2012年08月24日

Happy Box 伊坂幸太郎著。

《★★★》


<幸せ>をテーマに、名前に<幸>を持つ五人の作家が書き上げた。
伊坂幸太郎の「Weather」・・・ 女好きの友人の結婚相手は実は元カノ。友人の過去がばれないように気を使ったおかげで天気博士になってしまった<僕>。友人の女癖を疑う元カノにスパイを命じられたが、結婚式には感動のサプライズが待っていた。
この新郎新婦の話はよかったけど、個人的には<僕>の幸せを見たかった。
式の席で空気の読めない新婦友人に対しての心の突っ込みは面白かったね。

「天使」・・・ 山本幸久。貧しい子供時代で窃盗で生計を立てるしかなかった福子。それでも一つ目金治との出会いにより、決して不幸ではなかった。ある日茶髪の男とタカシ君にカモられそうになった福子さんは、逆に財布をすり返す。怒り狂った茶髪男からタカシ君とお姉さんを救ってあげる福子さんの人生は、最後また幸せ。

「ふりだしにすすむ」・・・ 中山智幸。死期の迫った老人が、残してゆく妻を安心させるために来世でもまためぐり合えるという素敵な作り話をする。この作り話に利用された女性の、ほんの小さな奇跡の話。

真梨幸子の「ハッピーエンドの掟」・・・ 一番新鮮で、もしかして好きなテイストかも。
後味がどんよりと悪いけど、ドキドキした。かつて隣に住んでいた女の子に嫉妬してついた嘘。
母子家庭のアイコはホステスをしている母親にも、担任教師にも、なかなか本心を言えず分かってもらえない。ついそっちの方がいいのかな、なんて思って返事してしまうから、自分の本心とは別の方向に話が進んでしまう。本当は新しいパパも欲しくないのに、なぜか欲しいと言ってしまい、母親は再婚することにする。
玉の輿に乗る母親とアイコに、隣のチエちゃんがかけた呪文。怖かった。

「幸せな死神」・・・ 小路幸也。うっかりお酒をこぼしてしまったことにより死神を召喚してしまい、さらにはお酒をご馳走して契約をしてしまった帆奈。しかもとてもいい男で、死神じゃなければ恋人にしたいくらい。そんな死神がずっと帆奈のそばにいて、人生を見守っている。ちょっといい感じ。守護霊みたいじゃん。
その死神の願いを叶えてあげたとき、幸せと引き換えに別れがやって来た。

正直、「幸せな死神」と「ふりだしにすすむ」は分かり辛かった。「天使」も福子さん、幸せだったんだろうけど、茶髪男に襲われてしまって、小さな衝撃。
伊坂氏と真梨氏はよかった。
ちょっとこの先真梨氏はリストに加えてみようと思う。






posted by じゃじゃまま at 16:30| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | アンソロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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