2013年09月23日

夜の底は柔らかな幻 上下巻 恩田陸著。

《★★★》


なにかの続編か??
いきなり私は読んでしまった??
イロ、とかウラとか、ソクとか、在色者とか・・・。シリーズ物なのに、急に読んでしまったかのような疎外感、というか置いてけぼり感。
それとも、いつもの恩田ワールドか。

・・・にしては、案外物語嫌いじゃないのが自分でも不思議だった。

そこは日本なのに、途鎖国という閉ざされた地域。そこには、在色者とそうでない者たちがいるらしい。
在色者はなにやら力を持っていて、それをイロというらしいが、強力だと人を一瞬にして殺してしまえるらしい。
途鎖国には、イロを持つ者は入れない。

ソクっていうのは、聖域とされる山の中でイロを持つ人々の頂点に立つ人間らしい。

とまあ、読んでいくうちに、こうなのか、ああなのかと自分で推理しながら読んでいった。だって、どこにも説明がないんだもん。

もっとも残虐でソクになっている男、神山を狙って、聖域とされる山に踏み入む潜入捜査官の女、実邦。その昔、実邦によって片目を潰され、執拗に実邦を追い続ける入国管理官の葛城。
その山に隠されたあるモノを捜しあてようと、正体を隠し実邦たちに近づく連続殺人犯の男、青柳。

かつて途鎖で縁のあった彼らが、再びここで出会った時、予測不能の恩田ワールドが始まった。

最初は、「夢違」の姉妹編かと思ったんだけど。

やっぱり恩田氏らしいファンタジーだった。
だけど、案外好きだったのは、ちょっと残酷なファンタジーなんだけど、実は恋愛だった??って思っちゃった。

葛城に見初められ身の危険を感じた実邦は、自分の力を使って葛城の目を潰し、途鎖から逃げ出した。
そして神山と結婚したが、神山に利用されていただけだと知った実邦は、今や途鎖でもっとも残虐で強力なソクとなった元夫へ復讐するために、葛城のいる途鎖へと危険を承知で戻って来た。

しつこく、残虐に実邦を追いまわす葛城なんだけど、だんだんとその執拗さに、愛を感じ始めてしまったのは、私の勘違いじゃないよね。
もしかして、今でも好きなんじゃない?なんて乙女心がワクワクしてたら、案の定、ラストで、やっぱそうじゃんってにんまりしてしまった。
強引な感じがちょっといいよね、なんて思ったりもしたけど、だけど葛城のしてきたことは恐ろしいことで、にんまりしていいのかいけないのか微妙だけど。

でも恩田氏の物語で、男女の愛を感じたのは、私の中でははじめてかも。
それがあったから、案外この作品好きなんだよね。




posted by じゃじゃまま at 15:50| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 恩田陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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