2007年01月05日

はなうた日和 山本幸久著。

ふんふん、なるほどね。読み終わった後にはなうたを口ずさみたくなるような短編集。最後の「うぐいす」だけはちょっと鼻の奥がツンとしたけど。
予備知識がなかったので、最初短編と思わず、「閣下のお出まし」で離婚して離れ離れになった父の元へ家出した少年と、その父と暮らしている恋人の連れ子らしい少年のその後がすごい気になって、てっきり展開期待していたのに肩透かし。

でもそんなもやもやを「犬が笑う」や「普通の名字」が吹き飛ばしてくれた。不倫相手の妻が乗り込んできて、あなたなんて夫の浮気の12分の1に過ぎない(そう、相手の男は12人もの女と同時進行で付き合っていたのだ)、と残酷なことを言いにやって来た。でも陸子は妻が思ってる以上に相手のことを好きだった。なんか幸薄いな〜と思っていたら、不器用だけど温かそうな河田君がいて、二人がどうなるかなんて書いてないけど、頬が緩んでしまいそうになった。

「普通の名字」も、バツイチで二人の子どもを育ててるシングルマザーに、お節介焼きのパートの雇い主。見合い写真のファイルを持ち歩いてて「どの人にする?」と聞いてくる。ミトコは適当に、でも他にいいのがいないからと選ぶ。その男性とのその後。これもその後のことなんて書いてないけど、心が浮き立つってこういうこというのかな。

他にも短編あったけど、特に好きだったのはこの二編。どれもこれもちょうどいいとこで終わっちゃった〜、ってラストで、後はご想像にお任せします的だけど、はなうたが出ちゃいそうな心地よいラストばかりで山本氏はいい作品を書きますよね。
posted by じゃじゃまま at 15:23| Comment(7) | TrackBack(7) | 山本幸久 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あけましておめでとうございます。
じゃじゃままさん。
今年もよろしくお願いします。

本当に、良い短篇集でした。
「はなうた日和」って、ネーミングもいいです。
Posted by モンガ at 2007年01月05日 20:57
じゃじゃままさん、こんばんは。

そうそう、読み終わった後なんとなく「はなうた」がでてきそうな物語ばかりでしたよね。

今年もどうぞ宜しくお願いします。
Posted by なな at 2007年01月05日 21:32
こんばんは。じゃじゃままさん。
TBとコメントありがとうございました。
生きているっていいな、って素直に感じることができた作品ばかりでしたよね。
読後感がよくてとてもよかったです。
Posted by ゆう at 2007年01月05日 21:44
じゃじゃままさん、こんばんは!
TBありがとうございました。
読み終わった後、はなうたを歌っちゃいそうな作品が多かったですね。
登場人物みんなに幸せになってね、と素直に思える、読者の方もちょっぴり幸せになれる作品でした。
Posted by エビノート at 2007年01月05日 22:06
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
この本は、幸せになれる暖かいお話でしたね。
題名もいいですね。
Posted by at 2007年01月06日 00:07
じゃじゃままさん…今年もヨロシクお願いしまーす。
これを読んだのは昨年秋。
正直言ってもう忘れてます(汗)。
じゃじゃままさんのレビューを拝見して何とか思い出すという有様。
この調子で今年も読んでは忘れ、忘れては読むの1年になりそうです。
装丁がいいですよね♪
Posted by ユミ at 2007年01月06日 08:25
モンガさんへ
あけましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします〜。
本当にタイトルが上手ですよね。はなうたが出ちゃいそうな余韻があって、そのまんまのお話でした。

ななさんへ
こちらこそ今年もよろしくお願いします。
ラストの余韻がよかったですよね。特にこれから幸せが来るかも!?って思わせてくれた2編好きです。

ゆうさんへ
読後感のこの優しい気持ち、さすが山本さんですね。つい最近、優しい気分になりたくて市川拓司作品読んで嫌な気持ちになったばかりなので、本当によかったです。

エビノートさんへ
本当、そうなんですよね!幸せになってね!って思える。特に不倫してた女性が出会った飲み屋の常連さん、シングルマザーの見合いする予定だった人、両方とも温かな人柄が滲んでいて頬がにんまりしました。

花さんへ
こちらこそ今年もよろしくお願いします。
タイトルも本当に上手ですよね。そんなお話がつまっていて幸せな気持ちになれました。
新年はこうでなくちゃですね。

ユミさんへ
今年もよろしくお願いしま〜す。
時間が経つと忘れちゃうのってよくありますよね。私は、山本さんの作品は5作目?くらいなので大体覚えてるんですけど、「男の敵は女〜〜」でしたっけ??あれ、忘れてます。
Posted by じゃじゃまま at 2007年01月08日 17:28
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