2015年06月02日

雨の狩人 大沢在昌著。

《★★★》

いつの間にか新宿署といえば鮫島じゃなくて、佐江になってしまった。
どこかで鮫が出てきたらいいな〜と思っていたけど、そんなサービスはなかったか。

一匹狼の刑事、佐江と本庁刑事のコンビがクラブで起きた不動産会社社長の射殺事件を発端に、その底にある日本最大の暴力団幹部、延井の陰謀と野望を暴いていく。
大沢氏は登場人物に愛着が沸くとどんどんキャラが変わって来るような気がする。

つまはじき者だった佐江が、実は上も認める有能な刑事で、実は信頼されてる、とか。そういうくだりがしつこいような気もしたけど、中年太りの冴えないおっさんってイメージだったのに、タイの殺し屋の女の子にほのかな気持ちを抱くところなんて、イメージが鮫島になりそうで、いやいや、冴えないおっさんなんだよなってイメージを打ち消したりして。

今回もかなりややこしい裏社会の相関図ありの、実はなんだか分からないところもあったけど、そこで止まっても仕方ないので、裏社会と刑事の闘いをとにかく読みました。
絶対に延井の放った殺し屋からは逃げられないはずなのに、佐江は助かるんだよね〜。
家の中でウトウトしてたら、殺し屋が目の前にいた、なんて絶体絶命なのに、謎の人物が佐江を救う。
ま〜、うまくいくもんだ。

冒頭の少女と、行方不明の父親と、佐江たちが追ってる事件と、本当によく繋がったもんだ。
このラストは、狩人シリーズ終わりなの?刑事じゃなくてもなんとかやっていけるか。

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2014年11月12日

ライアー 大沢在昌著。

《★☆》

殺人の代償。それは、誰も愛さないことだった。優しい夫と可愛い息子。幸せな生活を送る妻の本当の顔は、対象人物の「処理」を専門とする政府組織の工作員。彼女にとって、家庭とは偽りだった。夫が謎の死を遂げるまでは…殺人機械だった彼女の、愛を知るための戦いが幕を開ける。 (「BOOK」データベースより)

面白そうな展開だったんだけどね。
工作員の夫、一般人であるはずのその夫が殺された。
その前に、女は中国での任務を失敗している。当局に拘束されたんだから。
でも、なぜか釈放されて、その後に夫が謎の死を遂げたんだから、なにがあったんだ??って期待が膨らむのは当然のことだったのに。

なんかどんどんあり得ない展開になってきて。国内にはそのような研究所は一つしかないっていってたのに、実はもう一つあって、そことの争いだったり、主人公のいる機関は優秀だけど、もう一つはちょっと問題アリの寄せ集めだったり、いやいや、逆にあの連続殺人犯の工作員の話で広げて面白くできなかったのかなって。

機関同士の合戦は、話が膨らむにつれて嘘くさいっていうか、ま、フィクションだから仕方ないけど、まじか?こんなのいくらフィクションでものめり込めない、って思ってしまった。

そろそろ大沢氏卒業の時か・・・。

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2014年08月21日

冬芽の人 大沢在昌著。

《★★》

大沢氏ってハードボイルド作家の位置づけだったのにな。
ハードボイルドというよりも、恋愛小説にしか思えなかった。
ある事件で起こった事故がきっかけで、先輩刑事、前田を死なせてしまい、その妻からは不倫を疑われ、弁解する機会もないまま、責任を感じてOLに転職した元女刑事、しずり。
前田の墓参りで、前田の前妻との間に生まれた息子と出会ったしずりは、前田が死んだ事件を語るうちに、やがて事故だと思われていたものが事件であったのでは?と疑念を持ち始め、前田の息子、岬人と共に真相に近づいていく。

そもそもしずりと岬人は15歳以上も歳が離れてるのに、どうやらすっごい美人で、歳を感じさせないくらい大学生の岬人を夢中にさせてしまうらしい。
職場の上司からも、前田からも好意を持たれていたしずり、そんなヒロイン像・・・好きだよね〜。
ま、ブスよりいいけど。

で、まさかまさかのどんでん返しの結末で、そんなとこに黒幕がいるのって気付かないよね〜。
しかも、前田って悪徳刑事だったわけだし。そんなの、あり?って思うくらい現実味ないけど。
最初の事故に見せかけた殺人も、これが人通りの少ない道なら狙いやすいだろうけど、交通量の多い道路で、そんなにうまく事故に見せかけて轢けるかね?って思うし。

事件よりも、しずりと岬人の恋愛小説を読まされてるみたいだった。


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2014年03月29日

海と月の迷路 大沢在昌著。

《★★★》

N県警察学校校長、荒巻正史警視。多くの部下たちに慕われ、惜しまれつつ引退する彼の送別会で、荒巻の警察官人生を決定づけた、N県H島で起こったかつての事件を語り出す。

炭鉱で成り立つその小さな島で起こったある一人の少女の事故。その死に不審なものを抱いた若き荒巻巡査。だがその島では警察官よりも、島を支配する企業の階級の掟、しきたりが重視され、思うように捜査は進まない。
島で起こった喧嘩に、階級を無視した荒巻の公平な判断が鉱員たちの反感を買い、多くの島民、同僚である先輩巡査からも孤立してしまった荒巻。
それでも不審死を疑う数少ない協力者と共に、荒巻は真相に近づいていく。

8年前に起きていた類似する少女の水難事故。見て見ぬふりをすることによって保たれていた島の平穏は、事故が事件だったと主張する荒巻によって覆されていく。

妨害や孤独に耐え、殺人鬼から少女たちを守りたい、その一念だけで突き進む荒巻は、果たして真相に辿りつくことができるのか。

そうそう、こういうのを読みたかったんだよ。がっつり大沢氏の作品を堪能した。
一瞬、島の表紙だったんで、かつての売春島の話かと思ったけど、戦後間もない頃のある不審死を追うストーリーで、こういうのを待っていたよ。

とにかく、ことなかれ主義の岩本巡査には腹が立ちまくり。島に赴任中はとにかく問題起こさずに、って態度ががっかりな岩本巡査。しかも事件を追う荒巻に対して、チクるように鉱員や職員たちの前で叱責したり、警察官としてだけでなく、人間としてがっかり。その奥さんも、荒巻が孤立した途端、手のひら返しで、なんと小さな人間か。

ま、うまい具合に少女の不審死を疑った怪しげな組夫が元刑事だったり、情報が集まったりするのは仕方ないけど。
まさか犯人がそんな近いところにいたとは。


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2013年01月20日

語りつづけろ、届くまで 語りつづけろ、届くまで 大沢在昌著。

《★★》


「走らなあかん、夜明けまで」の彼だよね。
かなり昔の作品であんまり覚えてないけど、同じ坂田勇吉シリーズだったんだね。
食品会社に勤める坂田勇吉が、自社の商品宣伝のために老人会を回り、その得意先である一つの下町の老人会で事件に巻き込まれていく。

老人会のボランティア女性との恋あり、またもやヤクザが絡んだりと、この坂田って男は三度も事件に巻き込まれてるくせに、なんていうか口が軽い。

ボランティアのメンバー玉井に、坂田は老人と仲良くなれる性格を見込まれ講師を頼まれる。ところが、二人組みの警察官に、実は玉井は詐欺師で、玉井を捕まえるために講師を引き受けて欲しいと依頼される。
断れない坂田は、玉井と講師の打ち合わせをするために訪れたビルで見知らぬ男の死体を発見してしまう。

やがて二人組が偽警官であることを知った坂田は、帰り道ヤクザに拉致される。
偽警官も、ヤクザも、玉井が持っているお金を追っていた。ところが、玉井も隠したはずのお金を盗まれていたのだ。

最初に声をかけてきた偽警官。詐欺師の玉井を捕まえるために協力して欲しいとかいって、このことは内密に、って言われてたのに、坂田はボランティアメンバーの女性に喋っちゃうでしょ〜。
で、玉井もなんだか今ひとつ信用できなくて、それをまた老人会の老人たちにぺらぺらと相談して。

拉致したヤクザにも、自分の推理ぺらぺら話したり、事件慣れして度胸あるってところ示したかったのかもしれないけど、どうも坂田君のキャラつかめない。

玉井の隠したお金をネコババした真犯人とか、事は単純なはずなのに、妙にややこしい。
小説だからね、複雑にしたいのは分かるけど、結局どうでもよくなってしまった。



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2012年05月29日

鮫島の貌 大沢在昌著。

《★★★》


新宿鮫の鮫短編集。
最新刊では晶と別れてしまった鮫だけど、ここではちょこっと出てきてうれしい。
とはいえ、別れた後の話ではないんだよね。

「区立花園公園」・・・ マンジュウが生きていて、まだ若い頃。鮫が新人で公安から新宿署の防犯に来た当初の話。鮫は初めから鮫だったんだな〜。

「夜風」・・・ かつて鮫が捕まえたヤクザから電話があった。組を破門になり行き場を失い、そして腐った刑事の罠にはまり、助けを求めてきた。

「似た者どうし」・・・ 晶は新宿で夢を叶えた。新宿が晶にとっては自分の居場所。そして一人になりたいとき、自分を感じたいときいつも来る場所がある。そこに中学生の男の子がいた。
父親を刺し、逃げ場のない少年と晶が出会ったとき、そこには鮫がいる。

「亡霊」・・・ 「埋められた」との噂のある極道、須藤を鮫が見かけた。張っていた故買屋で宝石店から強奪されたものを押収し、どうやらその裏には須藤も絡んでいると睨んだ鮫。またもや須藤を見かけた鮫は話しかけたが、それは須藤を探していた双子の兄であった。そして宝石強奪に関わったヤクザが双子と知らず、兄に襲い掛かる。そして、弟がすでにこの世にいないことを知らされる。

「雷鳴」・・・ 雷雨のひどいある夜。全身濡れ鼠の男がバーに入ってきた。命を狙われる男と、刺客。
そこへ鮫がやって来る。静かな短編で、昔読んだ時もおしゃれだな〜と思った。

「幼な馴染み」・・・ アンソロジーで読んだね。藪と亀有の両さんが幼馴染みって話。ちょっと藪のイメージ変わっちゃうけど。なんていうか両さんに侵食されている。

「再会」・・・ 高校時代の同窓会に出た鮫とかつてのクラスメイト。成功者となった男には鮫の生き様は負け犬でしかない。だけど、本当の負け犬は・・・。

「水仙」・・・ 鮫に近づく中国国家安全部の女。鮫はその女の正体も目的も見抜いていた。

「五十階で待つ」・・・ 新宿にはヤクザさえも逆らえない陰から支配する超大物、「龍(ドラゴン)」がいる。そして後継者は選ばれし者で五十階に呼ばれ、テストを受けるという。ドラゴンに憧れ、じっとチャンスを待っていた「俺」はとうとうそのテストを受けることになった。うまくテストをこなした「俺」に話しかけてきた男がいる。鮫島という刑事で、彼から聞いた話は・・・。
ワクワクしてしまった。

「霊園の男」・・・ 鮫の宿敵、仙田。かつて、これは長い長い話だったな〜。仙田を射殺した鮫と、墓参りで会った仙田の息子という男性。ちょっと間が空きすぎてしまって、仙田とのいきさつやあの長い長い道のり忘れてしまったよ。
仙田の発した「あ」ってなんだったんだ??



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2012年04月27日

絆回廊 新宿鮫] 大沢在昌著。

《★★★★★》


久々に鮫が戻ってきた。

物語の始まりは、鮫島の情報屋からの「警察官殺し」のネタだった。男の正体を突き止めるため、今は消滅した須動会を探るうちに、元組長が殺され、鮫島の情報屋も行方不明になる。
須動会の元組員吉田がすべて握っていた。中国の犯罪グループと謎の男。
男が狙っていた警察官が明らかになったとき、戦慄が走った。そして、どうにか運命を変えられないものかと、悲しい予感がしながらもがんばって読んだ。

なんといっても二つの別れ。
今までもこのままではないんだろうなと感じさせる振りはあったし、そもそもロックシンガーと現職刑事が付き合い続けていくっていうのもそろそり無理かなと。
だから来るべき時が来たってところですかね。
いつかはそんな予感がしていたし、どういう風にするのかなと思っていたけど、バンド仲間のドラッグ絡みなら不自然さはない、か。

晶よりも私は桃井がショックだった。
桃井が狙われているって知ったときから、もう逃れられないんだろうな、と切なくて悲しくて辛かった。

あのオカマめ〜!!!よりによってお前か〜!!と久々に罵った。

まさか鮫シリーズは終わりではないよね。晶が去り、桃井が不在となったこれから鮫シリーズは新しい展開になるんだろうな。

いつからだろう、大好きだった鮫シリーズを買わなくなったのは。
最近の鮫は、なんか理屈っぽいというか小難しくて重た〜い感じがして、ちょっと敬遠してた。
でも今作は、戻ってきた。昔の鮫が。大事な人物がいなくなってしまったのは本当に切ないけど、久々にのめり込めた。
もちろん、一ファンの感想なので、元々変わってなかったかもしれないけどね。

鮫の次回作、心から待っている。


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2011年10月26日

やぶへび 大沢在昌著。

≪★★≫

どうしようもなく女好きで、その女に常に引きずられ運を使い果たしていく元刑事の甲賀。
知り合いの中国人女性から借金をチャラにするという条件で偽装結婚を持ちかけられ、思わぬ災難に巻き込まれていく。

警察から連絡があり病院へ駆けつけると、怪我をして記憶をなくした“妻”李青珠がいた。
当然“夫”である甲賀が身元引受人だが、元々面識もない二人。
女好きの甲賀は、つまるところ女に甘い。放り出せもせず、世話をするうちに、偽装結婚した女とは別人であることが分かり、青珠を狙う日本人、中国人も現れ、マフィアも絡み、ドツボにハマっていく甲賀だった。

鮫シリーズ「毒猿」の頃は新鮮だったけど、最近の大沢氏は本当に中国がらみの物語の印象が強い。好きだよね〜、中国マフィア。
正直、いろんな人出てきて、青珠の“父親”を殺した犯人は分かったけど、あっちもこっちも、なにがなんだか分からなかった。

甲賀の知り合いの私立探偵に一瞬ドキっとしたけど、全然関係なかった。

女好きで女に甘い甲賀の話なので、最後のオチはそういうことで。



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2011年10月19日

カルテット2 イケニエのマチ 大沢在昌著。

≪★★☆≫

家族を殺された怒りで悪を憎むタケルと謎の多いカスミ、日本人を憎むホウがチームを組み、警察官であるクチナワの情報により、犯罪捜査に乗り出す。
前作では、タケルとカスミが出会い、二人でチームとなりある犯罪者を潰したが、その時にホウは自分のすべてだった親友リンを失った。

すべてを失ってしまったホウが、タケルと反目し合いながらもシンパシィを感じている。
それは二人が大事な人を失っているからなのか、自らも潔白ではないにしても犯罪を憎む気持ちが同じなのか。

まだ三人のチームワークは完全ではないけど、不器用ながらも形を取り始めている。

川崎に日本の警察が立ち入れない中国人の街がある。その付近では幼女が四人も殺されているが、被害者の身元さえ判明しない。
ミドリ町と呼ばれる中国人街で、なにが起こっているのか。
捜査のために中国残留孤児であるホウと、タケル、カスミが潜入することになった。

幼女殺しの犯人探し、閉ざされた街で行われている違法な薬の製造。
新興宗教の名を借りた街の支配者。

それにしても・・・潜り込んだ三人が謎の宗教集団に連れて行かれた時や、街の保安隊との会話では、なんだかな〜って思ってしまった。
そんな矢継ぎ早に犯罪の核心に迫るような質問したら怪しまれると思うんだけどね。
薬作ってるんだろ、とかこの街の偉い奴に会わせろ、とか、警察に追われて行く所がないからここに匿ってくれ〜っていう設定のゴロツキには思えないほど、犯罪捜査に熱心で、ありえないよと思いながら読んだよ。

結局、幼女殺しの犯人も捕まり、製造工場も押さえられ、不法滞在者たちも取り締まられ、簡単なくらい片付いてしまった。
タケルがカスミに対して気持ちに変化があったりして、ハードボイルドにはやっぱりお色気も必要なのね。

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2011年07月24日

カルテット1 渋谷デッドエンド 大沢在昌著。

≪★★★≫

表紙を見たときは、ゲームの本かと思った。
両親と妹を何者かに殺され、怒りを全身に溜めて生きている青年、タケル。
タケルは街にはびこるゴキブリ共を叩きのめすことで、家族を殺された怒りを発散させている。
ある日以前叩きのめしたゴキブリ共に待ち伏せされリンチに遭ってるところを、車椅子の老人クチナワとその手下のトカゲに助けられ、彼に請われるまま裏組織のチームの一員として活動することになる。

ターゲットは若者に人気のカリスマDJリンを利用してイベントでドラッグを売りさばいている塚本。
チームには、塚本を憎み彼を嵌めるために愛人として近づいていた少女カスミもいる。カスミがタケルをスカウトするようクチナワに頼んだのだ。

カスミにもなにか理由がありそうで、なぜクチナワと手を組んでいるのか。カスミの父親が関係しているのか。まだまだ謎が多い。

そしてリンのボディガードで互いに中国人でもあり日本人でもあり、そのどちらでもない絆で結ばれていたホウも、リンを利用し排除しようとしていた塚本に止めを刺すところで、タケルとカスミに会い、彼もチームの一員になるのだろう。

本当、最初はゲームの本かと思って若干引いちゃったんだけど、読んでみれば、この先が気になる物語で、チームの行くところはどこなのか、見届けたい。


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2010年07月30日

欧亜純白ユーラシア・ホワイトT 大沢在昌著。

≪★★★≫

香港が中国に返還される目前の時代。
グアムで観光客を装っていた運び屋と、ドラッグの中継点となっていたリコ兄弟が、警官の突入と同時に爆殺された。
アメリカでは連邦司法省麻薬取締局の捜査官ベリコフが、シチリアマフィアの顧問弁護士を務める男に目をつけ、ロシアまで追う。
ところが、その男の死体が数ヵ月後見つかる。
日本でも、中国から麻薬が運び込まれる情報があり、麻薬取締官の三崎は同僚と共に捜査に向かったビルで、中国人の襲撃を受け、同僚を目前で殺される。

ベリコフは独自の勘で、ロシア、中国、日本、アメリカで、なにかが起きていることを嗅ぎ付け、ハワイで麻薬所持で捕まったタナカとその裏にいる中国人の繋がりを探るため、日本へ来る。

同僚を殺された三崎は、必ず仇を取ることを誓い、自分の生存を隠し、裏社会に通じる徐と共に、今日本で起ころうとしている新たなルートの麻薬ビジネスに近づく。

CIAやら謎の中国人やらが絡み、三崎とベリコフが、いまだ正体を見せない「ホワイトタイガー」へ近づくたびに、互いが引き寄せられるようにめぐり合う。

男たちの熱き闘いは、Uへと続くのだけど、舞台は新宿や北海道、ロシア、アメリカ、そして香港。
大沢氏の今持っているすべてが注ぎ込まれてるような気がした。

絶対に面白いはずなのに、なぜか進まなかった。読めば読むほどすぐ眠くなったのはなぜだろう?
グアム、ロシア、日本と舞台が変わり、シチリアマフィア、中国人、本土系や台湾系、たくさん入り混じってて、疲れてしまって眠くなったのか。

Tは序章の部分って感じで、恐らく大きく動いていくのはこれからで、それからが面白いのかな?って思う。

新宿が出てきて、鮫を思い出して、ちょっぴり嬉しい。






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2010年07月13日

ウォームハート コールドボディ 大沢在昌著。

≪★★★☆≫

う〜〜ん。懐かしい。
最近の大沢氏は読んでると眉間に皺が寄ってしまうモノばかりだったので、昔の作品だけど、この頃の方が愉しめた。
ひき逃げに遭い、自身の会社の新薬により<死んだ>のに<生きてる>長生太郎。
その新薬をめぐり、開発者の教授が誘拐され、某国の軍事関係者や政府の人間が生きたデータの太郎を追ってくる。
愛する人を守るため、太郎は立ち向かう。

陰謀が渦巻くけど、どこか温かくてトントン読めて、私は好きだな。
この新薬を狙う企業、ゾレゴン。どっかで聞いた事あるんだけど、この本かな?
一瞬「悪夢狩り」にも出てきた企業かな?って思ったんだけど。

そもそもこの物語と「悪夢狩り」は底辺では繋がってるように思う。この頃の大沢氏がこの手の話好きだったのか。
死んだ肉体を生き返らせる新薬の「ウォームハートコールドボディ」。
肉体をそのまま兵器として使う薬「悪夢狩り」。こちらはゾクゾクするほどのB級映画ノリで、大好きなんだけど、この頃の大沢氏はSFっぽい話に凝ってたのかな。

私は好きなんだけどね。

最近は重い話が多いので、たまには軽いので愉しみたい。

ちなみに、太郎が巻き込まれた陰謀の黒幕、できれば事の真相を恋人には知って欲しかった。
そうそうこちらはラストが切ないけど、明るいんだよね。

posted by じゃじゃまま at 14:54| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 大沢在昌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月08日

ブラックチェンバー 大沢在昌著。

≪★★≫

ずいぶんと読むのに時間がかかってしまった。
警視庁の刑事である河合は、ある晩、捜査していたロシアのマフィアの怒りを買い、拉致されて殺されそうになる。
そこへ謎の集団がやって来て、命拾いをする。そして法では抑えきれない犯罪を阻止するための組織、ブラックチェンバーへのスカウト。
犯罪組織の違法な利益をブラックチェンバーが奪うのだ。

河合は台湾へ向かい、訓練を受ける。そしてバンコクへ。
そこへ河合を殺そうとしたロシアンマフィア、コワリョフが現れる。ロシアと暴力団のビジネスを探るため、河合は日本へ戻り、ブラックチェンバーとして捜査を開始する。

正義と強欲が河合を苦しませる。

最近の大沢氏は、ロシア方面がお好きなようで。
北海道がよく出てくるよね。またか、と思ったけど、やっぱり東京が出てくると、馴染む。
本当は新宿が一番しっくり来るけどね。

どうも説明臭いのがいかんよね。河合を苦しめる、自身の正義。そこに縛られちゃうから、どうしても説明臭いし、ハードボイルドなんだから、そんなに人間的にならなくてもいいと思うんだけど、河合は人情があるんだ。
出てくるヤクザにも、筋が通った男気を感じたり、大沢氏の愛を感じる。

ただいろんな組織、ヤクザの相関図、ごちゃごちゃしちゃって、私には整理しきれない部分もあったかな。
ブラックチェンバーの北平や、公安警察、結局なんなんだよ〜って、ラストの短時間で河合の頭の中はすごいスピードで辻褄合ってちゃうんだね。ちょっとついていけなかった。

最近小難しく感じるんだけど。
新型インフルエンザの流行、偽薬、株、そこは分かるんだけど、そこに至るまでの話がごちゃごちゃ。




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2009年12月25日

罪深き海辺 大沢在昌著。

≪★★☆≫
一人の男が海辺の町へやって来た。干場功一は、数年前にその土地の資産家で殿さまと呼ばれていた老人の甥だと言う。
殿さまには身寄りがいないと言われていて、遺言により財産はすべて市に譲られていた。
その土地と財産で、マリーナを建設した市。干場の登場で、マリーナの権利をめぐり、土地の有力者、地元のやくざ、建設業者、狼栄会が動き出す。

9年前の強盗殺人、6年前の殿さまの病死、その真相と干場の目的とは?

上下2段で、かなり分厚いので少し時間がかかってしまった。
干場は、大体そんなとこなんじゃないとかとは思ってた。

で、いっつも思うんだけど。
身元もよく分からない男に、定年間近の刑事安河内が、ペラペラと捜査内容やら過去の事件のこととかよく喋るんだ。
恐らく読者に向けての説明なんだろうけど、その説明くささが少し気になった。

う〜ん。今回はいい男がいなかった。


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2009年01月31日

黒の狩人 大沢在昌著。

≪★★★≫
新宿署のマル暴担当刑事、佐江。はみ出し者。そんな佐江に、公安やら法務省から、ある中国人を捜査の助手に使って欲しいと要請が来る。公安関係者は、その中国人をスパイだと疑っていて、あえて一緒に行動させるという。
国内では在日中国人が相次いで殺害されており、被害者にはみんな体の一部に中国のある場所の名前が刺青されていた。
関連はあるのか?
佐江の助手として雇われた毛には、法務省や公安も知らない事実がありそう。
外務省の情報マニアの女性職員、不倫関係にある公安の水森、中国大使館関係者、在日中国人、さまざまな登場人物に、戸惑いながらも読み進めた。

正直、在日中国人のネットワークは広くて、その関係がややこしくて、相関図必要か?と思ったくらい。
殺人事件も、ちょっといったいなんなのよ、なにを誰がそんなに隠してるのよ、って、下巻の終盤でや〜〜〜っと分かったよ。

終盤で水森が優男の二枚目だって知ったけど、ずっと冴えない中年オヤジを想像してた。いつの間に二枚目になったんだか。

時岡やら西野やら、関連の話ありそうで、よくくどくどと前作の説明をする小説に、くどいな〜と苛立ちを感じたりしてたけど、こうもあっさり関連小説の説明がないのも、拍子抜け。
だって私忘れてるんだもん。
「梶雪人」の名前で、ようやく「狩人」シリーズか!!と思いついたけど、佐江、すっかり忘れてたよ。
「北の狩人」確認したら、やっぱ佐江いたね〜。

「砂の狩人」に、西野や時岡がいたんだね。私は、「砂の狩人」は自分の中ではあまり評価高くなかったので、すっかり記憶になかった。
少しくらい説明があっても、よかったかも。あればあったで分かってるよ!と思うし、なければないで文句言うし、わがままだね。



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2008年07月07日

魔女の盟約 大沢在昌著。

≪★★☆≫

魔女ときたら、やっぱりあの続編だよね。
地獄島から地獄抜けした女、水原。前作の、地獄島での事件の参考人として警察に追われ、裏社会からも狙われている水原が、裏で糸を引いているらしい中国の大物、黄に夫と子どもを殺され復讐に燃えている白理と共に、自分自身の生きる道を賭けて、裏社会に挑む。

今、大沢氏のテーマは中国なのね。次の鮫シリーズでも中国の刑事が出てくるらしいし、中国への思いは熱いね。
民族のこととか、裏社会の繋がりとか、ちょっと説明が熱すぎて(文字数びっしりだもんね)、どうでもよかったところはあったけど、水原が日本に戻り、黄を追いつめるために、やくざとつるんでいる大物実力者の息子を誘拐し取引に持ち込む辺りなんて、ひゃ〜、ってもんで。

無理無理、いくら生き延びるためにどんなことする女でも、普通ならありえないって。
大沢氏のヒロインは、何人やくざがいようとも、公安相手でも、一目置かれるって設定が、ちょっと出来すぎだし、不利な場面でも結局都合のいい状況に恵まれるんだよね。ま、それもいつものことでいいんだけどね。そうじゃなきゃ、終わっちゃうしね。

それにしても、地獄島乗っ取りの絵図はややこしい〜。




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2008年05月06日

魔物 上下 大沢在昌著。

≪★★★≫

17年前の忌まわしい事件、救えなかった自分、そしてあの男を許せず、逃げるように東京から北海道へ赴任してきた麻薬Gメンの大塚。
ロシアからあるマフィアが持ち込んだイコン、そこには人の憎しみに取り憑くカシアンという魔物が描かれていた。
カシアンに取り憑かれると、憎しみに動かされ、自分の気持ちを抑えることが出来ず暴走する。
北海道で起こった大量殺人事件。カシアンの存在に気付き、追う大塚。
カシアンに取り憑かれた高森は、自分の恨みを晴らすため東京へ。
高森を追う大塚も、忌まわしい過去のある東京へ導かれるように向かう。

作中、17年前に起こった、大塚が好きだった女性を無残な姿で殺害した飯田の事件とその怒りが語られるので、恐らく大塚はいつかは東京へ、そして飯田と再会するだろうな、っていうのは想像つく。
それもカシアンという魔物がいるんだもん、大体分かるよね〜。

でもさ、カシアンっていう魔物にたどり着くのが早くない?普通信じられないじゃん。いや、魔物は本当にいたんだからいいんだけど、それにしても素直に信じたな〜と。
大塚はやたらと、カシアンが最初に取り憑いたロシアの殺し屋から高森に取り憑いたとき、高森が殺されたら、その周囲にいる人間に取り憑くってことをすごく気にしてたけど、ちょっとその流れに疑問。
カシアンに取り憑かれた人間は、異常な体力を持ってるんだから、そもそも高森がそんな簡単に殺されるって心配してるのが、違和感あり。
ああ、もうこれは、高森のそばに飯田を用意しておいて、飯田との対決のための伏線なんだな〜、そっちに持っていきたいんだな〜って、バレバレでちょ〜〜っと安易な展開にため息。

で、やっぱりボンドガールのような存在もあったしね〜。必ずあるんだよね。

ただ、大塚の所属する麻薬取締部の上司に塔下がいたんだよ!!!!
「新宿鮫シリーズ」に出てたよね!!!覚えてる覚えてる!
「無間人形」だっけ?
だから大塚が高森を追って東京に来た時、新宿だったら鮫島出るかな、と思ったけど、そこまではサプライズはできないってことか。



posted by じゃじゃまま at 18:43| ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 大沢在昌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月11日

死角形の遺産(再読) 大沢在昌著。

図書館で予約がまわって来て、目にした瞬間「ああ、これ読んだよ」と気付いた。でもどうせほとんど忘れてるし、いっか。
だけど、ある宗教の秘密の鍵を握ってるのが、カセットテープに吹き込まれた歌というのは覚えてた。
そのテープが、間違って届けられたのも。ついでにいうと、若き総会屋の井田が、よく行く店の女の子、未知の存在も記憶にあったな。

だけど、他はさっぱりで、おかげで充分楽しめた。

未知の存在も、綾乃も、これで終わりだっけ?もっと出番なかったっけ?いつもの大沢氏ならさ、男女のなにがしがあってもいいかな〜と思ったんだけど。未知も最初だけ。

大沢氏は、昔の方がこざっぱりしてて面白かったように思う。ミステリはこんな感じの方が引き込まれるんだけど、私。
ベテランになるにつれ、語りが熱いんだよね。背景とかその人物像の余計な説明文が多くて、うんざりしちゃってたんだけど、これくらいが読みやすいやね〜。

井田が主役のハードボイルドかと思ったら、友人の原が実は実は???書いてるうちに気が変わったのかな。すごい切れ者っぽく登場した井田だけど、原の方が断然謎めいてて、活躍してるし。
原さん、どこかでまた会いたいかも。
一度目よりも、多分再読の方が、面白いと感じた気がする。
posted by じゃじゃまま at 23:25| Comment(2) | TrackBack(1) | 大沢在昌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月06日

影絵の騎士 大沢在昌著。

ひゃ〜、申し訳ございません。先にお断りしておきます。
なんの参考にもならないレビューでございます。
この物語を読むのに費やした時間、9日。「BDT掟の街」の続編ということも、冒頭にその単語は出てきたのにも関わらずまったく気付かず。
舞台は近未来の日本、東京。不法滞在外国人から生まれた子供に日本の国籍を与えることにしたため、スラム化は進み、大きく変わった新宿。人工島にはムービーアイランドと名付け、そこでは日本人以外の者達も権力を握っていた。

とまあ、今の日本からはちょっと想像つかないような近未来の設定になっていて、映画【スワロウテイル】の映像が浮かんだけど、その説明が長すぎくどすぎで、そこで一週間費やしてしまった。テレビでCM空けに流される繰り返し映像のようで、もういいよって感じ。
で、肝心のヨヨギケンを巻き込んだ陰謀も、うんざりしてた私の頭には、チェチェン人もロシア人も中国人や日本人も入り乱れて、黒幕の目的は分かったけど、だんだんどうでもよくなってきた。

面白かったのは最後の百ページくらい。

posted by じゃじゃまま at 09:38| Comment(2) | TrackBack(1) | 大沢在昌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月24日

新宿鮫 風化水脈 大沢在昌著。

新宿鮫シリーズを再読してたのに、最新刊が来てしまい、すっかり「風化水脈」忘れてた。これこれ、当時読んだ時は、昔の鮫シリーズと変わってきてしまって、小難しい犯罪論のようなのが多くて辟易してたんだよね。
それに、真壁と雪絵の愛の物語もかなりのメインで、おや?と思ったのも事実。
大沢氏自身が、真壁に愛着を感じていて、かなりよく書いてるよね。しかもお決まりの、ハードボイルドには愛がつきもので、なかなか真壁と雪絵のような愛にはお目にかかれないんじゃないんですかね〜。

ハードボイルド作家ならではの、男と女の甘さが漂いますね。
鮫島と晶、真壁と雪絵、どっちが憧れるかといいますと・・・実は真壁の方なんだけど。赤面!

やくざはやだけど、真壁はちょっといい感じ。ま、これは大沢氏が真壁にかなり愛着があるからそれにやられた!って感じですが。
かなり分厚いのに、一気に読んでしまった。ま、再読なんですが、どうしても真壁と雪絵のところがお気に入りで、ニマニマしながら読んでました。

中国人と真壁のニアミス、ゾクゾクもんでした。盗難車両や井戸から発見された遺体、40年前の過去、そして現在の接点、当時とは違った面白さ、重みがあって、やっぱり鮫シリーズは保存版だね。
新刊は買ってないけど、やはり揃えるべきか。

そういえば、最新刊では真壁の話出てたっけ?どうも大沢氏は、新宿というか日本での中国人の犯罪について書きたいみたいですね。次はそのようなお話みたいだし?
posted by じゃじゃまま at 17:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 大沢在昌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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