大島ワールドはどこか江國ワールドとも似てるんだけど、やっぱりなにか違う。
蕗さんの話を誰かにしたくなる時がある。蕗さんは私=有加の祖母であり、自分たちを捨てた父のお母さん。そこへ、母と共に転がり込み同居生活が始まる。母と蕗さんもまた、父と出会う前からの知り合いで、嫁姑とは違う。
蕗さんは元有名舞台女優で、母も元モデルと舞台監督の夫妻の娘。蕗さんの周りには、個性豊かな人々が集まる。ミラさん、一松さん、田幡さん、蕗さんの代わりに母親をしてた時期のある事務所の富樫さん。
みんな、有加や有加の母のぶちゃんを大事にし、のぶちゃんの元夫で有加の父で、蕗さんの息子の舟ちゃんも愛してる。
これは彼らの生きた証であり、有加の一部だった時間のお話。
これが、江國ワールドなら、舟ちゃんがどれほどのぶちゃんを愛していたか、それゆえに一緒にはいられなかったことを中心に、二人の愛の物語になったかもしれない。有加とイギリス人の短かった結婚生活を書いたかもしれない。
でも大島ワールドは周囲の人々や家族に焦点を当ててる。
なぜどこか寂しく感じたのか、こんなに魅力のある人々のほとんどが今はもういないことなのかもしれない。
いつか、みんな「やがて目覚めない朝が来る」から。
彼らが今そこにいないこと、胸がシンとする。



大島さん、これが初読みだったので
今までと違った雰囲気だって事が全然わかりませんでした。
タイトル、後から見ると「深いなぁ」と思います。
素敵な物語ですよね。
文芸の仲間入り、と驚いた作品でした。
ななさんと同じく大島さん、これが初読みでした。
繊細な雰囲気が素敵でした。
江國ワールドとの比較、興味深かったです。
それをマイナス要素にしないで
人と人とのプラスのつながりにして描いているので
哀しみや寂しさも、さらさらと流れるような清しさになって
読んでいる間じゅうとても気持ちが好かったです。
この気持ちよさは、大島さんならではですね。でも最近はちょっと寂しくなっちゃう作品が続いてるような気がするので、次は明るく一歩、というのが読みたいです。