2013年02月04日

花のさくら通り 荻原浩著。

《★★★☆》


ユニバーサル広告社シリーズ第三弾。
経費削減のため都心から都落ちした彼らが越してきたのは、ちょっとさびれたさくら通り商店会にある、和菓子屋、岡森本舗の二階。
そして今回彼らのクライアントとなっていくのが、このさびれた商店会。
現実に嘆きながらも、このままなにも変えたくない人々と、どうにかして商店会を盛り上げていきたい人々。

最初は些細な依頼だった。さくら祭りのチラシを、なんとなく二階に越してきた広告社に頼んだだけだった。和菓子屋、岡森本舗の若旦那、守にとって、広告社も印刷屋も同じ感覚。
ところが、チラシで杉山たちのやる気スイッチが入ってしまった。
やる気スイッチは守から商店会の人々に伝染し、やがて仲間は増えていく。

ところどころ、吹き出してしまって、なんだろ、杉山の呟きが面白すぎる。
町にある小さなスーパーが、たびたび値段のスパイにやって来るのを逆手に取り、逆襲するのもスカッとしたし、桜のない桜祭りをさくらんぼにしてみたり、こんな風に商店街が来るお客さんのことを考えて楽しませてくれたらいいよね〜って思う。
思うことは思うんだけど、効率的なことを考えちゃうと、一箇所で終わるスーパーを利用しちゃうんだけどね。
それはそれとして、お寺の息子光照と、坂の上の教会の娘、初音ちゃんの初恋。ロミオとジュリエットみたいに光照は思ってたみたいだけど、初音ちゃんはそんなことないみたいだし、二人の三年後、会いたいな〜。

シャッター通りにしたままの方が得な、会長の弟、磯村不動産。なにやら政治も絡んで、町には町の苦労があるのね。
だけどそんなんじゃ駄目なわけだ。やっぱり現にそこにお店がある限り、そこに人々が住んでいる限り、眠ったような商店街なんて嫌だよね〜。

なんだか楽しくなってきて、このままずっと杉山たちはさくら通り商店会に住み続ければいいのにな。



posted by じゃじゃまま at 22:37| 神奈川 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 荻原浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やはり、みんな思うところはひとつ、ですね。
もうしばらく放浪の旅はやめて、ここに腰を落ち着けてほしいですよね。
さくら通り商店会のこれからを、光照が帰ってきてからを、見てみたいです。
Posted by ふらっと at 2013年02月05日 06:52
ふらっとさんへ
大変遅くなりました。
すみません。

やはり三年後気になりますよね。まだまだあの商店会で物語作れそうですもんね。
Posted by じゃじゃまま at 2013年02月20日 21:52
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花のさくら通り*荻原浩
Excerpt: 花のさくら通り(2012/06/26)荻原 浩商品詳細を見る シャッター通りまであと一歩。さびれた商店街の再生プロジェクトを請け負ったのは、和菓子屋の2階に移転してきたばかりの超零細&倒産寸前の広告..
Weblog: +++ こんな一冊 +++
Tracked: 2013-02-05 06:54
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