一体誰が?
病気は、診察などしなくても見ただけで兆候が出ているらしい。
診ようする意思さえあれば、体を観察するだけで分かってしまう、その予後までも。
この話の中では、為頼の説にみんな首をかしげるけど、私は信じる。確かに診るつもりさえあれば、病気は体にシグナルを出している。
ある日、為頼が町ですれ違った男。眉間にうねるように盛り上がった皺。
一目でこれからこの男が殺戮を行うであろうと判断した為頼は、さきほど別れたばかりの女性とその子どもを救う。
為頼になにか特別な力があると感じた菜見子は、救いを求める。
教師一家惨殺事件に関わっていると、ある少女が告白している。それが本当なのか確かめて欲しい。
心に深い闇を背負った少女、為頼と同じ能力を持ちながら対極の場所にいる医師白神、彼の元で働く、痛みを感じない男イバラ、刑法三十九条と激しく葛藤している刑事早瀬、菜見子を逆恨みする前夫が、教師一家惨殺事件の犯人の追跡の周囲には常に彼らがいる。
途中、タイトルの「無痛」とイバラ、タイトルになるぐらいだから無関係であるはずがない、と分かっちゃう部分もあるけれど、医師だからといってここまでの惨劇シーンが書けて当たり前でもないし、これはもう久坂部氏の文才なんだろうなと、素直に賞賛してしまう。
厚みのあるあの一冊を、最後まで飽きさせることなく書ききった久坂部氏の「無痛」はなかなかのもんだと思う。
そして読み終わった後、刑法三十九条について、今までは以前の早瀬のようであったけど、少しだけ精神異常者に対してのわずかな理解の光がほんの一筋見えただけでも、これは充分読みごたえのある一作ではないだろうか。
でも、少女がなぜ白神とともに逃げたのか、白神はなぜ少女を選んだのか、そこんとこがちょっと唐突だったかも。
イバラに実験を繰り返していたその本当の理由、教師一家惨殺事件に駆り立てた理由(私からすれば、そんなことで?って気もするし)、凡人には分かりづらかった。
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なんかすべてが中途半端だったように思いました。
焦点が絞れてないというか、あまりにも書きすぎ。
その割りにぼやけてしまっている。
この人はもういいかな^^;
読み応えがあったということは、書きすぎってことですもんね。
私もなんだかんだといいながら、この作家さん、他読んでないし。(汗)
サトミと白神の関係、唐突でしたよね。何でそうなるのか、もう少し書いてほしい気がしました。
さすが医師?だからか、頭のよさを感じさせた一作でした。
でも、そのわりには、もう少し説明が欲しかったり、最後まで手を抜かず書ききって欲しかったですね。(息切れしちゃったんでしょうかね?)