2013年04月05日

あなたが愛した記憶 誉田哲也著。

《★★★》


曽根崎という容疑者の黙秘から始まる。
人はみな、曽根崎が犯行を犯したことが信じられないという。彼にかけられた容疑は、1歳にも満たない赤ん坊を絞殺した罪。

なぜ曽根崎は赤ん坊を殺したのか。

都内で被害者女性は両手の親指を切断され、監禁され、強姦、暴行、挙句に絞殺、残虐な事件が相次いで起こった。
警察は同一犯と見て合同捜査を始めようとしていた。
そのころ、曽根崎の元を一人の女子高生、民代が訪ねてくる。民代はかつて曽根崎が愛した女性との間に生まれた子だといい、二人の男の名を告げ、探してほしいという。

なかば強引に巻き込まれた形で、行方を調べていると、高木清彦は不可解な病にかかり、挙句に自殺していたことが分かる。民代は、ならば残る一人の男由利岳彦が連続殺人事件の犯人だといい、曽根崎は超常現象を目の当たりにすることになる。

民代も、清彦も、岳彦も魂にすべてのDNAを移し替え、親から子供へと移動し、生き続けているという。
今、都内で起こっている連続殺人事件の犯人、岳彦も、30年前に同様の事件を起こして死んだ池上という男の魂の生まれ変わりだという。
民代は、曽根崎が愛した真弓の心と記憶を魂に移し替えた、真弓そのものだったのだ。

読んでる途中から、乾ルカ氏の「プロメテウスの涙」を彷彿させ、そんなことだろうと思っていたけど。

池上の魂を移し替えた岳彦は、残忍で、民代と曽根崎の友人の妹を毒牙にかける。
美冴は殺され、民代は意識不明になるまで暴行され、妊娠してしまった。
そもそも岳彦の目的は、魂の移し替えをして自分が生き延びるために女を妊娠させなければならなかったんだから、民代が妊娠した段階で、やばいじゃん。

もちろん、民代もその能力の持ち主だから、民代、いや真弓か、真弓が生きるためにもここで産まなきゃ、ってのは分かるよ。
でも、その詰めがどうよって。曽根崎の思考が、お粗末だよね〜。

どっちも生まれ変わる能力を持っている。生まれてくる子供はどっちの生まれ変わりが分からないけど、でもあれだけ必死で岳彦の犯行を止めようとしていた民代=真弓ならば、1/2の可能性にかけるよりも、ならばもろとも破滅の道を選ぶと思うんだよね。

その思いが分からない曽根崎と、そういう展開に持っていった誉田氏が残念。

結果、冒頭の事件に繋がっていくわけだけど、ありえないって。池上=岳彦の生まれ変わりを出産するという判断。普通に考えても、犯人に強姦されて、その子を産むなんて。。。
結局、岳彦の生まれ変わりだしね。

裁判で、結局、生まれ変わりが認められて釈放ってのも、ちょっといただけなくない???
本当にそうだとしても、この日本でそれが認められるとは考えにくいので、あのラストは軽い感じがした。
誉田氏ならもっとダークなラストになるかな、って思ったけどね。

posted by じゃじゃまま at 23:04| 神奈川 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 誉田哲也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
たった今この本を読み終わりまして・・
私の感じたことと同じだったので
一言コメントさせていただきました。
本当そう思います!!

またほかの感想も読ませていただきますね。
お邪魔しました。

Posted by りんたろう at 2013年08月26日 22:51
りんたろうさんへ
だいぶ前に読んだ本だったので、今改めて自分のレビュー読み返して、そうだそうだ!とあのラストに対しての不満がまた蘇りました。

また是非いらしてください。
Posted by じゃじゃまま at 2013年08月29日 11:36
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。