2007年11月01日

千年樹 荻原浩著。

どなたかのブログでよさそうな感触を得たので借りてみました。
うんうん、結構好き。冒頭の、部下?の謀反によってアキレス腱を切られ、妻子と共に山中に置き去りにされた国司、公惟。幼子を背負い、せめてこの子だけでも、とその思い虚しくくすの木の下で息途絶えた。
そして何百年もの時を経て、その木の下でいじめを苦に自殺しようとしてた少年、星。どこからか幼子が出てきて、最初は自殺を止めようとしてるのかと思ったら、早く死ねと、そう願ってるのだと気づいた時のあのぞぞぞ〜〜〜とした恐怖。
ちょっとこの先読むのが怖くなったけど、冒頭の3人の無念が木に宿ったのか、時を前後しながら語られる、千年もの間に繰り広げられてきた物語。そしていつの時代にも、この巨樹くすの木がそばにあった。

ちょっと怖いよ、これ。
戦時中くすの木の下で、幼子が呼ぶから行ってみたら爆撃に当ったり、怨念ですかね〜。ちっともいいことなくて、ちっとも守ってくれない。やっぱり残念無念の思いが、呼ぶんですかね。

これは別に生まれ変わってるわけじゃないのか。みんなそれぞれ別の人か。同じ章で語られる過去と現在の繋がり。これは意味があったのか?
道に迷ってことりの里・郷土史料館に入った家族の娘はどうなったの?あれは、遠い昔ことりの木の近くの池に望まれなかった赤子を静めてた話と、連れ子同士で結婚した夫婦に新しい命の誕生と、をいいたかっただけで、娘は別に行方不明になったわけじゃない?

その辺の締めくくり方、想像力を逞しくしろよって感じで、それがいいのかもしれないけど、どうせならはっきり書いてくれた方が楽なのに。
ぞぞぞ感と悲哀感がなかなか好きな作品でした。

posted by じゃじゃまま at 23:33| Comment(7) | TrackBack(5) | 荻原浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
むかしの人たちの壮絶な生き様の数々が強烈でした。
じっと見ているだけの樹に、怖さもありましたね。
Posted by 藍色 at 2007年11月02日 00:35
書き忘れ…(恥)。
「空の中」もお待ちしています。
Posted by 藍色 at 2007年11月02日 01:19
古から同じ場所にあり続けた「くす」だけが知っていることが、たくさんたくさんあるのでしょうね。
現在(いま)にしか生きられない人間たちは、何も知らずにいるけれど
いま立っているこの足元の地面の上には、どんな歴史が宿っているのだろう・・・なんてちょっと想ったりもしました。
Posted by ふらっと at 2007年11月02日 07:08
こんばんは。そして、お誕生日おめでとうございます(笑)
お互い、長生きしましょうね(爆)

この本ですが、本当に悲哀感漂う作品でしたよね。
そして、本の中に樹の存在を確かに感じたのは私だけではないはずです!
Posted by ゆう at 2007年11月02日 18:17
はっきり書かれていないから、余計に怖いってことありますよね。
連れ子同士で結婚したあの夫婦の子供の行方、怖い方を想像してゾゾゾっとしちゃいました。
Posted by エビノート at 2007年11月02日 20:56
どの話もラストをキチンと書いてなくて
後はご想像にお任せします…なのが
そして想像できるラストがゾクリでしたね。
私も物語の背景にいつも大きな木が見えていたような気がします。

あら、じゃじゃままさんもゆうさんと同じ誕生日ですか?
実は私の弟も一緒で、前に「ゆうさんの誕生日は忘れません」なんて言ってたのです。
Posted by なな at 2007年11月03日 08:48
藍色さんへ
あの樹になにか邪悪なものを感じてしまったんですけど・・・やはり最初の「萌芽」のあの親子の無念が乗り移っていたのかな〜。
「空の中」もお邪魔してきました。

ふらっとさんへ
樹って魂宿ってそうですよね。そういえば昔旅行した時に山の中に迷い込んだことがあるんです。
あの時に、絶対に山の精?というかこの中にはなにかいる!!ってビンビン感じました。(怖)

ゆうさんへ
本当、お互い長生きしましょう。(笑)
でも昨日家族からはなにも言われず、夜思い出したかのように主人から「そういえば今日誕生日だったね」とついでに思い出され、所詮こんなもんです。(爆)

エビノートさんへ
本当、あの子どもどうしたんでしょう。
でも岸本も結局は生き延びて市長だし、そこまで残酷なようではないんですね。
ケンジが掘り出したあの白骨は誰のだったんでしょうね。

ななさんへ
ご想像にお任せします、っていうところが、悪い方に考えてしまってぞぞぞってしました。
一番最初の稚児装束を来た子どもが足を引っ張って、ってもう〜〜〜想像して本当に怖かったですよ。きっと顔は楽しそうだったんだろうな、と。

そうそう、ゆうさんとは○生日と(恐らく)名前も同じなんですよね。
Posted by じゃじゃまま at 2007年11月03日 14:50
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