2010年11月29日

吸涙鬼−Lovers of Tears 市川拓司著。

≪★☆≫

体が弱くて二十歳まで生きられないと言われてきた「私」。母がそうだったように、この宿命からは逃れられない。
そんな「私」が、町にやって来た美少年の転校生と出会い、大きく運命を変えていく。
まるで【トワイライト】か???って思ってしまった。

違うのは、転校生が美少年の方で、血を吸うヴァンパイヤではなく、涙を吸う進化中の人間ってこと?そして、悲恋ってことかな。
どれもこれもどうしても【トワイライト】がかぶって、そんなつもりじゃないんだろうけど、どうしても比べちゃって、なんでこんな設定にしちゃったのかな〜って不満が残る。

冬馬のおかげで命を与えられた美紗だけど、二人がせっかく惹かれあったのもイマイチ盛り上がりに欠けるし、美紗が生涯の伴侶として選んだ青年もインパクト薄いし、中途半端な物語って感じがしてしまった。
ラストの、美紗の結婚式に、まるで姿の変わっていない彼らがそっと見守るところは「妖怪人間ベム、ベラ、ベロ」を想像してしまう。

posted by じゃじゃまま at 11:53| 神奈川 ☁| Comment(4) | TrackBack(2) | 市川拓司 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月28日

ぼくの手はきみのために 市川拓司著。

≪★★★≫

ああ、そうだよね〜。市川作品は、愛する者が病に冒され、優しさに満ちたファンタジー、私の中ではそういう位置付けなんだよね。
幼なじみのひろと聡美。聡美が原因不明の病に冒されても、ずっと二人はそばにいる。でもそのうちひろの世界も広がり始め、聡美が急に姿を消す。でもひろの、その手は誰のためのもの?

そして、私が一番好きなのは「透明な軌道」。他人との関わりが苦手な心を持つ康生とその息子の充生。真帆は彼らの心を理解し、康生と恋に落ちる。すごく優しく美しい愛。私は康生がいっぺんで好きになり、そんな康生を理解し大事にする真帆も大好き。二人を襲うある出来事の後で、充生の存在も、本当に素晴らしい。充生の真っ直ぐで一途な想いも、涙が出てしまった。
なのに、やはりここでも病が襲うのね!
私は真帆と充生に限りなく優しい時間が流れることを本当に願う。

「黄昏の谷」はこの三編の中で一番映像化して欲しいかも。そうだな〜、「透明な軌道」が江國さんの「きらきらひかる」みたいな不思議な感覚をもたらす感じの映画になるとしたら、「黄昏の谷」はどこか懐かしい、マイナーだけど竹中直人監督の「119」や緒方直人主演の「東京兄妹」だっけか?あんな感じの昭和の香りがぷんぷんしそうな映画に仕上がりそうな気がする。
私は、寛一が長屋で共に暮らす隣人と、縁側で飲みながら語ってるシーンが、すごく懐かしくて切なくて悲しくなった。
posted by じゃじゃまま at 19:05| Comment(6) | TrackBack(5) | 市川拓司 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月13日

世界中が雨だったら 市川拓司著。

今までの市川氏を想像していたので、ミステリなの?とびっくりしてしまった。サスペンスというべき?
もっと温かなしんみりと染みるような恋愛を想像していたので、これって「世にも奇妙な物語」とかなりそうじゃない?
「琥珀の中に」は、学校の男の子の憧れのシンボルというべき女の子が、驚くべき秘密を抱えていて、「ぼく」は選ばれてしまった。
後からたくさんの意味を考えてしまった。「ぼくら」が憧れていたあの少女は、最初、マドンナ的なはかなげな少女なのかな?と思っていたけど、もしかすると、男の子の性的なアイドルだったのかな?とか。
選ばれた「ぼく」も、想像していた子とは違うみたいで、てっきり素敵なカップルを想像してしまっていた。
かなり怖い話といえば怖い話。「仄暗い水の底から」(だっけ?)を途中で思い出してしまって、それも怖い怖い。

「世界中が雨だったら」は、これは悲しかった。家族の愛に飢えていた少年。クラス中から疎まれていた事実。今いじめが問題になっている中で、こんな悲しい選択があっていいのか、と嗚咽してしまった。

「循環不安」、結婚相談所に訪れる男性の身辺で女性が失踪する。なんとなく既視感。男性は、ようやく自分を分かってくれそうな女性に巡り合う。そのためにも隠し通さなければならない事実がある。
ばれるのかと思いきや、どんでん返し。
でも、巡り合ったあの女性の末路も、もしかしたらと想像すると、暗い気持ちになる。

今回は、温かい気持ちになりたくて借りてきたので、あてが外れた感じです。

posted by じゃじゃまま at 09:23| Comment(2) | TrackBack(4) | 市川拓司 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月28日

いま、会いにゆきます 市川拓司著。

大ブームを起こした本、前評判を散々聞いてから読んだせいか、涙腺の準備は万端!全開OK!
・・・でも最初はちっとも泣けなかった。巧がイマイチおマヌケな男に見えて、そもそも物事を覚えていられないって?
部屋が超汚いって?染みのついたシャツを何日も着てるって、一体なによ!こういう男のどこがよかったわけ?
なんて、超不安になっちゃって、そういえば市川氏の作品の中には体の悩みを抱えた人が登場するの多いけど、これは超ズボラ男が主人公なのか??

なんて、まったく筋違いのことを不安に感じながら読んでいたけど、だんだん、意味が分かってきた。
物事を覚えていられないのも、染みがついてても平気(じゃないんだけど)なのも、理由がきちんとあった。やはり体に悩みを抱えていたわけだけど、澪が愛した男性に安心しました。

それをクリアしたら、もうじわじわと感動。タイムスリップも意表をついていましたね。
抱えている悩みのために、澪を遠ざけようとする巧に「大丈夫だから、大丈夫」と言って歩み寄る澪の本心、意味、後で分かる大きさがすごい!

でも、7年後に来てしまった澪と結ばれた巧、ま、いいんだけど、これってある意味すごいよね。「僕の妻だから」ともちろん本人はそう信じていたし、事実そうだったし嘘ではないけど、でも本当はまだ、だったんだよね〜。
そんなこといったら、感動もへったくれもないけど。
そこが一番の感動場所なんだけどね。

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2006年01月24日

そのときは彼によろしく 市川拓司著。

泣いた!
そもそも市川氏を有名にした??「いま、会いにいきます」をいまだに読んでないんだけど、それ以外の氏の作品ほとんど読むに至って、ここまで泣ければ、本番(いま、会いにいきます)は号泣すること間違いなし!

「そのときは彼によろしく」一体誰が誰に向かって言ったセリフなのか、最後に明かされるんだけど、もう泣ける。
智史と花梨、祐司、智史と美咲さん、美咲さんと夏目君、運命なのか、偶然なのか、すごいめぐり合わせで、誰一人として無駄な登場人物がいない、というかすべて意味のある出会い。
泣ける小説なのに、夏目君と美咲さん、そして智史のお父さんの公園での出来事はもう笑った。

でも智史のように一人でいることの強さ、自分の世界を私は本当に羨ましく思う。私も智史のような人生を歩みたかった、そんな強さをもっと早くに気付きたかった。
「恋愛寫真」もよかったけど、私は「そのときは彼によろしく」をずっと心に置いときたいかも。

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弘海 息子が海に還る朝 市川拓司著。

≪★★★★≫

思い切りネタバレしますからね〜〜。
夜中まで読み込んでしまいました。そして泣いて泣いて・・・。でもやられましたね、出だしといい、タイトルといい。
てっきり、病気で子供を亡くした親御さんの日記のようなものかと・・・。

なので読みながら、そのつもりで心の準備もできてたので、ところどころ「弘海のいない空間」を感じるたびに泣いてたのに・・・やられた!
でも結局は、弘海は海へ還ってしまうんですよね、それが我が子がなぜだか選ばれてしまった特別な子供だから。
親の責任でもなく、子供のせいでもなく、人類が進化する過程なのか、はたまた戻る過程なのか?でもなぜゆえに我が子なのか・・・これから我が子はどこへ向かい、どのようになっていくのか、親としては不安だし、悲しいに決まってる。
親の立場で読むと、辛い展開だけど、それは決して弘海が不幸になることではない、エピローグになるまでは全編悲しいトーンだったのが、最後の数ページで一気にトーンアップ!
だけど涙はそう簡単には止まらない。ま、爽やかな涙に変わったかもしれないけど。


posted by じゃじゃまま at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 市川拓司 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

恋愛寫眞 市川拓司著。

≪★★★☆≫

なにやら広末涼子で映画化されたとか。見てないけど。(嫌いだし)
これは現代が舞台のはずなのに、錯覚してしまった。自分達が学生だった頃と。今も昔もキャンパスライフってのは変わってないってことかな?それとも作者自身がその頃の人間だからか。
文中に出てくる誠人が恋する女性みゆきと見に行く映画が「恋しくて」「プリティ・イン・ピンク」、これがまた私達の青春時代の映画で、またもや昭和か平成元年辺りのお話かと思ってしまったよ。でも文中携帯が出てくるし、そこで、現代が舞台か〜、と。

誠人が学食で初めてみゆきと言葉を交わしてから、誠人の頭の上にはみゆきへ向かう矢印が。
誠人が大学へ向かう途中に見かけたちょっと変わった女の子静流の頭の上には、誠人へ向かう矢印が。
でも誠人はずっとみゆきに恋してて、ずっとみゆきだけに憧れて、静流とは男女を越えた友達だったんだけど、いつしか静流が誠人へ矢印を向けていることを知る。
静流もとってもストレートな女の子。片思いを知っていながらジタバタせず、好きな人の好きな人を好きになりたかった、とみゆきと親友になる。
そして・・・みゆきの矢印は誠人へ向かっているんだけど、誠人の矢印はいつしか静流に。いや、みゆきへ向かったままなのかも、みゆきへの矢印とは違うのかも。恋心と、人間愛との差??本当に大切な人は、ラストで明かされる結末。

こんな青春なら送ってみたいよね、大学の仲間たちも、それぞれに矢印を向けてて、でもドロドロとしたものがなく、みんなそれぞれの青春を謳歌してるみたい。学生時代、って本当に可能性が無限で、時間も無限で、私もできることなら大学生(女子大生)になって、男女混合のグループで、好きな人が実はそこにいながらも、バイトしたり、友達と遊び歩いたり、もう一度私も青春時代を過ごしたいな〜。
posted by じゃじゃまま at 21:07| Comment(6) | TrackBack(1) | 市川拓司 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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