2013年05月01日

私はフーイー 沖縄怪談短編集 恒川光太郎著。

《★★》


デビュー前から沖縄に移住した恒川氏の新刊。
沖縄を舞台にした怪談短編集。怪談というか不思議な物語というか・・・。

「弥勒節」 胡弓を奏でるとヨマブリが出てくる。島にいる口に出してはいけない存在。あまりよく分からなかったけど、心細い寂しさを感じた。

「クームン」 その存在は悪なのか?それとも願いを叶えてくれる善なのか。夢だったのか?
少年のころに出会った少女。少女の体験した出来事は怖いけど、二人がまた再会できてなんとなくよかったじゃん、って薄らハッピーエンド?

「ニョラ穴」 誤って人を殺してしまった男が無人島に逃げ込む。そこで狂気の世界に入ってしまった。
もう帰ってこれないんだろうな。

「夜のパーラー」 そこは売春宿だった。殺人を頼まれた男が、結局女の思う壺になってしまう話。そもそもあの女は存在していたのか、物の怪だったりして。

「幻灯電車」 母と姉と自分を弄んだ男を毒物で殺した少女。刑務所に入っている間にすべてを失ってしまった。年老いたかつての少女は沖縄に戻り、かつて一度だけ乗ったお化け電車に揺られ、父や母、姉のところへ行く。

「月夜の夢の、帰り道」 家族で島へ旅行した後、少年の人生は転落していく。島の祭りで予言された通り、父は死に、母は出奔、少年は事件を起こし無気力な青年になった。そんな彼が海で溺れ死にそうになったとき、彼が見たものはかつて祭りの日の自分たちだった。

救いのない人生だったはずが、最後にすっと救われた感じで、一番好きだったかも。

「私はフーイー」 何度も何度も転生する少女。そして、その少女の命を狙う者。負の連鎖を断ち切った後、少女は元の自分の姿に戻った、ってことか。

正直、あまり感情移入したり、理解や共感もなかったけど、恒川氏の持つ独特な懐かしいけど切ない怖い、不思議な異空間の物語をまた期待したい。




posted by じゃじゃまま at 16:09| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 恒川光太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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