2014年01月04日

ようこそ、わが家へ 池井戸潤著。

《★★★》


銀行から出向中の真面目なサラリーマンが駅のホームでトラブルになったことから、家には嫌がらせが続き、社内では営業部長の不正に気付いたことで窮地に立たされる。
タイトルからは想像できなかった、でもいつもの池井戸氏らしい物語。
私はてっきり、池井戸氏のマイホームにまつわるほのぼのした物語を想像してた。

それにしても、なんともまあ、弱り目に祟り目、踏んだり蹴ったりの倉田太一。
割り込み注意したことで、どんだけしつこいんでしょう、相手の男。っていうか許されるなら、嫌がらせしてやりたい奴なんて五万といるけど、普通はしないんだけどね。

電車の中ででっかいリュック背負って絶対奥に詰めない学生。出入り口付近で踏ん張ってる奴とか、邪魔だよ、と思いながらも注意できないし。
たまにおじさんが怒鳴って怒ってくれるとすっきりするけど、逆切れ怖くて普通は黙っちゃう。
物語の主人公の倉田太一は、どちらかというと普段は言えないタイプらしい。だけど、その時は割り込んできた男性に注意したんだよね。

そうしたらずっと家まで着いてきて、ポストに瀕死の猫入れられたり、花壇の花踏み散らされたり、挙句は盗聴器。車に傷つけられて、怒りを覚える。
そこまで逆恨みするのは病気だよね〜。太一の息子が勇ましく、犯人を追いつめていく。

それだけでもとんだ災難なのに、太一は会社で部下の摂子から在庫が合わないとの報告を受け、調べると営業部長が交通費二重請求していたり、架空の取引を計上していたりと、これまたやばい感じ。

もちろん、ここは池井戸氏なので勧善懲悪を信じてるわけだけど、それにしても営業部長が憎たらしい。そして二代目社長が全然あてにならない。
池井戸氏は、太一を押しの弱いキャラクターにしたいみたいだけど、これがなかなかどうして、最後の最後で営業部長を追い詰めていくとこなんてさすがだけど。

出世コースから外れても銀行員っていうのは頭の回転が早いんだね。

そして池井戸氏の物語には必ず半沢でいう渡真利がいる。孤軍奮闘する太一に、銀行内部で情報を提供してくれる者がいたり、部下に恵まれることも多いよね。

個人的には、そうね〜、あの電車のストーカーに対して、もっともっとお仕置きがあってもいいかなと思う。息子の取引先の真犯人も、急に出てくるんじゃないよ!って。

ああ、妻のあのオルゴール?に仕掛けられてた盗聴器も結局なにがあったんだか。女の世界も怖いからね。

最後の最後で太一の良さが分かった出向先の社長だけど、契約解除を撤回するわけでもなく、ちょっと胸にざわわと残る作品でした。




posted by じゃじゃまま at 15:06| 神奈川 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
タイトル、ほのぼのした感じですよね。
この踏んだり蹴ったりは、わたしも全く想像の外でした。
職場と家庭のどちらも逃げ場にならないところが怖いですよねぇ。
怖い要素盛りだくさんでした。^^;
Posted by ふらっと at 2014年01月04日 18:20
ふらっとさんへ
そうなんですよ。私勝手に家にまつわるエッセイかなにかと思っちゃいました。
こんなに執念深い人っているんですね〜。
捕まった時のこと考えると行動できないもんですけど。

心の中でなら仕返し考えたことありますけど。(爆)
Posted by じゃじゃまま at 2014年01月20日 17:18
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