2015年05月06日

マスカレード・イブ 東野圭吾著。

《★★★》

「マスカレード・ホテル」をほとんど忘れてしまってるので、なんとも言えないけど、刑事の新田とホテルのフロント、山岸さんの、出会う前のそれぞれの活躍が読めて楽しかった。
この後でもう一度「マスカレード・ホテル」を読んだらまた楽しめるのかもね。

「それぞれの仮面」・・・ ホテルの宿泊客に昔の恋人がやって来た。彼からの突然の頼み。消えた女性を探して欲しい、という。元恋人の嘘、消えた女性の仮面の下の顔。どうでもいいですけどね、この女性がまんまと実業家と結婚しないように天罰が下って欲しいもんだ。

「ルーキー登場」・・・ 実業家の男性がランニング中に殺害された。通り魔なのか、それとも怨恨なのか。
残された吸殻は捜査を混乱させるためで、殺害の現場の状況からもしやこの近辺に住んでいる者では、と新田は睨む。そして実業家の妻に横恋慕する一人の男が浮上した。果たして本当の黒幕は?
これもこの女に軍配が上がるのかと悔しいね。

「仮面と覆面」・・・ 山岸のホテルに、超人気作家が宿泊することになった。熱狂的なファンが一目作家に会おうとロビーを張っている中、宿泊客のプライバシーを守るために、山岸が奮闘する。そして人気作家の仮面の下には?

「マスカレード・イブ」・・・ 大学教授が殺された。容疑者は研究のライバルであったが、彼にはアリバイがあるはずだった。
殺害された日、彼にはアリバイがあるのに、なぜかその日一緒にいた人物をどうしても言うことができない。
そもそも彼は殺害日をなぜか翌日だと信じてた節がある。実際会うことはなかったけど、山岸の推理と、新田の勘が交換殺人を導き出す。

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2015年04月26日

虚ろな十字架 東野圭吾著。

《★★★☆》

一人娘を強盗殺人で亡くした夫婦の事件と、冒頭の少年少女の淡い恋物語がどう繋がるのか、ずっと気になっていた。
幼い娘を殺された被害者遺族。お互い傷が癒えないまま離婚した夫婦。その夫の元へかつての妻が殺害されたとの連絡が入る。
離婚後元妻のその後を知り、死刑とは、犯罪者の再犯歴の高さ、罪を償うとはどういうことなのか、自分たちの裁判をも振り返り、原稿を書いていた妻が、事件と向きあっていたことを知る。
その元妻が被害に遭ったのは、本当にただの行き当りの犯行だったのだろうか?

さすがだと思った。
小さな点が、どんどん繋がって行った。
元妻、小夜子を殺害した犯人の義理の息子が、冒頭の少年。生前、小夜子が取材を重ねていた女性が冒頭の少女。
そうやって繋がって行くのね。

「容疑者Xの献身」のように、深い愛を最後に教えてくれることを信じて読み進めたけど、感想から言えば嫌いな人が心を占めてしまってそれどころじゃない。
まず、冒頭の少年だった史也の妻、つまり小夜子を殺した犯人の娘なんだけど、花恵。なぜか一番嫌い。
史也がいい人なだけに、冒頭で史也と沙織の関係を読んでいただけに、なにこの女、と思ってしまった。
しかも史也の子じゃないし、そのくせ医者の妻の座にいるし。
花恵の父は犯罪者だし、この女ロクなもんじゃない、と思ってしまって、とにかく一番嫌い。

もちろん花恵の父も、この父さえいなければ、ってところあるしね。

そして、小夜子。娘を殺害されて本当に可哀相な人ではあるけれど、小夜子の正義感が次の事件を起こさせたよね。
そもそも、娘の事件がなければ小夜子が命を奪われる悲しみ、その罪への償いをそこまで深く追求することはなかったのだから、最初の犯人が一番のクズなんだけど、小夜子の行動は、個人的にはあまり共感はできなかった。
21年前の若すぎた二人の過ち。それを掘り起こして自首を勧める小夜子の強引さに、嫌悪感を持ってしまった。小さな命を奪った史也と沙織の罪は罪だけど、取材の過程で聞きだしておいて、自首を勧めに史也にまで会いに行く、その小夜子の強引さが、好きになれなくて、小夜子と花恵。この二人が今思い出しても嫌いだ。

死刑についても触れていたけど、正解はないのかもしれないけど、遺族にとって死刑はただの通過点、遺族がそれを望むのは当然の権利で、誰にも否定できないものだとは思う。

最後に、史也と沙織が共に生きることはないとは思うけど、花恵、どっかに行って欲しい。




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2014年07月21日

祈りの幕が下りる時 東野圭吾著。

《★★★》

加賀恭一郎シリーズだったのね。
まさか冒頭の夫と子供を捨てた女性が、加賀の母親だったとは・・・。
そんな過去があったのね〜。今までも、小説の中で出ていたことかもしれないけど、母親が家出してたなんて忘れてたのか・・・。

滋賀県のある施設で、無銭飲食をしようとした身元不明の老女が保護された。老女に心当たりのある職員が、東京にいる幼馴染の脚本家女性を訪ね、後日殺害されて発見される。
遺体の発見されたアパートの持ち主と、かつて加賀の母親が付き合っていた男性が同一であることが分かり、その行方を追うが、やがてホームレスの焼死体として処理された男性が、越川睦夫こと綿部俊一であると判明する。

母親が加賀の元を去ってから、その後の生活、気持ちを知っていた人物はもうこの世にいない。

滋賀県からやって来た被害者が会いに来たのは、幼馴染の女性脚本家。
警察は最初からこの女性に目をつけていたが、いったい、なにがどう繋がっているのか。

いつの間にか加賀の母親と最後に関わってた男性も、この事件に大きく繋がっていて、物語は一つにまとまっていく。
最初、女性脚本家はただの知り合いかと思ってたけど、思い切り主要人物だったのね。
しかも、加賀も、今回の事件はすべて自分に繋がっているのでは、と思う。

加賀が父親の最期に立ち会わなかったり、父子の間には厳しいものが流れていたけど、すべての謎が解けた。

私は、すっかり忘れていたので、その都度、そうかそうか、と思うだけだったけど、すべて、ここに着くためのものであるならば、東野氏はすごい!作家というのは、最初からこんな先のことまで考えて物語を書いているのか。

すごすぎる!
それほどに、すっぽりとすべてのパズルがはまった。

タイトル通り、幕が下りた、んだね。

それにしても松宮は溝端淳平だし、加賀さんは当然、阿部ちゃんが、私の頭の中を歩き回り、喋っていた。


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2014年05月06日

夢幻花 東野圭吾著。

《★★★★》

黄色いアサガオだけは追いかけるな―。この世に存在しないはずの花をめぐり、驚愕の真相が明らかになる長編ミステリ。

面白かった!!!文句なしに。
一気に読んでしまった。

冒頭の日本刀を持った男の事件が、あ、そっちで繋がるのか!ってちょっとインパクト薄かったけど、毎年恒例の蒲生家の朝顔市参りや、初恋の女の子との突然の別れ、秋山梨乃の従兄の自殺、祖父の殺害がすべて存在してはいけない黄色いアサガオに繋がるとは・・・。

梨乃の祖父が本当にいい人だっただけに、残念でならないよ。

読者は早い段階で、黄色いアサガオがキーなことに気付く。だけど、蒲生家の長男と次男の溝や、秘められた約束が邪魔でなかなか話が一つにまとまらないことにイラッと来るんだけど、それがますます謎を知りたいって欲求になって手が止まらない。

蒲生家の次男は、初恋の子と、梨乃、どっちが気になる存在になったのかな。

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疾風ロンド 東野圭吾著。

《★》

強力な生物兵器を雪山に埋めた。雪が解け、気温が上昇すれば散乱する仕組みだ。場所を知りたければ3億円を支払え―そう脅迫してきた犯人が事故死してしまった。上司から生物兵器の回収を命じられた研究員は、息子と共に、とあるスキー場に向かった。頼みの綱は目印のテディベア。だが予想外の出来事が、次々と彼等を襲う。ラスト1頁まで気が抜けない娯楽快作。  (「BOOK」データベースより)

読んでて、似たようなの読んだな〜と思ってしまった。書き下ろしなんだけど、「白銀ジャック」みたいだなと、進まなくなってしまって。先に読んだ息子は面白かった!!と絶賛していたんだけど、期限切れで、途中で挫折。

でもどうやら「白銀ジャック」とはまったく違うみたいで、惜しいことしたかな。

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2013年12月19日

禁断の魔術 ガリレオ8 東野圭吾著。

《★★★》


「透視す(みとおす)」・・・ 天才物理学者の湯川は、草薙に連れて行かれた店で、なんでも透視する女性と会う。もちろんトリックはあるわけだけど、後日その女性が他殺体で発見される。事件の真相もさることながら、女性の継母に対する想いが後から分かるだけに切ない。

「曲球る(まがる)」・・・ プロ野球選手の妻が殺された。車に残された荷物や車の塗装の剥げ具合から、生前の行動が気になった内海と湯川は、妻がホテルに行っていたこと、そしてそれがなんのためだったのか、なんだかこれも切なかった。

「念波る(おくる)」・・・ 姉の異変に気付いた双子の妹。テレパシーなのか。湯川は研究という名目で協力するが、所詮テレパシーなどないということか。
それにしても自分の夫に襲われる、なんて、どうもこの一冊は切なさで統一しているらしい。

「猛射つ(うつ)」・・・ 湯川を慕う母校の後輩。その青年の姉がホテルで病死した。
草薙たちはマンションで殺害されたフリーライターの捜査中、不思議な映像を見つける。それは突然壁に穴が開く映像で、一見事件とはなにも関係ないように思われた。このフリーライターが追っていた政治家の担当記者は青年の姉であった。姉の死に隠された真相があることを知った時、謎の映像の意味を湯川も内海を知ることになる。

できれば青年に復讐をさせてあげたかった。

湯川もさることながら、内海も名探偵だね。なんだかドラマに流されて湯川と肩を並べるくらい内海が出世したようで、正直あんまり面白くない。どうしても柴咲コウだしね。草薙、押され気味。



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2013年05月18日

虚像の道化師 ガリレオ7 東野圭吾著。

《★★★》


なんだかドラマになってから、湯川が少し変わった気がする。物腰が柔らかいというか、多分映像で見てるからどうしても文章の隙間に福山雅治が出てきちゃってるんだろうな。

「幻惑す(まどわす)」 記者の目の前で信者が教祖(大師)の気により、飛び降りた。それは本当に教祖の力なのか。新興宗教の名を騙った詐欺と殺人。以前、普通の人間が教祖と祭り上げられて金儲けをする小説を読んだけど、人間って最初は嘘だと分かっていてもだんだんとその気になってくるから恐ろしい。

「心聴る(きこえる)」 会社員が飛び降り自殺した。病院で突然暴れた男がいた。たまたま居合わせた草薙が取り押さえたが、刺されてしまう。その会社では幻聴に悩む人が他にもいて、これは人為的なものではないかと湯川は疑い、挑む。

「偽装う(よそおう)」 別荘で夫婦が殺害されていた。至近距離から散弾銃で胸を撃たれ、妻は扼殺されていた。発見者は娘で、大学時代の友人の結婚式に呼ばれていた湯川と草薙がたまたま遭遇する。当初は夫の仕事関係のトラブルで、あるプロデューサーが疑われていたが、湯川は偽装を見破る。その偽装とは、心中を殺人事件に見せるものだった。

「演技る(えんじる)」 劇団の演出家が殺された。疑われいたのは脚本家であり、かつての恋人だった。最初に元恋人が細工をするところから始まるので、犯人はこの元恋人であろうと思ってしまったが、やられた。真犯人は別にいた。それにしても元恋人の、演技への執着心とは、普通の人には分からないものだ。いや、分かるけど、でも実際に試してみたいとは思わないけどね。


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2012年11月23日

ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野圭吾著。

《★★★》


空き巣に入った三人組が逃げ込んだ空き家。そこに投げ込まれた悩み事の手紙。
面白がって返信するとまた返事が返ってきた。
その空き家は、かつて悩み事を解決してくれた雑貨店だった。
三人組が返事をしたのは数十年前の人からの悩みで、時空を超えて交流をする現在と過去の彼ら。

すべては繋がり、彼らは不思議な縁で結ばれていた。

どうしてあの家には時空を超えた謎があるんだろう?どうしておじいさんはそのことに気付いて死ぬ前に家に戻り、未来の彼らからの返信を読めることを知ったのか。
と、疑問に思うことも多々あるけど、それはそれとして、人の不思議な縁や想いを感じた。

雑貨屋のおじいさん家族や、ミュージシャンを目指す家族の話はなんだか泣けた。



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2012年07月29日

真夏の方程式 東野圭吾著。

《★★★》


どうも私はガリレオとは相性が悪い。
海底調査のためにとある海辺の町にやって来た湯川。行く途中の列車の中で、両親が多忙のため夏休みの間親戚の家に預けられる少年と出会う。少年の親戚が旅館を経営していることを知った湯川は、そこに泊まることにするが、その旅館の娘、成実は自然保護活動家で、今回湯川に依頼してきた企業とは敵対していた。
企業の説明会で、成実は見知らぬ紳士から親しみのこもった会釈され戸惑う。その紳士も成実の旅館の宿泊客で、説明会の翌日、岩場に落ち事故死した。

これは事故死なのか。
紳士の正体は塚原という定年退職した元警察官。地元の警察は事故死としたが、これが単なる事故死ではないことに気付いた後輩の警視庁の管理官は、草薙に湯川と共に捜査するよう依頼する。
塚原の足取りを追ううちに、塚原の行動の裏にはかつて逮捕した仙波の事件が関与していることが判明し、湯川は、決着を誤ればある人の人生が取り返しのつかないことになる、と草薙に告げる。

またしても東野氏にはやられた感じ。こんなにも人と人の思いのつまった事件だなんて。
ただどうもガリレオとは相性が悪いのか、中盤まで全然気分が乗らなかった。

そもそも、事件に関与していた人々。湯川は気付いたようだけど、どうしてそこで気付けちゃうのかまったく分からない。
湯川はどんな方程式でたどり着いたのか。
読んでいる限り不審な点はなかったけど、きっとたくさんの伏線があったんだろうな。
人を殺した人が、その後十数年も普通の生活ができてしまうことが分からないね〜。普通に学校に通い、なにも知らない父親と普通に暮らし、普通に人と会話しているなんて。なんにも良心の呵責ってないんだろうか。
自然保護活動して贖罪のつもりなのかもしれないけど、これは気付けないよね〜。

守ってもらっただけの成実には不満が残る。仙波も犯してもいない罪を被り、塚原にいたってはなぜ殺害されなければならなかったのか。
成実の父、重治や甥である少年の心を思うと非常に切なく、事件もやり切れず、気持ちのはけ口のない物語であった。

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2012年06月27日

マスカレード・ホテル 東野圭吾著。

《★★★★★》


都内で起こった3件の殺人事件。現場に残された謎の数字の羅列。
警察はその数字を元に次の犯行現場は都内の一流ホテルコルテシア東京と断定。刑事をホテルマンとして潜入させる。
ホテルマンとして優秀な山岸尚美と、刑事として優秀な新田浩介。かたや客様のために、かたや犯罪を防ぎ犯人を捕まえるために、時にぶつかり反発し合いながら、それぞれがそれぞれのプロとしての仕事をしていく。

果たして犯行は行われるのか。一体誰が誰を狙っているのか。
果たして3件の殺人事件の犯人は?それぞれの事件には繋がりもなく、共通する関係者もいない。
ホテルマンとして潜入捜査を続ける新田には、常にお客様がルールブックというホテルマンの仕事が理解できない。自分は捜査とは離れた場所にいるのではないか、と焦るが、その一見離れた場所にいると見える場所で、さまざまな宿泊客に遭遇するごとに、事件のヒントを思いつく。

面白くて分厚いながらも一気に読んでしまった。
ホテルで犯行が起こるということで、怪しげな客が次々に現れて、単にホテルの事件簿としても面白くて、うっかりすると4つ目の事件のこと忘れちゃいそうになってしまった。
ホテルに来るのは仮面を被ったお客様。なかなか本心や目的は見えない。そんな者たちの集まる中で、犯人の目的を暴くことができるのか。

伏線もしっかり張ってあって全然気付かなかったけど、そういうことね〜と。
ま、動機に関してはそんなことで、とも思わないでもないし、かく乱するためにそこまでするか!?って気もする。
山岸と新田が最初の出会いこそ最悪で互いを嫌いだったのに、徐々に変化していくのも興味深くて、ラストではにんまりしてしまった。
東野氏もこういうことするんだね。

その前に初期の作品である「浪花少年探偵団シリーズ」を読み終えてたところだったので、そういう茶目っ気があるのは分かっていたけど、うん、よかった。
これはテレビ化にならないかな。ドラマにしても面白そう。

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2012年06月23日

しのぶセンセにサヨナラ 東野圭吾著。

《★★★》


浪花少年探偵団シリーズの第二弾にして、最終シリーズですね。
今回は、しのぶセンセが内地留学ということで小学校の教壇を離れて勉強している身ながら、またもやいろんな事件に巻き込まれていくお話で。

よくもまあ、こんなに身近に事件があるもんだ。そしてことごとくしのぶに恋してる新藤刑事も現れる。
「しのぶセンセは勉強中」・・・ ある会社にスカウトされたしのぶセンセだけど、そこで社員が転落死してしまう現場に居合わせてしまう。これは自殺?それとも他殺?

「しのぶセンセは暴走族」・・・ 免許を取るために通った教習所でかつての教え子の母親と一緒になる。ある日、教え子の母親が練習中に事故を起こしてしまい、近所で起こった強盗事件へと繋がっていく。

「しのぶセンセの上京」・・・ 友人の結婚式のために上京したしのぶセンセ。かつての教え子たちと共に転校してしまった中西雄太へ会いに行くが、中西家では誘拐事件が発生していた。
新藤刑事の恋敵である本間も久々に登場して顕在だった。

「しのぶセンセは入院中」・・・ 盲腸で入院したしのぶと相部屋になった老婆の家に空き巣が入った。
老婆のがめつさが空き巣の犯人の偽札の犯行を暴く。

「しのぶセンセの引越し」・・・ 晴れて内地留学を終えたしのぶ。実家に戻るための引越しだが、新藤刑事が聞き込みにやって来る。しのぶの隣人の内縁関係であった男が殺されたのだ。加害者となった女性は、その男を泥棒だと思い正当防衛・・・のはずだった。なぜ男はその女性の家に行ったのか。鍵を握るのはしのぶの隣人の交友関係だった。

「しのぶセンセの復活」・・・ 晴れて復帰したしのぶ。新しく赴任した小学校では跳び箱が禁止されていた。
前任者の異動の理由と、跳び箱が禁止になった本当の理由。そこには子供たちの知る由もない大人の事情が隠されていた。

東野氏がこのシリーズはもうおしまい、と言っていたのがよく分かる。
近年の東野氏の作風とはまったく違っているし、「作者自身がこの世界に留まっていられない」というのはその通りなんだと思う。
そもそもこの作品は1986年でしょう。そりゃそうだ。

でも今この時に読むと、ちょっと意外な感じで読みやすくて面白かったけど。
新藤刑事と本間とのどたばた三角関係などなど、へえ〜って感じだしね。
ほのかに新藤刑事と進展が見られそうで、それはよかったよかった。



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2012年06月03日

浪花少年探偵団 東野圭吾著。

《★★★★》


大阪を舞台に、小学校教諭のしのぶセンセと6年生の教え子たちが、ヒラ刑事たちを巻き込みながら事件を解決していく。
黙っていれば美人なしのぶセンセだけど、口は悪く、元気いっぱい。
教え子の父親が殺された事件をきっかけに、新藤刑事やその先輩漆崎と出会い、途中、成り行きで見合いした本間と新藤の三角関係の火花も散っての事件簿。

東野氏の初期作品なので、どうかなって危惧してたけど、そんな心配ご無用で読みやすくて面白かった。
大阪弁もしのぶセンセと子供たちなら自然に頭に浮かんできて、住んだことはないけど、大阪の土地柄の人情を感じた。
できれば新藤刑事とどうにかなってほしいけど、それは次のお楽しみってことで。

それにしても行く先々でしのぶセンセは事件に遭遇するよね。

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2012年01月28日

麒麟の翼 東野圭吾著。

≪★★★★≫

ふらつきながら歩く男性を、交番の巡査が目撃していた。ただの酔っ払いかと思い近づくと、その男性の胸にはナイフが刺さっており、搬送先の病院で息を引き取った。
男性、青柳武明はなにを思いながら橋を目指したのか。
日本橋を舞台に、加賀恭一郎が挑む、家族の絆の物語。

「えらいことしちゃった」と恋人の元へ電話をかけた直後、事故に遭い、意識不明のまま、事件の容疑者となってしまった八島冬樹。
八島の無実をひたすら信じながら、意識が戻るのを待つ香織。
会社の労災隠し、その指示をしたとされる青柳、八島の逆恨みの犯行と警察は踏んで捜査を開始するが、加賀はなぜ青柳が日本橋にいたのか疑問を持ち、そこから解き明かされる、青柳の生前の足取り、それが意味するものは、深い深い家族への、息子、悠人への想いだった。

序盤はずっと八島の犯人説で動き、被疑者死亡でそのままいくところを、加賀は一つ一つ事件と向き合う。
なぜ青柳は日本橋にいたのか。たびたび被害者が目撃された場所には、神社があった。家族の誰もが見覚えのないデジカメ。これはなにを意味するのか。
事件の数日前、青柳武明は悠人の学校へ電話をしている、一体なんのために。

丁寧にほどいていくことで、まったく別のものが見えてくる。
そこから見えてきたものは、三年前に悠人の通っていた中学で起きた事故。
一人の後輩の、その家族の未来を奪ってしまった悲しい事故の裏に隠された真実とは・・・。

死を間近にしながら、青柳が悠人へ伝えたかったこと。気付いた悠人は、武明の想いを真っ直ぐに受け止める。

さすがだなと思った。文章がさらっとしてるので、最初の頃は見落としがちだったその裏に隠された深いメッセージ、いっつも後から、じわじわと、ああ、そうかって気づくんだけど、読む直前に、映画の予告がバンバン視覚から入ってきたおかげもあって、最初からきたね。

父から息子へ伝えたかったことが、なんとも深い。
一気に読んでしまった。

お蕎麦を食べて、下町めぐりがしたくなる一冊でした。

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2011年06月27日

白銀ジャック 東野圭吾著。

≪★★★★≫

スキー場に脅迫状が届いた。
「環境破壊を行ったスキー場開発に慰謝料を請求する。ゲレンデに爆発物を埋めている。自由に爆発させることができる。三千万用意しろ」
利用客の安全を一番に考える索道事業本部の倉田は、警察に届けるよう進言するが、社長以下すべての上司に却下される。

信頼のおけるパトロール隊員数名と、利用客の安全に気を配りながら、犯人の言いなりになる社長たちの指示に従う。
そして一回目の身代金受け渡しが、まんまと成功してしまう。
それでも爆発物解除には至らず、犯人からの二回目の要求。

一向に警察に届けようとしないばかりか、このまま闇に葬るつもりの経営陣に、倉田は怒りを感じながらもどうすることもできない。
どこに埋まってるかも分からない状況で、今日も利用客は滑走している。

昨シーズンに事故を起したまま閉鎖されている北月エリア。マナーを守らないスノーボーダーと接触した母親が、息子の前で死亡したのだ。
爆発物解除に至らないまま、大会が近づき、コースを作らなければならない倉田たちは北月エリアを解禁するよう提案する。解禁を望んでいるのは、彼らだけでなく、北月町の人々も同じだ。だが、経営面でお荷物の北月エリア解禁に経営陣は首を縦には振らない。

問題を抱えるスキー場に、妻、母を失った入江親子が訪れ、そのタイミングに、もしや犯人では?と疑ってしまう根津。

犯人は一体誰なのか?
妻を奪われた恨みなのか?
北月エリアがポイントだな、と睨んでいた通りだったけど、真相は、違う方向からやって来た。

面白くて一気に読んでしまった。

でもラストは、そういうこと〜?って感じだったけどね。それでも面白かった。


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2011年03月08日

プラチナデータ 東野圭吾著。

≪★★☆≫

犯行現場から容疑者のものと思われる手がかりさえ手に入れれば、たちまちのうちにDNAで検索が可能になった。
たとえ容疑者本人のものでなくとも、近親者や関係者が登録していれば、ヒットできるのだ。
年恰好、特徴も分かってしまう。
おかげで検挙率は上がり、犯罪は減るかと思われた。
ところが、連続婦女暴行殺人事件が起こり、いくら検索しても容疑者にヒットしない事件が相次いだ。
警察庁内でも極秘にされている特殊解析研究所の担当員神楽と共に、このプログラムを作り上げた天才数学者蓼科早樹とその兄が殺害されるという事件も置き、その容疑が神楽に。

そして神楽にも秘密があった。

なぜ完璧と思われたプログラムが作動しないのか。
犯罪を犯しても暴かれない者たちとは。

読んでいるうちに、なんとなく予想はついたけどね。
ま、ありえそうな話ではある。

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2010年07月31日

カッコウの卵は誰のもの 東野圭吾著。

≪★★★☆≫

才能は遺伝なのか。
トップアスリートの遺伝子を受け継げば、カエルの子はカエルで運動能力が高いのではないか。
そのために新世開発スポーツ科学研究所の副所長である柚木は、元オリンピック選手を父に持つ緋田風美の遺伝子の組み合わせに興味を持ち、その父である緋田宏昌にも協力を依頼するが・・・。

その緋田宏昌もまた、風美の才能に自惚れていた。さすがは俺の子だと。
ところが、風美の才能は遺伝ではなかったのだ。ゆえに柚木に触れられたくないのだ。
風美の遺伝子は誰のものなのか。19年前亡き妻が犯した罪。

そして風美を狙ったかのようなバス爆発。脅迫状。

そこにはもう一つの家族の秘密と、苦悩があった。

柚木たちの研究によって見出された鳥越伸吾。才能に恵まれながらも、それに苦しめられる少年。
伸吾の父は言う。「才能の遺伝っていうのはカッコウの卵みたいなもんだ。本人の知らないうちにこっそりと潜まされてる。・・・でもその卵は伸吾だけのものだ。柚木さん、あんたのものでもない。」

これは正直スカッとしたな〜。
柚木みたいな研究者って、なんか腹が立つ。自分たちの研究のためには、個人の気持ち考えない、みたいな。
だから伸吾の父、克哉の言葉を受け止めた柚木はいい人だった。

でもやはりこのタイトルは緋田親子だよね。
違う卵を置かれて、でも気づかず、自分の子だと信じて育てた、ほんと、まんまじゃ〜んって感心してしまった。

ただ、物語は凝ってるけど、風美の母、宏昌の妻が自殺した理由、真相を知ってみると、ちょっと説得力欠けるんだけど。





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2010年06月18日

新参者 東野圭吾著。

≪★★★☆≫

間に合った〜〜〜〜!!
ドラマも見てるので、もうドラマの方が先だと思って諦めてたのに。
ようやく回って来た。

人形町を舞台に、赴任してきたばかりの所轄の刑事が翻訳家女性の絞殺事件を調べるため、保険外交員、料理屋の小僧、瀬戸物屋の嫁、時計屋のご主人、洋菓子屋の店員や疎遠になっていた息子、大学時代の友人、別れた夫とその秘書、元夫の会社の顧問税理士、事件とは無関係に見えながらも細い糸で繋がっているものを辿っていく。

この町には嘘が溢れている。その嘘の裏に隠されている真実とは。

東野氏の物語は、感情の動きを書かないので、ともすると呆気ないというか物足りなさを感じてしまい、本当の意味に気付くのが遅れがちなんだけど、「新参者」は、ドラマを見ながら、だったので、すべてのエピソードに肉付けがされて、読みながらイメージが膨らんだ。

阿部寛だったり、原田美枝子だったり、紺野まひるだったりね。

犯人は誰なのか。

だよね、だよね。ドラマでは役者が揃ってるだけに予想がつきがちだけど、小説では分からないよね。でもラストに向けては、小説の方がよかった気もするんだけど、どう持ってくるのかな。

人形町を舞台にした、人と人の絆、人情の物語。

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2009年11月13日

パラドックス13 東野圭吾著。

≪★★☆≫
首相の大月は、宇宙航空研究開発機構から到底理解できない報告をされる。事は、アメリカ、ホワイトハウスにも報告されている。
3月13日午後1時13分13秒。地球の運命の時。
情報は各トップだけ、混乱を避けるため国民には知らされない。運命の瞬間、午後1時13分13秒、地球全体が13秒間移動する。
その瞬間なにが起こるのか。

犯人逮捕のために待機していた警視庁の久我と、所轄の警官、弟の冬樹は、犯人たちと遭遇し応戦してる最中、運命の瞬間を迎える。

その瞬間に人が消えた。残されたのは、冬樹、冬樹が一番最初に出会った生存者太一、声の出せなくなった少女とその母親、そして久我、山西老夫妻、会社役員と部下、看護士、女子高生、ヤクザの河瀬。
彼らは、人々がいなくなった世界で生き延びていけるのか。

まるで【漂流教室】のようで、思い出してしまった。
そして誰もいない世界で孤独に生きていくのは【アイ・アム・レジェンド】のよう。
運命の瞬間を迎えた彼らは、一体なんなのか。すぐに察しがついたので、これから延々と話は続くよ、どこまでも、なんて思ってたけど、その上でどんどん引き込まれてしまった。
揺り戻しが起きたその後で、誰がどうなってしまうのかも、非常に興味が湧いた。
時間の狭間に落ちてしまった13秒間、その13秒の間の人生はサバイバル。

posted by じゃじゃまま at 22:27| ☔| Comment(9) | TrackBack(4) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月18日

聖女の救済 東野圭吾著。

≪★★☆≫
この前に読んだ、「ガリレオの苦悩」の方が面白かったな。湯川の人間味に溢れた変身振りと、短編ながらもその中に確かに人間の血が流れてるような、絆を感じる話。
今回は、ああ、東野氏だな〜といつもの感じ。

真柴義孝が変死した。真柴には愛人がいて、妻とは別れ話も出ていた。
毒を入れるチャンスがあったのは、妻の留守中に真柴と共にいた愛人だが、容疑は妻に。
妻の完全犯罪を見抜けるのか。

タイトルが奥深いな〜。東野氏の小説も、タイトルも、後からじんわり来るんだよね。最初、聖女=妻が救われる話かと想像してたけど、終盤、意味が分かった。
妻の救済ね〜って、上っ面だけじゃなく、深い悲しい女心なんだよね。

内海の勘も立派なんだけど、恋した草薙の言動にもちょっとイライラ。
ま、仕事は真っ当にしてたけどね。
そんなこんなで、も〜、いいから早く謎解いちゃって、とちょっと飽きてしまった。
ガリレオの長編は男版石神の愛と女版綾音の愛。
勝手ながらやっぱり石神の愛の方がいいね。


posted by じゃじゃまま at 22:12| ☁| Comment(8) | TrackBack(4) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月06日

ガリレオの苦悩 東野圭吾著。

≪★★★★≫
今までガリレオシリーズってちっとも好きじゃなかった。
無機質っていうか、淡々とした脚本を、大根役者がセリフ棒読みしてるみたいな、そんな印象で、読後なにも残らなかったんだよね。
ところが、今回の「ガリレオの苦悩」は、なんかびっくり。
湯川ってこんなに感情あったっけ?物語全体もふっくら柔らかみがあって、今まで私が勘違いしてたのかな?

しかも勘違いパート2で、ドラマのために、あえて内海を登場させた作品を書いたのかと思ってたけど、どうやらドラマよりも小説の方が先なの?
私はてっきり、ドラマで柴咲コウのキャラ作ったから、辻褄合わせじゃないけど、そのために「ガリレオの苦悩」書いたのかと思ってた。

だから、やっぱり内海は柴咲コウだし、湯川は福山雅治なんだよね。
第2章の「操縦る」はホロリと来たね。
内縁の娘に介護してもらってる恩師。その恩師に金をたかっている息子。その息子が死んだ。湯川が真相に気付き、どうして僕たちをもっと信じてくれなかったのか?と言う。
その恩師も「君は変わったな。人の心が分かるようになった」と言うけど、本当、私も思ったよ。
変わったな〜って。

物語的には「容疑者Xの献身」のその後ってことなのかな。

第5章の「攪乱す」も面白かったね。湯川が挑戦状を突きつけられ、やる気になってるところなんて、まさしく頭の中では福山君がイメージされちゃってたし。犯人に近づいていく推理に興味津々。

科学的にどうとかこうとかは分かったような気がするだけで、イマイチ分かってないけど、人間的になった湯川のおかげで面白かった。


posted by じゃじゃまま at 22:32| ☁| Comment(6) | TrackBack(5) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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