2013年02月15日

勝ち逃げの女王ー君たちに明日はない4 垣根涼介著。

《★★★》


「君たちに明日はない」の第4弾。
リストラ請負業の真介は、今回もまたターゲットとなる会社で面接を繰り返す。
「勝ち逃げの女王」・・・ 航空会社AJA。赤字垂れ流しで、希望退職者を募ったら、定員を超えてしまった。今回は、退職者を定員に抑えるために、通常とは逆の引き留め作戦業務となった。
OLを経て晴れてCAとなった浅野貴和子。そして結婚し、子供もいる。フライトのときは夫の実家に子供を頼み、別に夫の収入だけでも生活できる貴和子は、いわゆる勝ち組。
そんな貴和子に、真介は夢であったこのCAという仕事に対する情熱を訴えたが、彼女が選んだのは、勝ち逃げだった。
私は、この章が一番納得いったかな。

「ノー・エクスキューズ」・・・ かつて日本の三大証券会社であった山三証券が突如経営破たんした。
それはこの日本で大企業神話が崩壊した始まりだった。その山三で働いていたらしき初老の二人と、真介は社長に引き合わされる。
社長の高橋の過去が垣間見れたり、仕事に対して行き詰まりを感じていた真介がこの、かつて日本の経済を引っ張っていた彼らの考え方を聞いてどのように感じるのか。

でも、正直、彼らの言ってたこと、よく分からなかった。この時代の男性って、妻に心配かけたくないから家には仕事持ち込まなかったって、そんな風に考えてたようには思えなかったけど。
どうせ言ってもわかんないだろ、的なことじゃないかと、私は思ってたけどね。

「永遠のディーバ」・・・ 楽器メーカーハヤマは、部門縮小で営業職をリストラしたい。今回はそこがターゲット。かつてバンドマンでダラダラと音楽業界にしがみついている飯塚正樹に真介はなぜか怒りをぶつける。
真介いわく、自分の才能に見切りをつけたら、二度とその業界にはいられない、みたいなこと言うんだけど、駄目かな?夢叶わなくて、だけど好きな業界にいるのってそんなに駄目なのかな?

真介の苛立ちは、共感できなかったけど、飯塚が得た答えは、この物語の中で一番幸せだったんじゃないだろうか。

「リブ・フォー・トゥデイ」・・・ 外食産業が中間層向けのファミレス「ベニーズ」を閉鎖することにした。ところが、この中で優秀な人材だけは他部門へ移籍させたい意向で、真介は森山と出会う。
森山は、進学校在籍当時からバイトの身分で責任者に抜擢され、幹部候補生として非常に期待され、是非とも残って欲しい人材だが、帰属意識のない森山は辞める事を選択する。

今回はこんな展開が多かったね。森山は、頭のいい人が考えそうな、固執しないっていうか、こだわりがないっていうか。私には縁のない生き方だけど。




posted by じゃじゃまま at 23:57| 神奈川 ☔| Comment(2) | TrackBack(1) | 垣根涼介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
リストラ請負人とは言え、いろんな業種のリストラを手掛ける真介は気力も体力も消耗するでしょうねぇ。
そして、リストラされる側にもさまざまな事情があって、十把一絡げには到底できないなぁと、考えれば考えるほど辛くなります。
Posted by ふらっと at 2013年03月04日 13:31
ふらっとさんへ
今回、引き留められながらも会社を去って行った人たちには、リストラされる側なのに勝ち組の香りがしました。
リストラされようと人生の勝ち組って感じ。
Posted by じゃじゃまま at 2013年03月07日 22:18
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

勝ち逃げの女王--君たちに明日はない4*垣根涼介
Excerpt: 勝ち逃げの女王: 君たちに明日はない4(2012/05/22)垣根 涼介商品詳細を見る どんなに時代が悪くても、仕事のデキる奴はいる──大ヒット痛快お仕事小説第四弾! 業績の悪さを、景気のせいにして..
Weblog: +++ こんな一冊 +++
Tracked: 2013-03-04 13:43
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。