2013年10月16日

いちばん長い夜に 乃南アサ著。

《★★★★》


このシリーズもとうとうラスト。
前科者同士の、綾香と芭子。「刑務所」(あそこ)で知り合った二人が、天涯孤独の身同士肩を寄せ合って、谷中でつつましく生き直そうという物語。
綾香には、パン職人になっていつか自分の店を持ちたいという夢があった。
芭子は、とにかくいつ誰かにばれてしまうかも、とビクビクしていた生き方から、ひょんなことから始めたペットの洋服作りが軌道に乗り始め、ようやく夢を持ち始めた・・・。

そんな二人の、決着。

「犬も歩けば」・・・ 芭子が老舗和菓子屋の新妻からペットの洋服を注文されたことから始まる、家族間のバトル。老舗和菓子屋の三男夫婦は、なにかと親や長男夫婦と折り合いが悪く、ペットを勝手に捨てられてとうとうバトルはいくところまで行ってしまった!!

「銀杏日和」・・・ 芭子のご近所の老人を助けたことから、綾香とその老人との間に交流ができた。その老人からごみ屋敷の話を聞いた綾香は、少しでも役に立ちたいとごみ捨てを買って出るが、なんとそのごみ屋敷の住人は、どうやら綾香に想いを寄せているらしいお店のお客さんだった。これがなんとも好きになれない変なおじさんで・・・。きっぱり断る綾香のセリフの中に、綾香の一人で生きていくという決意を感じ取った芭子は、寂しい気持ちになる。

「その日にかぎって」・・・ 家庭内暴力の末に、我が子の命を守るために元夫を殺害した綾香。その罪を背負い、たった一人で生きていく決意をしている綾香のために、なんとか生まれてすぐ手放した子供の行方を捜したいと思い立った芭子。
綾香に内緒で、綾香の故郷仙台で消息を辿る。人の傷をかき回すことになりそうで、ちょっと嫌悪感もあったけど、どうやら綾香の子供は海外に養子に出されたらしい。
芭子がなんとか探り当てた消息、その日は2011年3月11日だった。そう、その日は東日本を、東北を、巨大地震が襲った日だった。綾香に内緒で仙台に来た、その日にかぎって・・・。

「いちばん長い夜」・・・ 綾香に内緒で芭子が仙台に来た日。それは東日本大震災の日だった。なんのつてもない仙台の地で、芭子は、心配しているであろう綾香やセキセイインコのぽっちのために、なんとしても谷中に帰りたかった。
ようやく繋がった電話で、芭子が無意識に押したナンバーは実家だった。罪を犯してから初めて聞く母の声。どんなに天涯孤独と分かっていても、忘れられないんだな。
そんな芭子と、偶然行きの新幹線の中で隣に座っていた男性が再会し、二人で東京を目指す。

「その扉を開けて」・・・ あの大震災を被災地で受けてしまった芭子と、仙台で偶然出会った南君は、その後も連絡を取り合っていた。
綾香は、自分の故郷が被害を受け、自分のできることをしたいと、何度も何度も被災地に自分で作ったパンを差し入れに行っていた。
ある日、芭子は南君が弁護士であることを知る。それは、かつて昏睡強盗をして逮捕され、7年の実刑を受けた芭子にとって、一番会いたくない、一番知られたくない相手だった。それでも気持ちはもう止められない。あれだけ隠し通して、いつかばれたらとビクビクしていた芭子にとって、打ち明けなければいけない最初の相手が、よりによって弁護士なんて。
打ち明け、そのまま泣き明かした芭子の元へ、派出所の高木巡査が「綾香が喧嘩をしている」と飛び込んでくる。なんと、その隣には、昨日別れたままの姿の南君が立っていた。

綾香は、勤めるパン屋でとうとう堪忍袋の緒が切れ、ぶちぎれていた。いつもいつも雑用を押し付け、馬鹿にしてきた年下の先輩職人と、被災地のことで言い合いになっていたのだ。
そう、綾香という人間は、いつでも実は我慢しているのだ。どんなに雑用を押し付けられ辛くても、馬鹿にされてもずっと耐えている。だけど、とうとう爆発するとき、こうやって、思っていたことがすべて噴火するのだ。

綾香と芭子、二人の人生の分かれ道だった。

「こころの振り子」・・・ 正直、今までこのシリーズってそんなに好きじゃなかった。罪を犯した者同士が、こそこそと地域に隠れながら生きている。綾香はすぐに「あそこ」での話をしたがるし、その無神経さに何度苛々したことか。元夫を殺害した罪で服役した綾香と、ホストに貢ぐお金欲しさに昏睡強盗をした芭子が、いつまで肩寄せ合って生きていけるのか。
かたや殺人犯、かたやまだ若い女の子。どちらかというと芭子に早くやり直して欲しかったんだけど、「いちばん長い夜に」の二人は、初めて好感や理解ができた。

綾香には綾香なりの強い決意があって、なにも都合よくこの先も暮らしていこう、なんて甘い気持ちは微塵もなかった。
そんなことに今まで気付かなくてごめんね、綾香。

そして、南君との出会いによって、決して南君のせいじゃないけど、二人は納まるべきところに納まったかなと思う。
芭子は、これからまだまだやり直しのきく若さを持っている。いつまでも綾香と共にではなく、彼女はもう一度人生をやり直すべきなんだ。

綾香も、私が感じていたようなお調子者ではなく、強い信念と決意を持っていた。故郷が受けた傷。そのために、綾香はすべてを打ち明け、受け入れてくれた気仙沼のパン屋さんで修業をするために旅立っていった。

ふさわしい二人の門出ではないだろうか。







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2011年10月26日

地のはてから 乃南アサ著。

≪★★★☆≫

夫に服従しなければならなかった時代。耐えながらも過酷な時代を生き抜いた女性の物語。

夫の夢物語に振り回され、挙句、幼い直一ととわを抱え北海道開拓団の一員として、故郷を夜逃げ同然で捨てたつね、作四郎夫婦。
想像以上に自然の厳しい北海道で、開拓など思いのままにいかない地を諦め去っていく家族が増える。
元々根を詰めて働くことなどできない作四郎が、酒と女に溺れ、そのまま帰らぬ人となった。
子供二人抱え、それでもここで生きていくしかないつね。

新たに嫁いだ栗林家には先妻の子供が三人。そこに加わった直一ととわ。
つねに、「我慢しなさい」と言われたとわは新しい家族に耐える。
養父が火事で死に、とわは幼いながらも奉公に出ることになる。そこは栗林の家よりははるかに住みやすく、毎日忙しく働きながら、とわは成長していく。

心に決めた人がいながらも、親の決めた相手と結婚するとわ。夫の松二郎は真面目だが、向上心がない。
そして戦争が起こり、とわの家族や実家の人生を狂わしていく。

戦争が起こっても、とわたちの生活は営まれていく。そうして生きていかなければならない。
なんと運命とは非情なものなのか。人生とは思い描いたようにはいかず、思わぬことも起こる。その中で生きるための最善の道を、知恵を絞って頭をこらして考え掴み取っていかなくてはいけない。

でもそれさえも、自分では選べないことも多々ある。
大正、昭和と、男たちに従いながらも、強く逞しい女の物語であった。

つね、とわ母娘は、夫運がないのか。それともみんなああいうものなのか。
どうしようもない男でも、威張り散らしていられた時代、とわやつねたちにとっては災難だよね。

作四郎にはイライラしっぱなし。いつの時代にもいるんだね、ああいうろくでなしが。
松二郎も、がっかりだったけど、もしやとわの心が別にあることを察していたのなら彼も憐れだけどね。
とわの小樽の奉公時代の話は好きだったな。

男に苦労した女たちの二代記ってとこ?
開拓にもっともっとページを割いてたら、鬱々としちゃって辛かったかも。移民の辛さを描きつつ、時代を生き抜く女たちの物語だったので、決してハッピーエンドとかそういう話ではないけど、よしっ!って決意のできる本だった。

なにに決意するかはそれぞれだけど。





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2011年05月01日

禁猟区 乃南アサ著。

≪★★★≫

警察官も一人の人間である。
人間であるがゆえに、欲望もある、間違いもある。だけど、一人の人間である前に、警察官でなければいけない。警察官であるがゆえに、許されない欲望、間違い。

うまくやっているつもりでも、どこかでボロが出る。そこでやめておけばいいのに、つい欲が出る。
分かってはいたけれど、これくらいならいいか、と自分に負けた刑事もいる。
分かってはいたけれど、自分の信念のために、禁を破った刑事もいる。

彼らを調査し、処罰するのが監察官である。

「禁猟区」 ホストにハマってしまっただけにとどまらず、職権乱用でお金を巻き上げてしまった警察官。

「免疫力」 我が子の難病が治り、よかれと思ってその薬を困っているヤクザに紹介した刑事。これでヤクザが足を洗うきっけにでもなれば、その期待はもろくも崩れた。

「秋霖」 コイツが絶対犯人だ。その刑事は確信を持っていた。だけど証拠がない。そのために刑事は禁を破り、彼が処罰を受けた時、犯人は捕まった。

「見つめないで」 監察官の沼尻の住むマンションに、ストーカーから嫌がらせが続く。犯人は昔付き合っていた元刑事か。相談に乗ってくれる先輩警察官。同じ監察官の仲間たちが真相を暴く。

警察官だって人間だもんね、って言葉では済まされない職業。絶対に踏み外してはいけない道。
最終話の「見つめないで」が、監察官の人たちの温かさを感じられてよかった。

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2010年12月09日

自白 刑事・土門功太朗 乃南アサ著。

≪★★≫

不倫の末に愛人を殺した男。−「アメリカ淵」
夫殺害の共犯を、道行く男に頼んだ女。−「渋うちわ」
カップルで強盗を繰り返し、張り込んだ先では女の直感で逃げられてしまったが、とうとう追いつめた−「また逢う日まで」
タクシー運転手の死体が見つかった。事件か自殺か。−「どんぶり捜査」

昭和の刑事、土門功太朗が扱った事件。

どうして設定が昭和なのか、よく分からなかったんだけど。
いわゆる刑事の勘とコツコツと足で歩き回って事件を捜査する、そういう昭和の刑事ってやつを書きたかったってことかな。


posted by じゃじゃまま at 15:59| 神奈川 ☀| Comment(3) | TrackBack(2) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月12日

すれ違う背中を 乃南アサ著。

≪★★★≫

「いつか陽のあたる場所で」の続編。
芭子と綾香は人には言えない場所で知り合った。それは「塀の中」。
自分たちの犯した罪に、悔やんでも悔やみきれない後悔に、押し潰されそうになったり、過去に怯えたりしながらも、それでも前を向いて生き直していこうとする二人。

そんな二人が暮らす下町、谷中で、二人が巻き込まれたり遭遇したりするドタバタ物語。

「梅雨の晴れ間に」 綾香が商店会の福引で当てた大阪旅行。誰も知る人のいない大阪。過去を知るはずもない場所で、はしゃぐ二人だが、偶然にも綾香の高校時代の同級生に会ってしまった。どうやら昔綾香は彼のことを好きだったらしい。
油断していた綾香に、放たれた言葉。「帰って、くんな。」その言葉の意味は大きい。

「毛糸玉を買って」 いまだ自分の未来の見えない芭子。家族とも縁を切られ、これから一人で自立していかなければならないのに、綾香を違って、今ひとつ活力の出なかった芭子だったが、ペットショップでバイトを始め、そこでペット用の服を作ることになり、それが芭子の一歩に繋がりそう。「駆け込み交番」の聖大や、ご近所のストーカー事件に、と谷中の町は賑やかだ。

「かぜのひと」 綾香が挨拶を交わす近所の男性。その男性と芭子をなんとかくっつけようとする綾香だが、なんと!その男性の正体は、絶対に二人が近づいちゃいけない相手だった。
過去に犯罪歴を持つ女性が、今後どんな出会いをして、どんな幸せを掴めるのか、考えさせられた。

「コスモスのゆくえ」 二人がよく行く小料理屋に、バイトの女性が入った。それが縁で親しくなった三人だが、まゆみはどこか無遠慮で、図々しくて、懲りない女性だった。
そしてまゆみは、夫に暴力を受けていた。同じ過去を持つ綾香は、まゆみを諭そうとするが通じない。そして、懲りないまゆみの行く末は・・・。

軽い気持ちで罪を犯してしまった芭子。謝れば許してもらえると思っていた。
だけど、犯罪を犯すということは、逮捕されるということは、こんなにも大きな代償を払うんだ。芭子の、謝れば・・・って考え、そしてそれがおおいに甘かったということ、分かる気がする。
まゆみは、本当に懲りない女だよね〜。こういう図太い奴いるいる。寄らないに越したことはないね。

セキセイインコが飼いたくなった。






posted by じゃじゃまま at 10:51| 神奈川 ☀| Comment(4) | TrackBack(2) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月02日

ニサッタ、ニサッタ 乃南アサ著。

≪★★★≫
どん詰まりでやる気のない青年の、明日への一歩を踏み出すまでの成長物語。
就職した会社も上司が気に入らないと言って辞めたのが、そもそもの始まりだったのか。
北海道から上京し、大学卒業後就職しても続かない。やっと見つけた会社も夜逃げされ、途方に暮れながらも派遣社員になるが、なにかが違うといっては辞める。
派遣先の進学塾も、インフルエンザが原因でクビになり、パチンコで当てた金は出会った女に奪われる。
実家は頼れず、借金まみれになったところを、住み込みの新聞配達員として拾われる。

でもそこは、本当にもうどん底。

ロクな人間がいない中、耕平は一体自分の人生はどこで間違ったのかと考える。
どこまで遡っても後悔ばかりの人生で、生まれてこなければよかったのかと、そこまで思ってしまう。

そんな中、新聞販売店である事件が起こり、耕平は東京に見切りをつけ故郷に戻る決意をする。
どん底まで来たんだ、これからはどんなことでもする、頑張るんだ、と耕平は一歩を踏み出す。

ところが、そこでも耕平は同じことの繰り返し。頑張っていても、結局同じところで躓いてしまう。
それはいったい、なんなのか。

販売店で出会った一人ぼっちの少女杏菜、苦労し続けてきた耕平の祖母、父親に出奔された母親、どこで人生を間違えたのか、それでも明日への歩みを止めることはない女たち。

耕平も明日へ踏み出す、その日までの物語。

すごくすごく分かることばかり。
耕平が、人のせいにしたり、環境のせいにしてみたり、運のなさを嘆いて、どこからが間違ってのか、なんてウジウジするところも、イラッとくるんだけど、でも分かるな〜。

そうやって同じ過ちを繰り返しながら、なんでだろう、どうしてだろうって、ようやく骨身に染みる、そんなところがすごく分かる。

杏菜がもっと好みの子だったら肩入れできたんだろうけど、そこは残念。
同じ再生の物語としては「しゃぼん玉」の方が好きかな。

posted by じゃじゃまま at 21:56| 🌁| Comment(3) | TrackBack(1) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月12日

犯意 その罪の読み取り方 乃南アサ著。

≪★☆≫
12の犯罪と、その罪状、罪名の解説付き。
まさにタイトル通り、その罪の読み取り方なのである。
「夢の結末」 強盗と放火。

「隣人の妻」 威力業務妨害と殺人未遂罪。

「八の字眉」 正当防衛の範囲と過失致死。

「アーユーハッピー」 共犯者の種類。

「ひと夜の転落」 強盗強姦罪。

「なりすまし」 強盗殺人罪と死体遺棄罪。

「泣いてばかりの未来」 児童虐待。

「あいつの正体」 ストーカー。

「パパは死んでない」 病気治療を信じた殺人か。

「ご臨終です」 安楽死。

「逃げたい」 ドメスティック・バイオレンス。

「その日にかぎって」 放火犯はいったい誰?

物語とは違って、犯人が犯行に至った経緯、または「その日にかぎって」のように、火の手のないところから火が上がり家が燃え、父親が死んでしまった。警察は、娘の婚約者が容疑者となったが、証拠は弱い。真実は?
というように、一部始終が書かれているわけではない。なので、物語として読んでしまうと、非常に消化不良な気持ちになってしまう。
この私がそうだから。

最初に書いたけど、そうなんだよね。その罪の読み取り方、だから、登場人物たちのその後や、その周囲の気持ちなど書いてないので、物語を読みたかった私には不満の残る一冊でした。
タイトルで気づけよ・・・。


posted by じゃじゃまま at 13:25| ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月31日

ウツボカズラの夢 乃南アサ著。

≪★★★☆≫

星四つでもいいけど、半分にしたのは主人公の未芙由には反吐が出そうだから。
実母を亡くし、父が若い女と再婚したことによって居場所を失った未芙由が、一度も会ったことのない母の従姉妹の尚子を頼り、長野から渋谷(恐らく松涛だね)の尚子の家を訪ねる。
そこは立派なお屋敷で、あまり裕福ではない未芙由にとっては信じられない光景。
ところが尚子自身、未芙由が来ることを忘れていたり、尚子の夫の両親であろう姑たちとは仲が悪いようだ。他人には干渉しない、身勝手な人間の集合体。

ここで未芙由を待ち受ける運命とは??

と想像してたけど、違う方向に行った。
尚子は別に嫌な人ではなかったが、尚子の夫・雄太郎には愛人がいるし、長女の美緒は高校一年生で妊娠中絶、元同級生の男の子は濡れ衣を着せられるし、長男の隆平は世間知らずのボンボンだし。
出てくる人間にロクな奴はいない。

で、主人公未芙由。
最初は田舎者が逆境、苦境にもめげずに幸せを掴む話かと思ってたら、幸せを掴むには掴むけど、こいつだけは幸せにはなって欲しくない!と最後は思ってしまう女だった。

まずなにが嫌いって、金持ちの家に来て、手放したくなくなった未芙由の気持ちは分かるには分かるけど、努力(まっとうな)ってもんをしないよね。勉強は好きじゃない、自立しようともしない、で、底意地が悪い。人の不幸大好き。
ロクなもんじゃない者同士がくっついたんだからいいんだろうけど、ズコ〜ンと不幸になって欲しかった。

それにしても最初の雄太郎の愛人やら、尚子の不倫やら、あまり関係のなかった人物の話や、展開が急だったりと随分忙しい物語だった。

ウツボカズラって、未芙由のことなのかな?


posted by じゃじゃまま at 22:57| ☔| Comment(3) | TrackBack(2) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月23日

いつか陽のあたる場所で 乃南アサ著。

じゃじゃ〜〜ん、出ました、乃南アサ氏の新刊。そしてサプライズなゲスト!?
タイトルの「いつか陽のあたる場所で」ってところからして、芭子と綾香の過去は想像つきつつも、まさかと思ったら、本当だった。
東京・下町、谷中ってところは、隣の家のこともよく知っていて、煮物が余ればおすそ分け、人情とは聞こえはいいけど、噂話も大好きで、世間様から隠れていたい芭子には少々鬱陶しい。

過去に犯した罪の意識に押し潰されて、前を見るのが怖い芭子と、過去は過去、これからの前をしっかりと見ている綾香。二人が対照的で、私は綾香の前向きさが逆に鬱陶しかったりしたんだけど、実は綾香だって苦労してるんだって気付いて、泣いちゃった。
綾香は犯した罪を無駄にしないためにも、これからを一生懸命生きていくんだな、なんだかそれはそれですごいことなんだな。

芭子は、家族へ何度も「ごめんなさい」と手紙を書いたけど、無視され誰も面会に来なかった。そしてたった一人で出直すことを余儀なくされた。分かっていても、許してもらえなくても、心のどこかで家族の元へと帰りたい芭子の気持ちが、木っ端微塵になった時、泣けた。
そうか、家族って、親の存在ってこんなに大きいんだな。
でも、向かいに住む大石老夫妻の存在が、だんだん芭子の閉ざした心を開いてくれたり、落ち込んでる時に背中を押してくれる存在だったりと、ここは本当に温かい。

これは芭子と綾香のシリーズだよね。「ボクの町」「駆け込み交番」シリーズじゃないよね?
非常にうれしいサプライズゲストで、今後どんな展開になるのか、家族との和解があるのか、二人の過去がどこまで守られるか、大石のおじいちゃんがなにか大きな存在となって助けてくれるような、楽しみどころ満載で、続編が待ち遠しい。でも聖大はやっぱり失恋だろうな。
posted by じゃじゃまま at 22:50| Comment(4) | TrackBack(1) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月04日

風の墓碑銘 乃南アサ著。

久しぶり!音道刑事!どうしても音道が私の中では天海祐希になるんだよね。かなり昔ドラマで音道=天海さんだったのが忘れられない。
解体作業を行う土地から発見された白骨死体は一体誰なのか?鍵を握るのは、家主でもある今川という老人。
当時、一体誰がそこに住んでいたのか?その今川老人は、痴呆症で施設に入っていた。聞き出すことができるのか?そして、今川老人が撲殺された。
一体誰が?なんのために?白骨死体と関係あるのか?

中盤まで長く感じて、3〜4日かけてしまった。白骨死体と、登場してくる人物たちの繋がりがイマイチで、関係あるの?意味あるの?と思いながら読んでいたけど、中盤、それらがすべて繋がってきて、一気に加速。
非行・犯罪を繰り返していた青年がなぜ更生したのか、そのきっかけは?
そしてそのきっかけとなった幼少時代の悲惨な事件、その事件がすべての発端だった。
それを思うとき、切なくて苦しくなった。青年の幸せな未来を奪った事件、それがなければ非行に走ることもなく、彼に幸せな家族を返してあげて!!と叫ばずにはいられない。
真犯人が、なぜ青年家族までを狙うのかはちょっと説得力には欠けるけど、切迫感はあった。

音道と滝沢の仲の悪さ?にはヒヤヒヤしちゃうけど、刑事同士の人間関係も読ませてくれるし、音道を裏切り者呼ばわりした同僚警官に最後滝沢が放った言葉は溜飲が下がったな〜。
音道の恋愛とか人間関係もそれなりに読んだけど、長尾の背負った人生を思うと、そっちに今回は関心がいって、切なくなる。

posted by じゃじゃまま at 16:34| Comment(6) | TrackBack(5) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月07日

5年目の魔女 乃南アサ著。

いやぁ〜、怖かったです!いつもなら、ラストを先読みしちゃう悪いクセがあるんですけど(堪え性がなくてすみません)、これは先が知りたい!と思いつつ、我慢しました!読んでいてあまりにもゾクゾクしてしまって、このゾクゾク感を壊すのは勿体無かったので、最後まで堪えました。

会社の同僚の不倫によって、自分まで巻き添えになり、あんな女と友だちでさえなかったなら・・・挙句にあの女によりあらゆる濡れ衣を着せられ、会社を去る羽目になった景子。
5年の歳月が去ったのち、なぜか景子は貴世美が気になり行方を捜す。それと平行して貴世美の息遣いを感じ、影に怯える羽目になる。

あのまま捜さなければよかった!なぜ、また影に怯えなければならないのか!
でもそれは景子の思い過ごしだったのだ。あらゆる意味で。
所詮逃げることなどできなかった。貴世美には到底敵うはずがない、景子の絶望。

ずっと最後まで景子は、5年前の貴世美の錯乱した電話により縁が切れていたと思っていた。そう信じていた。
終盤の

あの日、景子はもう少しのところで、電話口で叫びそうになった。

この一文に、私の心臓は早鐘のごとく、音を立てていた。なに?まさか?

それまで景子とともに怯え、なんとか景子を逃れさせてあげたい!と思っていたけど、ラストで、景子を見放すことになろうとは。
貴世美は確かに魔性の女だけど、その魔性の女を相手に、景子の犯した罪は、あまりにも愚か過ぎて、逆に私は景子とともに感じていた恐怖から逃れることができたのは、皮肉。

posted by じゃじゃまま at 13:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月18日

夜離れ(よがれ) 乃南アサ著。

6つの女性の悲しい性。
「4℃の恋」 自分の恋の成就のためにどうしても祖父の死亡時期を遅らせたい看護士の晶世。遺体を元恋人を利用して数日間冷蔵庫に入れてもらい、元恋人の子を身ごもりながら、新たな恋人医師と二人がハワイへと向かうところで話は終わるが、元恋人が祖父の遺体を冷蔵庫に入れた日と、二人がハワイに旅立ったことを結びつけ、晶世の計算を見抜き、すべてパアになるオチをつけたい。

「祝辞」 自分の妹分のように可愛がっていた親友、でも実は自分よりも幸せな結婚をすることに激しい嫉妬をしていた。なぜなら、その親友は男にだらしなく、幸せになるのは自分のような女だろずっと信じていたから。スピーチでかつてのことをばらしてしまう朋子。
きっとその後の披露宴は大パニックだっただろうな。
そこで一つ、新郎の敦行も朋子が夜這いをしてきた事実をばらしちゃったらどうだろう?嫉妬に狂った女のすることは、怖いね。

「青い夜の底で」 これは熱狂的ファンが要はストーカーに変わったお話ですね。多分そうだろうと思っていたけど。数年前に抱かれた、って言うのも妄想?で、私はこういう大勘違い女を発見するたびに、この先の物語は五十嵐貴久氏の「リカ」を思い出す。
この先、この元アイドルは「私」と死闘を繰り広げる。深夜ドアがかちゃりと開いて「私」が入ってくる。う〜〜ん、怖い!!とこれは「リカ」の話だけど。

「髪」 髪に命をかけてる女芙沙子。この話が書かれた頃はロングヘアが流行りだったのだろうか。朋子と同じで、自分よりも下に見ていた同僚が美しくなったとき、嫉妬に狂う。ストレートヘアへの執着が、馬鹿馬鹿しくもあり哀れ。芙沙子の妹が呟いた「顔を、カバー」。まさしく!髪型は顔をカバーするからね。特にロングヘアっていうのはブス隠し、なんて私たちもかつては言っていた。
美しくなった同僚の髪を燃やしてしまう芙沙子。で話は終わったけど、芙沙子の悪事がばれないよね〜。髪も、あんなに自慢してるけど所詮地毛じゃないんだよ〜ん、ってことがばらされないとね。芙沙子が孤立していく様が見たかった。

「枕香」 恋人の枕に違う香りがついていたことにより、別の女性の存在を疑う恭子。疑惑は確信に変わり、恋人と共に過ごしながら台所の包丁が光っている。
この後恭子はどうしたのか。疑惑を思い込みにより確信にしてしまったのは恭子。嫉妬に狂った女は、自分の導いた答えには疑いを持たない。
その結果恭子は凶行に及び、しかもその後で勘違いでした、なんてのは後味悪そうでよくないですか?でも、ありがちか。

「夜離れ」 ホステスになった比沙子。でもこんなはずじゃなかった、の連続で、今度は安定した生活と幸せを手に入れるためにOLになった。でも所詮夜でおいしい思いをしてきた女が、しがないOLで満足できるわけないんだよね。常に流されてきた比沙子には、強い意志がないんだよ。
もういいじゃん。結局夜の世界に戻った比沙子は、このまま同じこと繰り返せば。
寄ってくる男の甘い言葉に(いけないいけない。男のセリフは寝るためだけよ)なんて思いながらも(今度こそは本気かも?)と期待してまた捨てられる。そして40代?にお世話になったママからお店でも譲り受けて見たら?

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2006年08月17日

暗鬼 乃南アサ著。

一気に読んでしまった。乃南アサ氏の作品すべて読んだつもりだったのに、ポロポロ抜けてた。
10年以上も前に書かれたので、古臭さを感じるかな、と思ったけど、いやいやそんなことはなかった。
米穀店の元へ嫁いだ法子。そこは資産家で、大家族だった。一見玉の輿に見えるがそんな大家族のところへ娘を嫁がせることを危惧する母。法子は和人に惚れてしまったのだ。母を説き伏せ、法子は和人の元へ、大家族の一員になった。
和人の実家は、みんなが絵に描いたようにいい人たちばかり。そんなある日、近所の一家が心中事件を起こす。その事件をきっかけに法子は、幸せに思えた生活に疑惑を感じる。

そうなんですよ。法子はある日、自分を除く家族が夜な夜な集まって密談していることに気付いちゃうんです。気付かなきゃよかったのか?でも法子はもうあの家族の一員として抜け出せない運命にあったんだよね。
そもそも疑惑を持った時点で、もう少し考えて行動しろよ!と、まるでサスペンスドラマの筋書き通りに、法子はうっかりミスばかり。
もう少しさ〜、計算して行動すればいいのに、疑惑を顔に出し、言葉に出し、もうなんてバカなの!!なにも告げずに実家に逃げればいいのに、とこっちは思うんだけど、法子は和人に惚れてるんだもんね〜。捨てられるわけないんだよね、この幸せな生活を。

この一族に隠された秘密っていうのは、おぞましいことなんだよね。自分たちは血筋を信じてるからこそできることなんだろうけど。
でも一族に隠されたあの商売(?)とあのおぞましい儀式は、なんの関係があるんだろう?あの儀式いらなくない?やっぱり狂っちゃったのかね〜。

でも最後まで、真相とは?秘密とは?と一気に読めました。
posted by じゃじゃまま at 16:29| Comment(2) | TrackBack(1) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月28日

駆け込み交番 乃南アサ著。

「ボクの町」の高木聖大の続編。
でも今回は、新人警察官のドタバタ騒動記というより、「とどろきセブン」の活躍の方が主だったりして。

「とどろきセブン」とは高木が勤める交番の地域にいるお年寄りたち。見かけはただの老人だけど、実はプロのシェフだったり、元棟梁、元電気屋、元植木屋で今はご隠居、看板書きだけど占い師、マドンナ文恵さんに、幼なじみのナヲは知恵袋で漬物その他なんでもござれ、それぞれただの老人ではないのである。

そして、今回は「とどろきセブン」を中心に、高木は実は使われてるだけなんだけど、世の中のこと少しでもよくしようと、出来ることを一生懸命している7人なのである。

短編といえども一話一話それなりの重量感があって、文恵さんのご主人の死の真相が最終章で明らかになったり、きちんとオチがついている。

まだまだ「とどろきセブン」の話は続くのだろうか。それとも次回作は高木聖大がまたどこかへ移動になって、そこで成長していくお話になるのだろうか。
でもせっかくここまで揃った「とどろきセブン」がこのまま終わりじゃ、ちょっと勿体無いかもね。次回は三浦君にも再会したいもんだわ。



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駆けこみ交番
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2006年01月24日

ボクの町 乃南アサ著。

最高、最高!
新人警察官、聖大君の成長物語、全然堅苦しくなくて、その辺の若者がちょいと気まぐれで警察官になっちゃった、ってなもんで、今まで読んだことのある警察官の小説とは全然違う。
こんな適当な奴に、税金払われてるのか!と思うとちょっとムカッともくるけど、実際、堅物ばかりじゃなく、本当にいるのかも、こんな奴。

休みの日はピアスしてるし、警察手帖に元カノのプリクラ貼ってるし、お巡りさんになって実はちょっと偉そうにしたかったりする聖大。
やる気なんてなくて、同期の三浦君はエリート君なのに、嫉妬だけは一人前で、やなことあると「やめちゃおうかな〜。合ってないような気がするし〜」。そのくせ、110番オタクの若者には「ちゃんと生きろ」なんて説教するし。
でも実は自分が一番居場所ないんだよね。

警察官になって見返してやろうと思ってた元カノは、すっかり聖大のことなんて忘れて、学生時代の仲間と付き合ってるし、そのショックをず〜〜〜〜っと引きずって仕事してる姿に、妙に親近感沸いちゃった。
お巡りさんも人間だもんね、なんて分かりきってることなのに、なんだかね。

そんな聖大が、三浦君の容疑者追跡中の事故から、仲間・組織への忠誠??が芽生えて、婦人警官の小桜まひるのリードによって犯人逮捕までの心の成長が、とっても自然。
そう、聖大って本当は警察官になりたかったんだよ、向いてるんだよ。

爽快な気分で読み終えて、ああ、また聖大に会いたいなって思ってたら、なんと!!新作「駆け込み交番」でまた会えるんだよね!!すっごい楽しみ!

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ボクの町
posted by じゃじゃまま at 21:40| Comment(0) | TrackBack(1) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

花盗人 乃南アサ著。

≪★★★≫

こわ〜〜〜〜〜い!でもさすがですよね〜。別に作家目指してるわけじゃないですけど、乃南アサ氏の「花盗人」はよくもまあ、こんな結末を思いついたもんだ、と本当にプロは違う!と感激しました。「最後の花束」は、なにかしらありそうだな、と予感はしてたけど、まさかもうすぐ結婚する新婦の方に秘密があったとは。
表題作の「花盗人」も、なにかしらありそうだったけど、冒頭に出てきた電車妨害とヒロインが繋がるとは。
「脱出」が一番斬新???まっさかそんなオチになるとは、とこれが一番唸ったかも。

「愛情弁当」もゾゾッとするし、だってお弁当に刻まれた死体入ってたらって想像しただけで、気持ち悪いし、そんな人が立派な料理屋やってるなんて、嫌だ。
「今夜も笑ってる」も、物悲しい。坂の上の未亡人の家から聞こえる隠微な笑い声とお父さんの不在、すぐにピンと来ましたね。少女の不安な気持ちがこちらにまで伝染してきて、これからこの少女にどんな現実が待っているのかと思うと辛かったかも。
すべての短編が恐ろしく悲しく、意表をつくラストであっという間に引き込まれました。


posted by じゃじゃまま at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

幸福な朝食 乃南アサ著。

≪★★≫

これがデビュー作なんて。
濃厚な世界だった。志穂子の苦しみも、なんとなく分かる。別に女優目指してた経験があるわけじゃないけど、あと一年早かったら・・・なんていうの、あるもん。

志穂子の場合、類稀な美貌を持っていて、女優としてスポットを浴びるつもりで着々と心の準備を重ねてたところに、不幸があったわけだ。
もしも高校卒業待たずに、もっと早くに実現するために行動を起こしていたら、マリ子と入れ替わっていたかもしれない。きっと自分でもそう何度も後悔したのかもしれない。

世の中そう簡単にいくもんじゃないんだけど、それでも影の世界でよく頑張ったと私は思う。意地、これだってなかなか貫き通せるもんじゃないと思うんだけど。

それにしても志穂子以外の人間は、ちゃっかりしてませんか?広美には驚いた。別に裏方を馬鹿にするわけじゃないけど、人気急上昇?の若手俳優と、人形遣いの見習いが、そうなるもんですかね〜。
しかも結婚まで????

沈黙と引き換えに広美はマリ子に、良助との結婚を約束させたのか?マリ子は殺人未遂を犯したのに、どうやって切り抜けたのだろうか?
血の海にいた志穂子は、どうやって助かったのか?どうもラストの詰めが私には物足りなかったかも。

伊吹の存在は、最初からなにやら救いになるような気がしてたけど・・・どうもあの惨劇(ってほどでもないけど)のその後の真相を知りたい。

posted by じゃじゃまま at 21:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヴァンサンカンまでに 乃南アサ著。

≪★★★≫

いやぁ〜、こういう「誤算」のお話大好きです。
翠ってしたたかで計算ずくと思いきや、ラストの「それほど大人じゃなかったってことか」ってことに集約されますね。
そもそも、自分ではエリートの周囲も羨むいい男をゲットしたと思ってた翠だけど、ドケチだし、実はマザコンだし、典型的な亭主関白っぽいし、しかも女性経験薄!で、翠が初めてだった様子。

そういう男に限って、一度女を知ってしまい、その女が従順だと、調子ずくんだよね〜〜。翠も、カマトト(古っ!)ぶるから、余計恭一郎の馬鹿っぷりに拍車がかかる。
翠も自分が思ってるほど、したたかでも、いい女でもないってことなんだけどね〜。

愛人の荻島も・・・実は会社のお金(バックマージン?)で翠にプレゼントしたり、食事に連れて行ってたわけで、別に小金持ちだったわけでもないんだよね〜。最後は会社にばれて左遷だし。
翠ってつくづく・・・と思いながらも、いけしゃあしゃあと人生すいすい行くような女だったら吐き気だったかも。
こういう誤算のおかげで、同性から(私か?)嫌われずに、愛されるわけで。なんだか親しみが湧くな〜。

posted by じゃじゃまま at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

団欒 乃南アサ著。

≪★★☆≫

こんな家族、いたらやだ〜、の短編集でした。
逆玉の輿に乗ったと思った美術教師が、なにやら妻や妻の家族に誰かと比べられてる自分を感じる、そしてその家族の、なんでも「家族なんだから」と変変変!!そうなる前に逃げ出せばよかったのに。

きれい好きなのか、雑菌嫌いの息子に感化され、娘も妻もだんだんきちきちっとしてないと気が済まなくなってきた家庭。最初に夫の会社の退職金を多く貰うがために寿退社とした女性と、何か関係あるのかと思ったけど、夫の会社関係とかまったく要らないのね。

個人的にはレンタル家族の話と、タイトルにもなってる「団欒」が好きかな。ぼけちゃった爺さんが最後に決めた皮肉の手紙。なかなかやるじゃん!って感じだったし、「団欒」も運の悪い息子が連れてきちゃった女性の死体どうすんのかな〜、それにしても誰一人警察に行こうとか考えず、死体と1〜2日過ごしてても半狂乱になるわけでもなく、変な家族と思いながら読んでたら、最後はパパさんまで便乗して悪いこと考えてたのね〜、と。

posted by じゃじゃまま at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

しゃぼん玉 乃南アサ著。

≪★★★★★≫

一気に読みましたよ。
翔人って本当、最低な奴。自分の弱さを他人のせいばかりにして、ひったくりや強盗、もうこの青年がどこまで落ちていくのだろう、と暗い気持ちで読んでました。
ヒッチハイクして脅して乗せてもらってたのに、うっかり居眠りしちゃって、山深いところで放り出された翔人。
こんな田舎の、素朴な人たちしかいないような村で、この青年は罪を重ねるのか?いつ?とハラハラしてたけど、青年の危うさ、脆さを知っていながら、純な人たちは「ぼう、ぼう」と言って青年を向かい入れる。

どんなに腐った奴でも、期待され、褒められ、大事にされると、こうも変わるんだな、と自分の育児の鏡になるかも。
翔人は、2度ほど、人を殺すかも、の衝動に駆られるけど、そこで踏みとどまるくらい、まだ翔人は腐ってなかった。すでに腐りかけてるみかんだけど、まだ捨てずにいるといった状態のだけど。
そして翔人自身、罪を犯さなかった自分にほっとしている。実は気の小さい奴だったんだ、本当はそんな大きなことできるような奴じゃなかったんだ。やっぱり幼少時代の家庭環境ってとっても大事なんだな、と改めて気付かされました。

人って「駄目だ、どうしようもない奴だ、お前は絶対ロクなもんにならない」と言われると、本当にそのようになってしまうけど、信じてあげることで振り返れる人もいるんだ。
おスマじょうの、馬鹿息子は、本当にもうどうにもならないけど、翔人は大丈夫。
シゲ爺の「落とし前をつけて、やり直せる」って言葉に、翔人は、自分に弾みをつけるために何度も聞き返す。
「まだやり直せる?」「まだあと60年ある。今やり直せなかったらこの先の60年どうするんだ」と。

おスマじょうと「必ず戻ってくるから待っててね」の約束。90歳なのに、おスマじょうは、ぼうが帰ってくるのを楽しみに待つ。3年後のエピローグは、もう胸に暖かいものが溢れ、読んでよかった〜〜〜!!!と感動の涙が1滴落ちました。すっごいよかった!!!

posted by じゃじゃまま at 21:10| Comment(2) | TrackBack(2) | 乃南アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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