2015年02月12日

田村はまだか 朝倉かすみ著。

《★★★★☆》

深夜のバー。小学校のクラス会三次会。男女五人が、大雪で列車が遅れてクラス会に間に合わなかった同級生「田村」を待つ。各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たちのこと。それにつけても田村はまだか。来いよ、田村。そしてラストには怒涛の感動が待ち受ける。’09年、第30回吉川英治文学新人賞受賞作。傑作短編「おまえ、井上鏡子だろう」を特別収録。 (「BOOK」データベースより)

ようやく読んだ。
かつての旧友たちが田村を語る、中村理香を語る。
そして今は二人がよき夫、妻、パパ、ママであることも分かり、薄幸だった子供時代を乗り越えたんだな、と安心する。
旧友の一人は、恐らく田村の父親であろう人間と縁していたり、年下の教え子と切ない恋心を隠し持っていたり、浮気していたり、それぞれの問題も語られつつ、「田村はまだか?」なのだ。

そう、来ないのだ。

後に来れなかった理由が分かるんだけど、結構ショック。
それでも淡々と後日も語られ、最後の最後でバーで私たち読者は田村に会える。
その前に友人たちは病院で会ったりしてるんだけど、私たちは最後の最後に会えるんだよね。

こんなにも小学校時代の友人を待ってくれる旧友たち。
どこにでもある素材なのに、すごくおいしく調理した物語。なるほど、話題になっただけのことはある!

「おまえ、井上鏡子だろう」も、同じくクラス会に参加した他の友達の話。彼は田村は待たない。
どうでもいいんだろう。その帰り道、中学が一緒だった女性とすれ違う。
彼の中では記憶に残っているその女性。たまたま数回、あ、中学の時一緒だった子だ!って再会することもある。
でもそれだけで、別段人生に深く関わることも、その後縁することもないんだけど、でも、そういう再会ってあるよね。
その後で、井上鏡子が死亡欄に載っていても気付くことなく、ああ、またどこかで会うかもな〜ってのんびり想像してる。

どうでもいい再会って誰でもあることで、それを印象深く物語にしている。

posted by じゃじゃまま at 17:33| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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