2007年07月01日

フィッシュストーリー 伊坂幸太郎著。

伊坂作品はこれで2作目ですが、なんてうまい作家を私は知らずにいたのだろう?と思ってしまった。妙な余韻を残し続け、決して不快ではない絶望感を体験した「終末のフール」。
そして「フィッシュストーリー」で決定打って感じ。
特に4編のうちの「ポテチ」に感動!これを表題作にすれば、と思ったけど「ポテチ」よりも「フィッシュストーリー」の方が確かにタイトルとしてはお洒落な感じするもんね。

「ポテチ」と「サクリファイス」は連作で、「ポテチ」は書き下ろしとなってるので、空き巣の黒澤さんを書きたかったのかな?

「ポテチ」の登場人物はすべて愛すべき人たち。妙な人間関係なのに、みんな愛嬌があるというか、会話も伊坂氏のセンスのよさを感じさせるね。
空き巣に入った先で大西の自殺予告の電話を聞いてしまい、助けに行き、なぜかその後同棲してる二人。
その今村を軽く馬鹿にしながらも、誰にも引き取られなかった子犬をほっとけないって感じなのかな?そばにいる大西。

ちょっとお間抜けな今村が、母に対して思うある感情。
「ごめんな!母ちゃん!本当は母ちゃんの息子は・・・」胸がぎゅ〜〜〜〜っと締め付けられて、今村母、大西、今村の会話だけでも充分いい作品だけど、やはりこれがあってこそだよね。

「なに言ってるのよ。私の息子はこのバカ息子なんだよ」って、本当は今村にそのセリフを聞かせてあげたかったな。
できればこの人たちで、長編を是非。

あ、表題作「フィッシュストーリー」、解散しちゃったロックバンド、そのファンもどき、そしてその息子が、見えない繋がりで長い月日を紡ぐ物語も、こてこてしてなくてよかったけど。
でも「ポテチ」に押されちゃったね。
posted by じゃじゃまま at 11:20| Comment(13) | TrackBack(10) | 伊坂幸太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これから伊坂作品を存分に愉しめるなんて
なんてうらやましいのでしょう♪
『フィッシュストーリー』を読んだあとで
これまでの作品を読むと
あちこちに発見があって何倍にも楽しめそうですね。
Posted by ふらっと at 2007年07月01日 14:03
最後まで残しておいたお菓子が、実は一番おいしくてラッキーだった、って気持ちに今似てます。(笑)
一体どこに誰が出てくるのか楽しみです。
でも性格的に最初から行くかな。よかったです、伊坂氏に気付けて。(^^)
Posted by じゃじゃまま at 2007年07月01日 16:15
じゃじゃままさん、こんばんは。

たしかに最後に残しておいたものが美味しかった状態で羨ましいです。
私も、初期の作品数冊、もったいなくて残しているんです。
Posted by なな at 2007年07月01日 20:17
愛すべき登場人物たちがたくさんでしたよね。
伊坂さんの作品の登場人物は、そういう人が多いです。
彼ら一人ひとりが抱えるものって重いものもあるけれど、深刻になりすぎず、飄々としているのが魅力的なんだろうなぁなんて思ってます。
これからいろんな伊坂作品に出会える、じゃじゃままさんが羨ましいです。
楽しまれてくださいね!!
Posted by エビノート at 2007年07月01日 21:15
おはようございます。
伊坂さんの作品、これからご堪能あれ!(笑)
ちらちらといっぱい知ってる人が登場しますよ。
本を並べていちいち確かめてみるのも、また面白いかもしれませんね。(図書館派の私には無理ですが・笑)
Posted by ゆう at 2007年07月02日 11:04
じゃじゃままさん、こんにちは。
伊坂作品はまだ2作目なのですね。
これから楽しめるなんてうらやましいです〜。
ネタバレヒントですが…
「オーデュボンの祈り」「重力ピエロ」「ラッシュライフ」がデビューからの発表順で、「フィッシュストーリー」中の話の元ネタがこの3冊に集約してます。
でも私が持ってる記事は、最近のばかりです。
Posted by 藍色 at 2007年07月02日 14:44
ななさんへ
いろんなところにいろんな人がリンクしてるようで、私の記憶がどこまで持つか、すごく不安になってきました。(苦笑)

エビノートさんへ
これから伊坂作品を読破するつもりなのですけど、みなさんの評価も高いですし、私の伊坂作品への期待が膨らみすぎて怖いくらいです。(笑)

ゆうさんへ
私も図書館派なので無理です〜〜〜。(涙)
正直、どこまで記憶がついていけるのかかなり不安なので、ストレスになりそうです。(笑)

藍色さんへ
まずは藍色さんの教えてくださった作品からいってみようかな、と思います。
黒澤さんですかね?今村も好きなんですけど〜。
他の「サクリファイス」などもリンクしてるんですか?
Posted by じゃじゃまま at 2007年07月03日 21:54
このサイトで登場人物の繋がりがりが説明されてますよ!
判らなくなったら、ちらっとのぞいてみてはいかがでしょうか??(笑)

http://www.mtnk.net/isakaworld.html
Posted by ゆう at 2007年07月04日 09:18
ゆうさんへ
覗いてきました〜。ワクワクしますね。
でもさりげなく出てきた名前が、他の作品の登場人物だったりして、これは、このようなサイトがないと覚えておくの不可能です、私には。

うっかり、見落としまくってしまいそうです。(笑)すごすぎる!
Posted by じゃじゃまま at 2007年07月05日 12:08
 こんばんは♪

 「ポテチ」、よかったですね。
 今村が母親に対して思う言葉、あそこは私も胸がギューっとなりました。
 実の親子な私でさえ、親に対して「こんな娘でごめん」って思うことがあるんですから、それがああいう事情ならなおさら・・・。
 そう思うとたまりませんでした。

 今村母はじめ、あのメンバーにまた会いたいですよね♪
Posted by miyukichi at 2007年09月16日 20:02
miyukichiさんへ
「ポテチ」は本当によかったですね〜。これで伊坂作品決定打になって、「ラッシュライフ」でめでたく今村と黒澤さんと再会できたんですけど、是非是非彼らにまた会いたいですね。

伊坂さんのことだからきっとどこかの作品に現れてくれますよね。
Posted by じゃじゃまま at 2007年09月17日 15:09
初めて伊坂さんの短編を読みました。
一番「ポテチ」が面白かったですね。
それと民族学のミステリには驚きました。
Posted by しんちゃん at 2008年01月20日 13:08
しんちゃんへ
民俗学、もうすっかり忘れてしまいました。
「ポテチ」が一番好きで、それしか覚えてない。(爆)どこかであの母子と彼女に再会、期待しちゃいますね。
Posted by じゃじゃまま at 2008年01月22日 21:39
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