2013年02月15日

ルーズヴェルト・ゲーム 池井戸潤著。

《★★★★★》


文句なしの五つ星。
いつもの池井戸氏の会社経営物語に、社会人野球が加わって、倍楽しめた。
かつては名門と言われた青島製作所の社会人野球チーム。
いまや会社のお荷物扱いとされていて、この窮地をどうやって抜け出すのか。ここで野球をしていくしかない人たち、していきたい人たちが、たいした成績も残せないまま監督に裏切られ見捨てられた。
そこへ高校野球の監督をしていた大道がやって来る。裏切った村野監督を見返すことができるのか。

二年前に創業者の青島から社長を引き継いだ細川は、元は戦略コンサルタントとして腕を振るっていた。
その社長就任は元から青島製作所にいる重役、笹井をさしおいての抜擢だった。

取引先からのコストダウン要求、銀行からの経費削減の計画書請求、役員たちの野球部廃部への期待、社会人野球にさして興味のない細川だったが、会長が大事にしている野球を、いまや経費削減の一つとして見ていかなければならない。

そんな矢先、ミツワ電器からの経営統合の話が持ちかけられ、細川は会社が生き残るためにはどうすべきか、悩む。
ミツワ電器ったら、憎たらしいったらありゃしない。青島製作所にとって仕事でも、野球でも、最大のライバルというか、邪魔者。青島製作所を捨て、有望な選手を引き抜き、村野が選んだのもミツワ電器。
青島製作所の技術欲しさに、あの手この手で追い詰めてくるミツワ電器の、坂東。
でも、読んでいて本当に楽しいのは、細川の敵だと思っていた役員の笹井が実はすっごくいい人だったり、坂東からの誘いも、やっぱり会長から見込まれただけあって、どこか胡散臭さを感じた細川はあっさりとその答えを見つけたり。
ミツワ電器を見返すだけじゃない、青島製作所を救うためにも、商品開発を予定を繰り上げて成功させなければならない。
頑固な開発部の神山の無愛想だけど、責任感の強さ。

全員が青島製作所を愛していて、会社のために一丸となる、ここに池井戸小説の楽しさはあるんだよね。

いつもなら会社対会社だけでも十分盛り上がる池井戸小説だけど、今回はここに野球も加わって、更に面白さアップ。いや、野球に、経営が加わったのか??
確かに、私も社会人野球にはあまり興味もなくて、正直、存在の意味が分からなかったけど、社員に愛される存在である野球っていいな〜って。
新エースの沖原の因縁のライバルである如月の存在も、ま〜、むかつくけど!!でも、それが醍醐味でもあるんだけどね。
とことん、ミツワ電器って悪者しかいないって感じ。社長の坂東、野球部の村野監督、ピッチャー如月。
社長が嫌な奴だと、縁する社員その他も類ともなのかしら、って。

細川に経営統合を断られ、どうしても技術力が欲しい坂東は、今度は株主に手を回す。
ま〜、本当に楽しい。最後に必ず今までのツケ払わされるからね。

坂東の目論見がことごとく外れたのは、本当に愉快愉快。
如月がプロ野球に入団したのは、いくら二軍とはいえ、むかつくけどね〜。

タイトルの通り、野球は投手戦より打撃戦の方が面白いのは、確かに!!!!

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posted by じゃじゃまま at 23:12| 神奈川 ☔| Comment(3) | TrackBack(2) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>ミツワ電器ったら、憎たらしいったらありゃしない…

わかるわぁ、その気持ち(笑
パワーだけを武器にごり押しするなんて最低!という気分で読んでました。
でも、その分の怒りが最後の爽やかさにつながるんですよねぇ。
毎回同じように納得しています(笑
Posted by じゅずじ at 2013年03月04日 12:52
悪役がわかりやすいのも、水戸黄門的、でしょうか。^^;
愛社精神と、愛部精神の熱さが悪を倒したという図式ですね。
池井戸節全開でスカッとする一冊でした。
Posted by ふらっと at 2013年03月04日 13:40
じゅずじさんへ
池井戸さんの作品は、期待を裏切らず最後にスカッとしますね。この路線は続けて欲しいですね。

ふらっとさんへ
現実はこんな風に悪を倒せてないことも多々お見受けしますが(爆)せめて池井戸ワールドの中では悪を懲らしめて欲しいですよね!
Posted by じゃじゃまま at 2013年03月07日 22:09
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