2012年10月13日

GO!GO!アリゲーターズ 山本幸久著。

《★★★★》


離婚して実家に一人息子を預け、プロ野球の独立リーグの球団職員となった藤本茜。
いつか息子と二人で暮らすために必死で見つけた球団職員。
だけど、そこは弱小チームアリゲーターズなのだ。セ・リーグでもパ・リーグでもない、本拠地の球場もなく応援する人も限られた中で、もちろん、選手たちも野球で食べられるわけもなく、普段はオーナー会社の憩ストアで働いてたりもする。
茜に至っては、マスコットであるアリーちゃんの着ぐるみがどうも仕事として決定しそう。元人気野球選手だったゼネラルマネージャーの芹沢にいつも反抗するプロ野球崩れの笹塚。マウンドですぐ泣く甲子園球児の荻野目は戦闘ヒーロー好きだが勝負どころで気が弱い。
やる気もイマイチ、成績もぱっとしなかった彼らが一念発起していく奮闘記。

なんだかだんだん元気が出てくる物語。

地域を大事にしようと保育園や畑仕事を手伝ったり、野球の練習よりもそんなことをするのか!と笹塚は怒ってるけど、どっちも大切でどっちも野球を愛してるんだよね。
畑仕事を手伝ったり、保育園で野球教室を開いたり、もっと野球を好きになってほしいから、そして応援してくれている感謝を込めて。
それが気に入らない笹塚も、ただ不器用なだけで、彼の本心も野球を愛してる。みんなに本気になってほしいから練習して欲しいだけ。
茜って全然役に立ってないようで、実はみんなの架け橋になってたのね〜。いや、架け橋なんてそんな大役でもなく、たまたまニセモノ王子が来て、チケットが何千枚も売れて、でも自分たちの力で野球を盛り上げたいと思ったその時期に、たまたま茜もいたわけなんだけど、でも巡り合わせというのか。

茜と芹沢の嘘のファンレターや、荻野目との特訓、野球オンチだった茜が少しずつ野球を理解して、アリゲーターズの試合の、一球、一打にアリーちゃんの中で心の底から一喜一憂するようになったとき(それはたぶんニセモノ王子到来の時か?)知らず知らずとみんなの心が一つになっていった。

三角ベースの練習、チケットの手配が追いつかず選手たちも手伝ってくれたり、ああ、イチゴちゃんの存在も大きいよね。
でも野球オンチの茜が徐々に野球に興味を持ち始めたその変化を、みんなも感じたのかもしれない。

笹塚に、アリーちゃんとしての茜も含めアリゲーターズの一員だ、と認められたのも嬉しかったし、芹沢にも息子と共に野球チームに入るように言われ、そして芹沢を復帰させるためでもあるけど、茜にいつかゼネラルマネージャーを、なんて、今までなんにも熱中してこなかった茜の人生が変わっていく。

とっても爽やかな、アリゲーターズと茜の成長物語。

この先も絶対読みたい!あの始球式の彼も入団して欲しいし、イチゴちゃんだってもしかしたら?






posted by じゃじゃまま at 10:56| 神奈川 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 山本幸久 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
茜がここに居合わせたのはたまたまだけれど
でもたまたまであってたまたまじゃない
そんな気もします。
茜の存在がおっしゃるように架け橋になって
みんなの心をつないだのでしょうね。
またまた、物語の隅っこに入り込んだ心地でした。
Posted by ふらっと at 2012年10月13日 13:06
ふらっとさんへ
そうそう!そうなんですよ、そのニュアンス。
たまたまであってたまたまじゃない。

私も隅っこに入り込んでました。
この物語なら、話虫干し、私できそうです。(爆)
Posted by じゃじゃまま at 2012年10月15日 22:18
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GO!GO!アリゲーターズ*山本幸久
Excerpt: GO! GO! アリゲーターズ(2012/04/26)山本 幸久商品詳細を見る 再就職先は、超弱小野球チーム。アラサー×バツイチ×シングルマザー。人生に遭難中の茜が拾われたのは、成績も経営も低迷する..
Weblog: +++ こんな一冊 +++
Tracked: 2012-10-13 13:07
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