2012年08月19日

桜舞う おいち不思議がたり あさのあつこ著。

《★★★★》


「おいち不思議がたり」の第二弾。
でもこれで終わりなんじゃないかって思ってしまった。
おいちは父松庵の元で、長屋で診療を手伝っている。貧乏だけれど、人々と関わり、人々の助けになっている、そんな父を誇りに思い、自分もそう生きたいと願っている。
母はいないが、母の姉の伯母おうたがなにくれと世話をやいてくれ、篤い愛情をかけてくれる。
そんなおいちには不思議な見える力があり、幼馴染みのおふねちゃんが苦しんでいるのが見えた。おいちは走った。でも間に合わなかった。助けられなかった。そこで出会った田澄十斗。
実は十斗はある人物を探しており、おいちの名を聞き、探していた人にたどり着いたと思った。

おいちはおふねちゃんが助けて欲しかったことに気付き、おふねちゃんを死に追い詰めた人物は誰なのか、おふねちゃんはなにを伝えに来たのか、考える。
そんなとき、おいちを二度も襲おうとしたやくざものたちが殺される事件が起きる。
疑われてしまったのは、おいちのことを想う職人の新吉。だが、松庵も岡っ引きの仙五朗親分もこれは医者が関わっているのではないかと疑う。
十斗がおいちを訪ねてきて、松庵の弟子になりたいと申し出るが、おいちは十斗の本当の目的は他にあるのではと見抜く。
お松が父親の借金のかたに身売りさせられるかもしれないと知り、またもやおいちは走るが、そんなとき、松庵に人殺しと詰め寄る十斗の声を聞いてしまった。
過去になにがあったのか。それはおいちの出生の秘密でもあった。

松庵と十斗の過去。おいちの出生の秘密。お松ちゃんの失踪。
クライマックスは怒濤のようにやって来た。
お松ちゃんの失踪とおふねちゃんの死。三度走るおいちに危険が迫る。すべてがハッピーエンドではないけど、でも長屋で松庵と暮らすおいちには、そこでの人々との関わりがすべて。小さい頃からよくしてくれた長屋のおかみさんが死んでしまったり、縁談を進めるおばあさんや伯母。悲しいことも嬉しいことも、全部おいちはここで感じながら松庵と生きていくんだな〜。

新吉とどうなるのか、おいちもまんざらではないようなので、できればくっついて欲しいけど、なんとなく終わりなのかなって。松庵の過去も分かって、実はおいちと十斗は兄妹で、それでも松庵とおいちは親子だし、おうたにとっても大事な大事な姪っ子なのだ、とじんわり泣いてしまった。
だからこの先はもうないのかなと思ってしまった。遠野屋シリーズも終わりのようだったし、これでおいちシリーズも終わってしまうと寂しいな。


posted by じゃじゃまま at 16:09| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | あさのあつこ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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