2013年08月23日

ドルチェ 誉田哲也著。

《★★★☆》


いつの間にか始まっていた新シリーズ、魚住久江。
誰かの死の謎を解き明かすよりも、人が死ぬ前の、生きている事件に関わりたくて、捜査一課からの誘いを断り、所轄の強行犯係にこだわる久江。
そんな彼女の短編集。

「袋の金魚」・・・ かつて池袋署で一緒だった金本と再会した久江。二人は袋の金魚と呼ばれていたが、金本は身元不明の白骨死体の捜査のために来ていたが、その数日後、子供の溺死事件が起こった。久江は行方不明になった母親を探すが、出頭してきた母親に違和感を覚える。
母親が別人だったら?

「ドルチェ」・・・ 女子大生が通り魔に襲われた。被害者に話を聞くが、久江は第一発見者から聞い被害者が「ハンカチを握っていた」という箇所にこだわり、胸騒ぎを覚える。
いやあ、その箇所にこだわったおかげで道が開けたんだろうけど、すごいね。
被害者の評判を聞くと出る出る、男の影。そしてハンカチ・・・。すごいね。

「バスストップ」・・・ 強制わいせつ事件が起こった。被害者に話を聞くのは久江の役目だが、そこに捜査一課から偏見の塊の刑事が割り込んできた。半年前から起こっている強姦事件を追っており、「襲われるのは女も悪い」と断言するような男が、性犯罪の捜査に関わるとは・・・。
被害者が襲われた時間帯に張り込んでいると、一人の男性が現れた。偏見の塊、佐久間がずけずけと人の心に踏み込んでいく。彼が愛していたのは女性じゃなく、事件とは全く無関係でお気の毒としかいいようがなかった。

「誰かのために」・・・ 傷害事件が起こった。数日前まで働いていた従業員に殴られたらしい。
甘ったれの犯人に久江がガツンと垂れた説教がすごいよかった。誰も必要としてくれないとひがむのではなく、必要とされるように努力しなければこの社会では仲間外れになっても仕方ないんだよ。
サソリをばらまくところが、この男の精神年齢をあらわしていて、子育て気をつけよう。

「ブルードパラサイト」・・・ 妻に刺されたと通報があった。調べていくと、夫の過去の恋愛に原因があった。子供の名前に昔の彼女の名前をつけられていたら・・・妻は我が子が我が子ではなく、タイトル通り人の子を育てさせられているような錯覚に陥ったのだろう。
なんとまあ、不実な男なんだろう。久江が懲りない夫の浮気相手に「奥さん、すぐ戻るわよ」って言ったの、超すっきり!
誉田氏って男性なのに、女性作家かと錯覚するくらい鋭いとこ来るよね。

「愛したのが百年目」・・・ 大学時代からの親友同士で交通事故を起こしてしまった。被害者には大学時代からの恋人だった妻と娘がいる。加害者は独身で、二人は飲みに行き、酒気帯び運転で事故を起こしてしまった。久江が調べていくと、被害者、被害者の妻、加害者は大学時代からきれいな正三角形の三角関係であったという。恐らくずっと親友の妻を想い続けていたのだろう。
被害者である神野は、これもまた不実な男で、深く悲しみなんとか神野の妻と娘を守ろうと、垣内は犯行に及んだ。
そしてそれを理解し、待っていると告げた神野の妻と娘、なんと素晴らしい話だろう。

誉田氏はたまにこういう純愛やってくれるんだよね〜〜。

そして、久江と峰岸も気になるし、毎回説明してくれる金本との過去はどうでもいいんですけどね。
イメージ的には、姫は美人で、久江って普通のおばさんなんだけど。峰岸君、どうなんだろう。



posted by じゃじゃまま at 22:32| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 誉田哲也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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