車好きの太刀川が夜中走らせていると、黒い物体とぶつかった。
見れば、大きな黒い犬らしきもの。轢いてしまったが、よく見れば轢いただけとは思えない傷口があり、黒犬を車に乗せ病院を探すこととなった。
ようやく病院で診てもらうことができたが、異様な雰囲気に動物病院の犬猫たちが一様に騒ぎ出す。
やむなく太刀川の家で様子を見ることにしたが、近所中の犬たちが敵意や怯えで動物病院と似たような光景になってしまった。
一体、なんなのか。
時折、言葉が分かるように察したり、傷口の治りが早かったりと、ただものではない。
正体がつかめないまま、太刀川はある記事を目にし、少年惨殺事件の犯人が黒犬、ジョンではないかと疑い、調べるが、それは確信へと変わる。
タイトル通り、狛犬なんだよね。
神社で破壊行為を犯した少年たちに、石像であったはずの狛犬に実体が与えられ、意識と意思の元復讐したわけだ。
たまたま出会った太刀川に助けられ、太刀川も太刀川で不思議な体験をするわけだけど。
あの弁当屋の女子高生の存在意味がよく分からなかった。恋人、麻子の絶対に結婚しないわけも、過去になにかあるのかな〜と思いつつ、ジョンの失踪と共にそのまま。
狛犬が動き出したっていう不思議な話に、太刀川や麻子、女子高生の組み合わせ一瞬合わない気もしたけど、それは垣根氏が書くと、そういえばこういう登場人物のカラーになるよな〜と納得。
ジョン、どこ行っちゃうんだろうね〜。周りの犬に敵意むき出しにされちゃうから、どこにも行きづらいとは思うんだけどね。
ほんとうにタイトル通りの物語でした。
もう少しどこかにフォーカスを当ててくれたら、もっと面白かったのに、と思います。
そうなんですよね〜。
狛犬が動くのも不思議ですが、あの三人の登場人物とがアンバランスで・・・。
らしくないといえばらしくないような・・・、狛犬の復讐に徹してくれた方が垣根さんらしかったかもしれませんね?