宗教、怖いです。
Posted by ふらっと at 2011年09月28日 06:28
昨日、隣町で宗教がらみの傷害致死事件が発覚し、そのこともあって、とても考え深いです。

宗教って、真実とウソとの狭間にありますよね・・

この作品は、それをうまくあらわしていました。
Posted by ゆう at 2011年09月29日 13:47
ふらっとさんへ
大変遅くなりました!
なんだか最近パソコンをする時間すらなくて、本も溜まってます。

インチキ宗教ってこうやって出来上がるんだな〜ってところを最初から最後まで見てしまった感じでしたね。

ゆうさんへ
本当に遅くなってすみません!
やばいくらいに本も溜まってしまって。
あの事件ですね!!!!

ニュースだけを見ると、変な宗教にハマった親のせいで、って色眼鏡で見ちゃいますけど、本当に困っている人、悩んでいる人にとってはそれが唯一の救いで、正しいことだったかも・・・と。

ナカムラみたいに、だんだん本気で自分は神?だと思っちゃう変化が怖かったですね。


Posted by じゃじゃまま at 2011年10月14日 22:11
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