2013年04月14日

つむじダブル 小路幸也・宮下奈都著。

《★★★★☆》


お兄ちゃんとお母さんとお父さんと、おじいちゃんが大好きな小学四年生のまどか。
つむじが二つあって、男子にそれを言っても「だからって羨ましくないし〜」って言われるけど、お母さんは「幸運のしるしよ」って言ってくれる。
大好きな友達、美波ちゃんはまどかのうちのこと「ひみつの隠れ家って感じ」って褒めてくれる。
裏におじいちゃんの道場と接骨院が繋がっているだけなんだけど、まどかはその言葉のひびきを気に入っている。

それは、大好きな家族にひみつなんてない、と思ってたからだった・・・のに。
ある日、かかってきた一本の電話。そこからひみつの匂いは始まった。

二人の作家が描く、家族が大好きなまどかと、そんなまどかを見守るように優しいお兄ちゃんでいる由一、それぞれの視点から織りなす家族の優しい物語。

プロのバンドを目指す由一。可愛い妹からある日、母親にかかってきた一本の電話がおかしい、と言われるが、まどかの不安を消すのが自分の役目とばかりに「きっとなんでもないよ」と言う由一。
だけど、電話の主と父親が繋がっていることを知った由一は、まさか不倫???と疑う。
そんな由一にも家族にひみつがあった。近所に住む5歳年上のサユミさんと付き合ってること。
そのサユミさんにも、まだ由一に話していないことがあった。

それぞれが家族に言えない、言わないひみつを持っている。

二人の作家が書いたはずなのに、まるで一人の作家が書いたかのように、小路氏のファンである私には、小路氏の温かい優しい世界観が壊されることなく出来上がっている物語に驚き、そして満足。

お母さんにかかってきた一本の電話と、由一たちにかかったプロの誘い。
やがてそれらが丸い円のように繋がって、明かされるお母さんの秘密。

そうそう、小路氏らしく引っ張って引っ張って、なんかあるんだよね。
出だしはほのぼの路線で、よさそうな予感、読んじゃうの勿体ないかな、なんて思ってたけど、ほのぼのからなにやらひみつの匂いがしてきた途端、もう手が止まらない。
そして、きっとなにかある!!二人で書いていようと、ここがまた、まるで一人で書いたの!?って思ってしまった所以なんだけど、でかいひみつがあるんだよね、小路氏には。

多分、それだろうと思っていたけど、最後まで明かされなかったね。その余韻がまたいいよね。


朝の散歩がいつからなのか分からないけど、ってふとその文章があって、それが最後に、そういうことか、って繋がったあの瞬間が私は好き。
すべてを知った上でお母さんと結婚したお母さん。朝の散歩は、家族が家族になるための、優しい時間だったんだな〜と思ったら、本当に三人で歩いている姿が浮かんできて、優しい時間が流れていたんだなって、私はそこが一番残った。
posted by じゃじゃまま at 11:36| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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