2012年06月16日

金平糖の降るところ 江國香織著。

《★★★☆》


ブエノスアイレス近郊で育った日系人佐和子とミカエラの姉妹が留学した日本で出会った男、達哉。
三人の何十年にも及ぶ三角関係の愛の物語。

少女の頃から常にボーイフレンドを共有してきた姉妹。それは相手の愛を確認するための幼い行動だった。
だけど、日本で出会った達哉だけは共有を拒んだ姉佐和子。
達哉と結婚して20年後、佐和子は突然愛人の田渕とブエノスアイレスに戻る。

追う達哉。拒む佐和子に、そんな達哉を待ち受けるミカエラ。

とっても不思議な三角関係。

結局、佐和子も達哉を愛しているし、ミカエラもずっとずっと達哉を想っていた。
達哉は佐和子のものだし、佐和子だって達哉を愛しているはずなのに、なぜゆえにわざわざ愛してもいない田渕と駆け落ちするかな。
自分のものにならなかった達哉を、佐和子よりも深く深く愛していたのはミカエラかもしれない。
だけど、結局達哉はミカエラのものにはならない。

すごくすごく不器用な二人の愛の物語に思えて、ちょっと切なかった。
結局佐和子も達哉もお互いを理解し合っていてお互いを愛してるくせに、どうしてもそこに納まる気はないみたいで・・・。
わざわざ傷つくほうを選ぶ佐和子は強いのか、ただの自己中女なのか。

いろんなボーイフレンドと遊びながらも実は、自分のものにならなかった達哉を想い続けていたミカエラだけど、どうしても応援する気にはなれなかったし、うん、結局はそれぞれが別々の道に進みそうで安堵した。
やっぱり達哉には佐和子でしょう。

だけど達哉は佐和子が戻ってくるまでは絶対待てなさそうだし、佐和子も戻らなさそう。

この本で、嫌いなキャラを挙げるとしたら1位はやはり田渕でしょう。
最初ストーカーかと思ったよ。どういう約束で逃避行になったんだか知らないけど、見た目もどうってことなさそうな男が妻子を捨てて佐和子の元へ来る辺りかなりうざい。

2位は、ミカエラかな。ずっとずっと姉と共有できなかった義兄に想いを寄せてて、あわよくば奪おうと虎視眈々と狙ってた感がむかつく。
いくら想っても結局は達哉がミカエラを想うことはなさそうだし。

まったく共感はできないけど、佐和子には同情する。わざわざ愛する者を捨てなくても、と。
そして、ナルシストでまったく鈍感な達哉は好きにはなれないけど、ま、どうでもいいか。佐和子を理解しながらも、結局は佐和子が戻ってくるまでは待てなさそうな節操のなさも、いかにも、だし、なんていうかそういう男にはこういう女よね、ってことでお似合い。

江國氏は不倫をさらっと爽やかに?書くよね。
なんかまったく痛みを伴わない不倫ってすごいね。経験してみてもいいかななんて錯覚を起こしそう。

ミカエラの娘アジェレンと上司の不倫なんてちょっとした気分転換だった。




posted by じゃじゃまま at 21:45| 神奈川 ☔| Comment(2) | TrackBack(1) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
江國作品の恋愛模様のなかに紛れ込むと、倫理観とか結婚観とか、正しいのはなんなのかがちょっぴり揺らぎますね。
そこが好きでもあり嫌いでもあるところです。
Posted by ふらっと at 2012年06月17日 06:12
ふらっとさんへ
江國さんの確固たる恋愛観って共感はできないけど、お洒落だなって思います。
でも絶対にお友達にはなれませんけど。(笑)

共感はできないけど、そう、私には佐和子たちの人生ってお洒落なんですよね〜。
Posted by じゃじゃまま at 2012年06月23日 12:02
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金米糖の降るところ*江國香織
Excerpt: 金米糖の降るところ(2011/09/28)江國 香織商品詳細を見る ブエノスアイレス近郊の日系人の町で育った佐和子とミカエラの姉妹は、少女の頃からボーイフレンドを“共有すること”をルールにしていた。..
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