2012年12月26日

ロスジェネの逆襲 池井戸潤著。

《★★★★★》


贅沢を言えば、どうせならもっと半沢が窮地に陥ってからの逆転劇なら満点★だったけど、まあ、いいや。
「バブル」シリーズの半沢。恐らく前作の、しっぺ返しか、エリートコースから外されての、子会社への出向。
そこには同じく銀行からの出向組がいて、足の引っ張り合い。
今回の敵は、身内にもいたし、親会社である東京中央銀行。
電脳雑技集団という、名前からしてまったく愛着の湧かない会社から、企業買収のアドバイザー契約が持ち込まれる。
規模や目的に多少の疑問を持つ半沢だけど、銀行からの出向組がどうしてもやりたいっていうので、とりあえずやらせてみると、唐突に電脳雑技集団からの契約解除と、そして銀行証券部への鞍替えを知らされる。
その裏に銀行からの横槍と身内の裏切りを嗅ぎ取った半沢は、反撃に出る。

買収される側の会社は、半沢の部下、森山の高校時代の同級生。東京スパイラルの瀬名社長とタッグを組み、買収阻止と更に、銀行からの刺客であった企業の逆買収で半沢の正義が勝つか?

そもそも電脳雑技集団といい、半沢の敵、伊佐山といい、みんな感じ悪い。
それに比べて東京スパイラルの瀬名、森山、なんとなく好感を持つようなキャラは絶対半沢派だから、最初は、ほら、電脳さんが話を持ち込んできたから、こっちと組むのかなと一瞬思ったけど、どう読んでも感じ悪い人たちだったからね。
やっぱり電脳&伊佐山で、東京スパイラル&半沢となるよね。

裏切り者の諸田との密約によって銀行に戻った三木辺りが、スパイになってもっと二転三転するかなと思ったけどね、案外安心して読めた。
分かっちゃいたけど、東京スパイラル買収のために、電脳に巨額支援するための会議で半沢が乗り込んできた時は、まるで水戸黄門の印籠か、暴れん坊将軍が悪を裁く時か、って期待通り。

中野渡が頭取で本当によかったよね。
これがもし、万が一三笠だったら・・・と思うとひやひやする。もちろん伊佐山たちのような人間が幅を利かせ、よく考えもせず自分たちの利益、出世だけのためにじゃんじゃん融資して、そしてそのツケを私たち税金でお願いします、なんてことになりかねないもんね。
そして、半沢の正義を見抜けないというか評価できないところに、三笠の汚点はあるわけで。
三笠と伊佐山の出向先は本当にスカッとした。どんなもんだい、そこでやってみろ。

本当に中野渡さん、あんたは偉い!いい人だ!
銀行に戻った半沢は、今度はどこの誰を助け、どこの誰の不正を暴くのかな。

posted by じゃじゃまま at 17:39| 神奈川 ☀| Comment(4) | TrackBack(1) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
じゃじゃままさんが、心底楽しんで読み切ったことがよく判るレビューでした。^^♭
でも、ほんとに愉しい読書でしたものね。

水戸黄門的なお約束もまた、このシリーズの名物、というか醍醐味のような気がします。
ほんとうに、印籠が見えた気が…。^^*
Posted by ふらっと at 2012年12月26日 18:27
捨てる神あれば拾う神あり!
どんなことにも対立構図があるわけで、それをどう読むかで流れが変わる。
わかりやすいけど、やっぱりはまってしまう(笑
Posted by じゅずじ at 2012年12月26日 19:25
ふらっとさん
あけましておめでとうございます〜。
遅くなりました。池井戸さんの作品は、やっぱりこうでなくっちゃですね!!
ちょっと二転三転が物足りなかった気もしますが、いやいや、これくらいが心臓のためにもいいんですよね。(笑)
Posted by じゃじゃまま at 2013年01月06日 12:12
じゅずじさんへ
あけましておめでとうございます〜。
分かりやすい対立構図でした。池井戸さんの勧善懲悪ものは本当にはまりますね。
Posted by じゃじゃまま at 2013年01月06日 12:15
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