2015年07月16日

銀翼のイカロス 池井戸潤著。

《★★★★★》

久々に、半沢シリーズの勧善懲悪、燃えた!!
今回出てくる航空会社再建云々。現実とフィクションをうまく練り込んで、最高のエンターテイメントだ。
半沢チームは、正義感溢れてて、反半沢は銀行や政治の悪。
毎回窮地に立たされてそうに見えて、必ず倍返しの半沢はスカッとする。

政治家ってそんなもんだよね〜、今までの空港誘致も全部土地所有者調べたくなるね。
ちょうど今、オリンピックの新国立競技場建設が問題になってて、これにもいろんなしがらみがあるんだろうな、池井戸氏に書いて欲しい。半沢に、不正なお金の流れとか暴いて欲しいよね〜〜。

半沢がなにか言うたびに、堺雅人が浮かんでくる。
前作の「ロスジェネ〜」はイマイチ盛り上がりに欠けたので、ドラマ化するな是非今作にして欲しい。

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2014年01月04日

ようこそ、わが家へ 池井戸潤著。

《★★★》


銀行から出向中の真面目なサラリーマンが駅のホームでトラブルになったことから、家には嫌がらせが続き、社内では営業部長の不正に気付いたことで窮地に立たされる。
タイトルからは想像できなかった、でもいつもの池井戸氏らしい物語。
私はてっきり、池井戸氏のマイホームにまつわるほのぼのした物語を想像してた。

それにしても、なんともまあ、弱り目に祟り目、踏んだり蹴ったりの倉田太一。
割り込み注意したことで、どんだけしつこいんでしょう、相手の男。っていうか許されるなら、嫌がらせしてやりたい奴なんて五万といるけど、普通はしないんだけどね。

電車の中ででっかいリュック背負って絶対奥に詰めない学生。出入り口付近で踏ん張ってる奴とか、邪魔だよ、と思いながらも注意できないし。
たまにおじさんが怒鳴って怒ってくれるとすっきりするけど、逆切れ怖くて普通は黙っちゃう。
物語の主人公の倉田太一は、どちらかというと普段は言えないタイプらしい。だけど、その時は割り込んできた男性に注意したんだよね。

そうしたらずっと家まで着いてきて、ポストに瀕死の猫入れられたり、花壇の花踏み散らされたり、挙句は盗聴器。車に傷つけられて、怒りを覚える。
そこまで逆恨みするのは病気だよね〜。太一の息子が勇ましく、犯人を追いつめていく。

それだけでもとんだ災難なのに、太一は会社で部下の摂子から在庫が合わないとの報告を受け、調べると営業部長が交通費二重請求していたり、架空の取引を計上していたりと、これまたやばい感じ。

もちろん、ここは池井戸氏なので勧善懲悪を信じてるわけだけど、それにしても営業部長が憎たらしい。そして二代目社長が全然あてにならない。
池井戸氏は、太一を押しの弱いキャラクターにしたいみたいだけど、これがなかなかどうして、最後の最後で営業部長を追い詰めていくとこなんてさすがだけど。

出世コースから外れても銀行員っていうのは頭の回転が早いんだね。

そして池井戸氏の物語には必ず半沢でいう渡真利がいる。孤軍奮闘する太一に、銀行内部で情報を提供してくれる者がいたり、部下に恵まれることも多いよね。

個人的には、そうね〜、あの電車のストーカーに対して、もっともっとお仕置きがあってもいいかなと思う。息子の取引先の真犯人も、急に出てくるんじゃないよ!って。

ああ、妻のあのオルゴール?に仕掛けられてた盗聴器も結局なにがあったんだか。女の世界も怖いからね。

最後の最後で太一の良さが分かった出向先の社長だけど、契約解除を撤回するわけでもなく、ちょっと胸にざわわと残る作品でした。




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2013年05月18日

七つの会議 池井戸潤著。

《★★★★》


ネジの強度不足。偽装。そこから始まった。

今回はいつもの池井戸作品と違った気がする。いつもは善者がいて、会社を守るためにとことん不正を暴き、企業の悪に迫っていくような話が多かったけど、今回は誰が善なのか見極めるのが難しかった。どれもこれも癖があって善者がいないのかと思ったよ。
いやな奴に見えても、彼らにも企業で働き、利益を上げるために割り切らなければならない事情がある、そんなサラリーマンの現実を描いた物語。

唯一、居眠りばかりしている八角さんと、ねじ六の二代目社長がいい人だったよ。あとは副社長か。

「居眠り八角」 いつも会議の時に居眠りばかりしている万年係長。同期の北川が営業部長でノルマをぎりぎりと締め上げている中でもやる気いまいちの八角。そんな八角を叱るどころかやりづらそうにしているのが不思議でたまらないお隣の課の原島。そんな時、八角が上司の坂戸をパワハラで訴えた。
結果は、坂戸は人事部付になり、代わりに営業一課の課長に任命されたのが原島だった。誰がどう見てもおかしな人事で、原島は八角を問い詰める。真相を知った原島はどうしたのか。

「ねじ六奮戦記」 ネジは利益が小さい。父親から継いだねじ六の会社が危機に立たされた。利益が小さい上に、主要取引先の東京建電の坂戸にさらにコストダウンを迫られた上、今まで納めていたネジまで見直され、とうとうこれまで、となった時。
東京建電の担当が原島に替わり、なぜか一度はコンペで敗れたネジの注文が入ってきた。一体なにがあったのか。原島が落としていったネジをふと試験機にかけると、ネジが折れた。そのネジを見つめる二代目社長。

「コトブキ退社」 営業四課の浜本優衣は、未来のない恋愛に見切きをつけ会社を辞める決意をした。辞める前になにか一つ自分にできることをしたい、空腹でも我慢して仕事を続ける社員のために、手軽に軽食を取れるようにしたい、無人のドーナツ販売を提案した。保守的な会社との戦いだった。優衣は、自分の可能性と夢と出会いを手にした。

「経理屋稼業」 経理部の新田は結婚生活に不満を持ち、優衣に甘え続けていたがとうとう去られる。それでも自分の卑怯さに気づけない新田。営業の原島と経費のことでひと悶着あったことを根に持ち、営業一課でコストアップしていることに気づいた新田は仕返しを思いつく。
それは前任者の坂戸から引き継いだ原島が、取引先をねじ六に替えた真相を調査をすること。執拗に調べる新田だか、それは踏んではならない地雷だった。
新田の卑怯な人生は、そこで終わった。妻との離婚、大阪への転勤。小気味よかった。
それにしても、まだネジの一件は読者には明かされない。

「社内政治家」 北川に取り入り営業で花を咲かせるはずだった佐野は、常に状況を見極め、強い方に、自分を評価してくれる方を向く風見鶏だった。
北川に不満を持つと、北川と敵対している製造部の稲葉にすり寄り、情報を流す。そればばれ、今ではカスタマー室長というクレーム処理に追いやられた佐野。折りたたみ椅子へのクレームが多いことに気付いた佐野は、自分を裏切った北川と稲葉に一矢報いるために、いや、彼らを失脚させる意気込みで、このクレームを利用する。
調べた結果、椅子に使用されるネジの強度が不足していることに気づいてしまった。そして、佐野は告発する。ここでもまた一人、真相を知り、がんじがらめになる男がいた。

「偽ライオン」 かつての部下、佐野に追い詰められた北川。そんな北川も最初から冷徹なわけではなかった。苦労して育ててくれた母親のために少しでも負担を軽くさせてあげたいと、大学時代は遊ばずバイトをした。そんな北川だからこそ、仕事には厳しい。かつての北川もノルマに苦しめられてきた。佐野が告発したネジの強度偽装は、北川も、製造部長の稲葉も、そして東京建電の社長も知っていたことだった。もしも世間に公表したら、坂戸が強度偽装をしたネジを使用している列車、航空機、甚大な被害が出る。
会社を守るために、なんとしても隠ぺいしなければならなかったのだ。ところが、佐野を説得をしたと思っていた北川だが、副社長の村西にまで告発文が届いていた。

「御前会議」 東京建電の副社長として親会社のソニックから出向した村西。その村西に、告発文が届く。強度を偽装したネジが公共機関に出回っていると。親会社へ報告するとともに調査を始めると、過去にも同じ事例があったことを八角からそれとなく知らされる。
今の坂戸と同じ立場でノルマ達成のために、なんとしてもコストダウンをして受注を取るためにやむなく魂を売った男が北川であることも知る。
そして、その時の東京建電の部長が、村西のライバル、今はソニックの重役である梨田であることも。
ソニックの判断も・・・隠ぺいだった。どこにも正義はないのか。そんな村西の目に、リコール隠しの新聞記事が入る。

「最終議案」 東京建電も、親会社ソニックも、世間から隠ぺいすることを選んだ。とろこが何者かが新聞社にリークした。とうとう出てしまった。折りたたみ椅子どころではない。列車も、航空機も、その賠償は計り知れない。ここでとうとう坂戸が出てきた。坂戸も優秀な兄への劣等感から、必死で働いてきた。
どうしても受注を取るために。ところが、強度偽装を坂戸なのか、それとも仕入先が言い出したのか、で言い分が食い違う。坂戸は、トーメイテックは北川から紹介されたことを打ち明け、その北川は東京建電の社長から頼まれたことを証言する。

ネジの強度偽装。東京建電の宮野が、会社の利益のために、そして自分の保身のために偽装をトーメイテックに持ちかけ、それを坂戸のせいにする。もちろん、坂戸にまったくの罪がないわけではないけど、会社ぐるみの犯罪であったわけだ。
利益のために散々ノルマを課し、そのせいで無理なコストダウン、仕入先にも無理を強い、その土台を作った梨田も、20年前の偽装を隠ぺいしたことを問われ、出向させられた。

八角、そして副社長だった村西が今度は社長になり、今後の東京建電を立て直していく。

ラストはやっぱり池井戸氏らしい。すっきりした。



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2013年02月15日

ルーズヴェルト・ゲーム 池井戸潤著。

《★★★★★》


文句なしの五つ星。
いつもの池井戸氏の会社経営物語に、社会人野球が加わって、倍楽しめた。
かつては名門と言われた青島製作所の社会人野球チーム。
いまや会社のお荷物扱いとされていて、この窮地をどうやって抜け出すのか。ここで野球をしていくしかない人たち、していきたい人たちが、たいした成績も残せないまま監督に裏切られ見捨てられた。
そこへ高校野球の監督をしていた大道がやって来る。裏切った村野監督を見返すことができるのか。

二年前に創業者の青島から社長を引き継いだ細川は、元は戦略コンサルタントとして腕を振るっていた。
その社長就任は元から青島製作所にいる重役、笹井をさしおいての抜擢だった。

取引先からのコストダウン要求、銀行からの経費削減の計画書請求、役員たちの野球部廃部への期待、社会人野球にさして興味のない細川だったが、会長が大事にしている野球を、いまや経費削減の一つとして見ていかなければならない。

そんな矢先、ミツワ電器からの経営統合の話が持ちかけられ、細川は会社が生き残るためにはどうすべきか、悩む。
ミツワ電器ったら、憎たらしいったらありゃしない。青島製作所にとって仕事でも、野球でも、最大のライバルというか、邪魔者。青島製作所を捨て、有望な選手を引き抜き、村野が選んだのもミツワ電器。
青島製作所の技術欲しさに、あの手この手で追い詰めてくるミツワ電器の、坂東。
でも、読んでいて本当に楽しいのは、細川の敵だと思っていた役員の笹井が実はすっごくいい人だったり、坂東からの誘いも、やっぱり会長から見込まれただけあって、どこか胡散臭さを感じた細川はあっさりとその答えを見つけたり。
ミツワ電器を見返すだけじゃない、青島製作所を救うためにも、商品開発を予定を繰り上げて成功させなければならない。
頑固な開発部の神山の無愛想だけど、責任感の強さ。

全員が青島製作所を愛していて、会社のために一丸となる、ここに池井戸小説の楽しさはあるんだよね。

いつもなら会社対会社だけでも十分盛り上がる池井戸小説だけど、今回はここに野球も加わって、更に面白さアップ。いや、野球に、経営が加わったのか??
確かに、私も社会人野球にはあまり興味もなくて、正直、存在の意味が分からなかったけど、社員に愛される存在である野球っていいな〜って。
新エースの沖原の因縁のライバルである如月の存在も、ま〜、むかつくけど!!でも、それが醍醐味でもあるんだけどね。
とことん、ミツワ電器って悪者しかいないって感じ。社長の坂東、野球部の村野監督、ピッチャー如月。
社長が嫌な奴だと、縁する社員その他も類ともなのかしら、って。

細川に経営統合を断られ、どうしても技術力が欲しい坂東は、今度は株主に手を回す。
ま〜、本当に楽しい。最後に必ず今までのツケ払わされるからね。

坂東の目論見がことごとく外れたのは、本当に愉快愉快。
如月がプロ野球に入団したのは、いくら二軍とはいえ、むかつくけどね〜。

タイトルの通り、野球は投手戦より打撃戦の方が面白いのは、確かに!!!!

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2012年12月26日

ロスジェネの逆襲 池井戸潤著。

《★★★★★》


贅沢を言えば、どうせならもっと半沢が窮地に陥ってからの逆転劇なら満点★だったけど、まあ、いいや。
「バブル」シリーズの半沢。恐らく前作の、しっぺ返しか、エリートコースから外されての、子会社への出向。
そこには同じく銀行からの出向組がいて、足の引っ張り合い。
今回の敵は、身内にもいたし、親会社である東京中央銀行。
電脳雑技集団という、名前からしてまったく愛着の湧かない会社から、企業買収のアドバイザー契約が持ち込まれる。
規模や目的に多少の疑問を持つ半沢だけど、銀行からの出向組がどうしてもやりたいっていうので、とりあえずやらせてみると、唐突に電脳雑技集団からの契約解除と、そして銀行証券部への鞍替えを知らされる。
その裏に銀行からの横槍と身内の裏切りを嗅ぎ取った半沢は、反撃に出る。

買収される側の会社は、半沢の部下、森山の高校時代の同級生。東京スパイラルの瀬名社長とタッグを組み、買収阻止と更に、銀行からの刺客であった企業の逆買収で半沢の正義が勝つか?

そもそも電脳雑技集団といい、半沢の敵、伊佐山といい、みんな感じ悪い。
それに比べて東京スパイラルの瀬名、森山、なんとなく好感を持つようなキャラは絶対半沢派だから、最初は、ほら、電脳さんが話を持ち込んできたから、こっちと組むのかなと一瞬思ったけど、どう読んでも感じ悪い人たちだったからね。
やっぱり電脳&伊佐山で、東京スパイラル&半沢となるよね。

裏切り者の諸田との密約によって銀行に戻った三木辺りが、スパイになってもっと二転三転するかなと思ったけどね、案外安心して読めた。
分かっちゃいたけど、東京スパイラル買収のために、電脳に巨額支援するための会議で半沢が乗り込んできた時は、まるで水戸黄門の印籠か、暴れん坊将軍が悪を裁く時か、って期待通り。

中野渡が頭取で本当によかったよね。
これがもし、万が一三笠だったら・・・と思うとひやひやする。もちろん伊佐山たちのような人間が幅を利かせ、よく考えもせず自分たちの利益、出世だけのためにじゃんじゃん融資して、そしてそのツケを私たち税金でお願いします、なんてことになりかねないもんね。
そして、半沢の正義を見抜けないというか評価できないところに、三笠の汚点はあるわけで。
三笠と伊佐山の出向先は本当にスカッとした。どんなもんだい、そこでやってみろ。

本当に中野渡さん、あんたは偉い!いい人だ!
銀行に戻った半沢は、今度はどこの誰を助け、どこの誰の不正を暴くのかな。

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2011年11月22日

かばん屋の相続 池井戸潤著。

≪★★★★≫

6編の短編小説。ああ、こんな感じの小説、池井戸氏の初期によく読んだよね。
銀行から融資を受けられるか、受けられないか。中小企業の苦境と、助けてやりたいのと、組織のしがらみでどうしようもない銀行員の葛藤。

「十年目のクリスマス」 十年前、融資を出来ずに倒産に追い込みそうになった会社を襲った火災事故。その後と、あの時なにが起こったかを偶然知ることになった銀行員の話。
空白の十年間は空白のままで、あるのは、あの時と今。そこにドラマの余韻を読むことができる。

「セールストーク」 融資を断られた小島印刷。会社を応援したい江藤と北村と小島印刷を目の敵にする支店長。駄目かと思ったその時、小島印刷に五千万の入金が。
その出所と行方を追っての、勧善懲悪の池井戸氏らしい、お家芸ともいえる短編。
読んでてワクワクさせられる一編。

「手形の行方」 堀田が集金してきた手形を紛失した。腰掛程度の勤務態度で評価の低い男だが、顧客からも評判が悪かった。そんな堀田の自業自得の物語。

「芥のごとく」 期日にお金を銀行に払う、それができるかできないかで経営者としての手腕、会社の行方が決まる。それこそ必死で守り抜いてきたはずだが、手形の発行日ミスにより、今まで張り詰めていた糸が切れてしまった豪傑女社長。頑張りすぎていると、プツンって切れたときに、なにかも失うことってある。

「妻の元カレ」 池井戸氏らしくないちょっとしんみりした話。勝ち組だと思っていた男が、負け組にいたはずの妻の元カレに逆転されちゃう。密会をしているらしい妻になにも言えない、なにも聞けないヒロトは、夫としても男としても魅力ないと思ってしまうよ、私でも。

「かばん屋の相続」 社長が急逝したことにより、かばん屋が銀行員である長男に継がれることになった。その遺言状に疑問を持つ次男や取引先の銀行だが、次男は生前「跡は継ぐな」と言われていたこともあり、会社は長男に譲る。
この相続にはとんだ落とし穴があり、だがその穴は仕組まれたものではなく、欲に走った長男のこれもまた自業自得の話。

こういう一発逆転の勧善懲悪の物語は、池井戸氏らしく、大好き。





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2011年03月18日

下町ロケット 池井戸潤著。

≪★★★★☆≫

ロケットを飛ばすことが夢だった佃は、実験失敗のため夢破れ、父の会社を継いだ。
主要取引先からの取引停止に続き、ライバル会社からの訴訟、佃の持つ特許をめぐっての大手企業との攻防。
研究者として、技術者として、一流だからこその苦難が続く。そして社長として社員を守ることができるのか。自身の夢を叶えることができるのか。

今まで池井戸氏といえば銀行や融資の話が多かったけど、今回はそれが<特許>に代わり、「空飛ぶタイヤ」では企業のリコール隠しという重い社会派だったけど、「下町ロケット」は特許、下町の中小企業の夢を叶えるまでのエンターテイメント性豊かな物語になっていた。

池井戸氏得意の、勧善懲悪な物語はここでも健在で、佃製作所から融資を引き上げようとしていたくせに、和解金が出た途端掌返しでへつらう銀行、佃の技術欲しさに訴訟で追い込もうとしているライバル会社。
特許で先を越され、大手企業のエゴで佃の技術を買い取ろうとする帝国重工。
目先の利益に飛びつこうとする社員たちとの反目。
どれもこれも憎たらしく、ハラハラと、このままじゃ心臓持たないよってくらいヤキモキさせられるけど、勧善懲悪は生きている。

企業訴訟に強い弁護士や、融資してくれる会社、帝国重工の理解者、佃を信じる社員たち。
道は開ける。池井戸氏を信じる私を、決して裏切らない作品。

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2010年09月28日

民王 池井戸潤著。

≪★★★★≫

総理とドラ息子が入れ替わった!?
冒頭だけ読むと、いつも企業や銀行の悪を暴く社会派な池井戸氏が、今回は政治を斬るのね、なんて早合点しちゃったけど、なかなかどうして、コメディタッチで、笑えた。

政権交代を目論むある政党の政治家が、結局は自分の欲のために、アメリカの企業と手を組んで、とんでもない薬でとんでもないことを試みる。
ベースは真面目なんだけど、でも笑えるのだ。
総理とドラ息子の脳が入れ替わったドタバタ劇になりながらも、どっかで聞いた事ある政治家の失敗談や、日本が抱える問題点など織り交ぜ、そして一人の政治家は立ち上がり、一人の若者は歩き出すのだ。

盟友である官房長官や、ライバルの政治家、凄腕の公安刑事、頭の切れる女子大生、怖い妻など、周囲の人物たちもいいキャラが散りばめられてる。

コメディタッチって認識してから、どんどんページが進み、止まらなかった。



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2010年04月16日

鉄の骨 池井戸潤著。

≪★★★★≫

談合は必要悪なのか。
平太は建設現場のコンクリートの打設作業が好きだ。コンクリートを建物の型枠に流し込む、自分が携わる建物が形をなしていくのが、とても好きだ。
そんな平太が、現場から業務課へ異動になった。
業務課は土木の、大口の公共事業が中心だ。
現場しか知らない平太は、その業務課で、次期社長候補とも言われる切れ者の尾形や、課長兼松、課員西田らと共に、ゼネコンの悪しき慣習である談合に悩み、地下鉄工事受注のために奔走する。

「空飛ぶタイヤ」に比べてしまうと、ちょっと業界一色気味なところはあるけど、銀行員の恋人萌との関係が破綻しかけたり、実家の母の病気、業界のフィクサーである三橋との出会いや縁、など散りばめられていて飽きは来ない。
「空飛ぶ〜」は、母子の愛、父子の絆、運送会社の社長に、自動車会社、銀行の善玉悪玉、などなど本当に盛りだくさんで、元銀行員の恐らく頭脳明晰であろう池井戸氏が、小説家として本当にうまくなったな〜〜〜〜と実感させられる作品だった。

「鉄の骨」はそれに比べると肩は並べられないけど、それでもほんのちょっと届かなかったくらいで、十分読み応えはあった。

平太の最初の仕事で、区役所の落札での初めての談合、調整、敗北の辺りでは、思わず、談合は必要悪でいいじゃんって思いそうになったけど、尾形の本当の狙いである地下鉄受注で、一松組が従来のコストダウンでは限界を感じ、工法を変更しての大幅なコストダウンで勝負に出る。そうだよ!これが本当の企業努力なんだよ、って思い当たった。

確かにゼネコン業界の内幕、無理なコストダウンでは会社の経営というのは難しいのかもしれない。一つの倒産が、何千何万という生活を破綻させるから。
それでもこの物語では、尾形の社益のための辣腕、正面からの勝負、裏工作と十分に見せ場があり、悪玉は負ける、という展開で、達成感がある。
平太たち善玉=正義ともちょっと言い切れないところはあったけど。

銀行員の恋人萌の正義感ぶった綺麗事や、園田との三角関係にはイライラさせられたけど、正直、園田感じ悪いし、いらない。
てっきり、園田はなにかの不正に関わってるのかと思ってしまったけど、ただの浮気相手!?
学生時代から社会人へ、恋人同士がぎくしゃくしちゃうところなんかは、同じ女性として、分からないでもない。
同級生が頼りなく見えて、先輩が大人に見えちゃうんだよね〜〜。
実際は、同級生だってあと数年経てば、先輩とは変わらないんだけどね。

業界のフィクサーである三橋との出会いと縁も、よかったね。

池井戸氏、次はどんな業界を見せてくれるのだろうか。すごく楽しみだ。


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2008年08月08日

オレたち花のバブル組 池井戸潤著。

≪★★★★☆≫

「オレたちバブル入行組」の続編。なぜ四つ星半なのかというと、最後ちょっと悔しいじゃない!正義の味方半沢が、結局組織の一つの歯車としていいように使われて、行内の政治力には勝てないってところがね。

老舗ホテルの巨額損失隠蔽。金融庁の検査。銀行のためにも、なんとしてでも検査を乗り切り、伊勢島ホテルを再建させなくてはいけない。
その伊勢島ホテル内でも社長を裏切り権力争いが水面下で策略が。
取引先と行内の癒着、隠蔽工作、内通者。
同期の近藤は、出向先で不正を見つける。そしてそれがやはり行内の常務や腰巾着どもの悪事に繋がっている。半沢はすべてを見抜けるか。

これでもか!ってくらい悪玉が登場して、半沢を窮地に立たせる。
日本の時代劇さながら、読んでる私の血も騒ぐ。
半沢にはよき同志がいる。同期の渡真利や部下の小野寺。新聞記者やライバル銀行白水の行員。そしてなによりも、伊勢島ホテルの社長が男気のある経営者であり、出向させられた元経理の男性も善玉で、半沢の味方はすべて心強い存在。

ちょっとむか〜〜っときたのは、近藤さん!あなたね〜。もうっ!
大黒柱として、闘うサラリーマンとして仕方ないところもあるけどさ、半沢を見習え。京橋支店の小物たちは成敗されてザマーミロ。溜飲下がるね〜。

池井戸氏には、悪玉は必ず成敗されるというテーマがあって、そこがうまい!んだけど、さすが元行員だけあって、きれいごとだけじゃ済まされない現実もさらりと出てくるんだよね。必ず屈服しちゃう残念さんもいれば、まだまだ大きな悪は生き残った、みたいな後味の悪さもさら〜りとね。

でも、やっぱりさすが池井戸氏!作家としてぐんぐん魅力が出てきて、最初はお硬かったけど、柔軟性が頭のよさを感じさせます。
半沢の闘いはまだまだ続くんだろうな。

池井戸氏は、きっと行員という仕事にやりがいと誇りを持っていたのがうかがえて、ふと思い出したのが、新野剛志氏の「あぽやん」。
業種は違うけど業界モノ同士で、私が感じた違和感の正体が分かった。
こんなこと書いたら失礼だけど、書き手がその職業にどれだけ知識と愛情を持っているかで、伝わり方が違うってことかな。
池井戸氏は間違いなく金融のプロだね。


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2007年07月01日

銀行狐 池井戸潤著。

池井戸作品は、内容が内容だけに、立て続けに読むと脳の皺が増えるならいいけど、実際は眉間の皺が増えそうなので、合間合間休みながら、「銀行狐」で刊行年は不同ながら読破かな。
やっぱり「口座相違」と「銀行狐」は正直、銀行の業界用語はさっぱりで、とりあえず話の流れだけ汲んで、難しいとこは省略しちゃった。
誰が悪で、なにが善なのかさえ分かればいいやね。
やっぱり私が好きなのは「現金その場限り」。500万もの現金が紛失し、過払いか?それとも誰かが意図的に??ってパターンは、これまでもあったし、池井戸作品では珍しくないけど、それでも毎回犯人が見つかるときの、あの爽快な気分は、いいね〜!

主人公が銀行内部に巣食う悪を成敗していく立場にいるパターンと、嵌められて身の潔白を証明するために主人公が立ち上がるパターンがあるけど、今回の短編はどれも前者のもので、それはそれで気軽に読めていいんだよね。後者の場合は、それはもう潔白が証明できるまでハラハラと苦しくて・・・。

ああ、これですね。「ローンカウンター」の伊木遥。でも「果つる底なき」すでに忘れてる。
指宿と鏑木が活躍する「銀行狐」は、そう「銀行総務特命」はすぐに思い出しました。内容じゃないけど、ああ、出てたな〜って。
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2007年04月08日

銀行仕置人 池井戸潤著。

出ました〜。出だしのノリは悪かったけど、池井戸作品のいつもの展開ね、と分かった瞬間、アドレナリンが・・・。(笑)
「銀行仕置人」は「仇敵」や「株価暴落」のように、自分を罠に嵌めた上司、その大きな派閥を相手に悪を追いつめる話が一冊を通して語られ、そして傍ら「不祥事」のように一話一話で、小物の悪を成敗、「ははぁ〜〜〜、これは参りました」の時代劇展開と、両方楽しめました。

「仇敵」に似てるかもね。
損失の責任を背負わした派閥を敵に回して、その証拠集めのため黒部は一つ一つ追い続けるんだけど、これはちょっと難しかった。一応話の流れで、どっちが善で、誰が悪、というのは分かるんだけど、なにせど素人なもんで、しかも親会社が子会社を利用して、金融支援がどうとかなんとか、分かったような分からないような。お金の流れっちゅうのはさっぱりですな。

結局私のような人間は、一生お金儲けというのには無縁なんだろうな。(苦笑)

一話一話の悪を成敗は楽しめました。分かりやすかったし。
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2007年02月13日

不祥事 池井戸潤著。

≪★★★★☆≫

いや〜、面白かったです!!銀行内部ものでは、一番好きかも?
調査部の相馬と、有能なテラー(っていうんですね)花咲舞。二人が各支店での問題点というか悪事を見抜き成敗する連作短編集は、まるで一話完結の時代劇、暴れん坊将軍や水戸黄門を見てるようで、小気味いい。

正直、1話目の「激戦区」はつまんなかったです。こんな調子じゃどうしようかな〜と思いつつも読んだ2話目の「三番窓口」いいぞ、だんだん時代劇のノリ。いや、話は現代ですけどね。
特に怒り心頭だったのは3話目の「腐魚」。このバカ息子!!バカバカ!!100発往復びんたで、ペンチでほっぺた引っ張りたい!ってくらい燃えた。

どの話にも憎たらしい悪がいて、ラストは分かっていても(時代劇の展開だからね)それでも毎回怒りで心臓バクバクしてしまった。ちゃんと善と悪が存在して、悪がそのままなわけないじゃないって。
どうせならあの出世欲の塊のおっさんの失脚も見てみたかったけど。

東京第一銀行・・・池井戸作品は銀行内部ものが多いので、もしかして登場人物、リンクしてる?ちらっと出てきた時枝さんってどこかで見た名前な気がするんだけど。

posted by じゃじゃまま at 23:30| Comment(8) | TrackBack(2) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月10日

空飛ぶタイヤ 池井戸潤著。

≪★★★★★≫

読み応え充分!
死亡事故を起こした運送会社、真相を究明するために経営の危機にさらされながら財閥系大手企業を相手に闘いを挑む。
大手自動車会社のリコール隠し?その内部でも、暴こうとするもの、妨害をするもの。
そして、そのグループ企業である銀行でも、善と悪の攻防戦が。
サスペンスだけど、死人は冒頭の交通事故の被害者のみ。
交通事故の責任は?真相は?

池井戸氏の作品は、いつも企業内の善と悪が多い。最初はちっぽけな町の運送屋に対し、私も世間一般並の感想しかなかった。「なに責任逃れしてるのよ、相手は車を作ってるとこだよ。欠陥車が出回るわけないじゃん」って。
昨日の新聞にも、そういえばリコール車の記事があったな。この作品を読むと、ああ、○○のとこでも内部では相当軋轢あったんだろうな、もしかして内部では隠そう、いや、公表だ、なんて駆け引きがあったんじゃないだろうか?と妙にリアルに想像してしまう。

長いんだ、これが。真相が明らかになるまで、気を抜けない。池井戸作品には、そういうところあるから。

でも、この本の内容とは別に。私はこの本を読んで、
心を込めて育児しなくちゃ
と思ったよ。6歳の子どもを遺していかなくてはならなかった被害者。
その遺族の悲しみ、私はここまで子どもたちを愛してるだろうか?もちろん愛してるけど、100%全力投球(懐かしいフレーズ!)してるだろうか?

被害者の無念がズシンと重く響いた。



posted by じゃじゃまま at 09:20| Comment(15) | TrackBack(14) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月30日

金融探偵 池井戸潤著。

元行員だけあっての、金融もの。
今回は、行員が不正を暴くのとは少し趣を変えて、リストラされた(これはよくあるか)大原次郎が、ハローワークに通いながらも、次々と舞い込んできたり巻き込まれる事件を解決していく、というもの。

男性作家って3通りあるのかな。
とてつもなくロマンチストか、かなりいっちゃって狂犬っぽさを感じさせるか、マジメか。それがすべてじゃないけど、池井戸氏はまさしくマジメ派。
わりと硬いんだけど、でも読みにくくない。
ま、短編すべてが池井戸氏の得意とするところの企業の粉飾や行員の不正といったお話なんだけど、「眼」は、角膜移植を受けた青年が、角膜を提供してくれた男性の最期の映像をきっかけにある事件に遭遇するといった異色といえば異色。
ちょっとウルッと来たけど。

「誰のノート?」と「藤村の家計簿」も美術にまで話が及んで、これもちょっと意外だった。
手帳の中身をくどくどと説明されなかったことが救い。行員でもなんでもなかった私に、支出のことくどくど書かれても、困っちゃうよ。さらっとそこんとこ流して、さっさと島村藤村の名前出してくれたのには、正直ホッとした。

硬そうな内容のわりに、読みやすかったのでサラッと読めて息抜きになりました。


posted by じゃじゃまま at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月17日

MIST 池井戸潤著。

珍しく銀行員や元行員が出てこなかった。いや、正確には登場したけど、でもいつもと違〜〜〜う!!
それがすごく新鮮で、そのくせ読み始めるまでに3日間ほど要したかな。
読み始めても50ページくらいまではのらりくらりとかかったけど、最初の犠牲者が出る辺りからグングンスピードアップ。

でも珍しいんじゃない?池井戸氏の作品で、こんな血生臭い、サイコホラーちっくなのって。最近、池井戸氏と垣根涼介氏を交互に読んでる感があるから、一瞬垣根氏か!?って錯覚しちゃったけど。

で、ある町に連続殺人が起きて、これがまたサイコなんだ。次から次へと。
読み進めて行くと、おのずと犯人想像できる。もしかして?やっぱり!まるで自分がサスペンスの通みたいに思えちゃうんだけど、でもそれで終わらないのだ。でもやっぱり、そうじゃないかと自分の考えを改めたところで、その頃にはすでにこの作家の策略にハマっている、負けを認めますよ。

最後の最後まで分からなかった!!いつものお得意の金融はこの際あまり話の中心じゃなくて、新境地か!!ってくらいザックザックと殺されていく。
その辺の犯行は簡単すぎないかい?動機や手口は軽〜く進んじゃったけど、ま、その程度のことはいっか。

posted by じゃじゃまま at 22:02| Comment(0) | TrackBack(1) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月08日

最終退行 池井戸潤著。

今までと同じようでいて、ちょっと違ったかも。
どちらかというと「BT’63」のような、金融(株とか不正金)一本じゃなくて、お宝探しの冒険、それに乗じてこんな腐った銀行にしたドンへの、町工場の経営者たちの無念さへの、復讐。

最初は主役が誰なのか分からなかった。数十年前、詐欺にかかり自殺を遂げた男の事件が現在にどう影響してくるのか、それもよく分からないまま、結局ほとんど関係なかったんだけど、そういう曖昧さがなかなかのめり込めなかった原因?
自殺した男ではなくて、当時その事件について調査した銀行の幹部、そしてM資金への夢、舞台は現在へ移り、当時の幹部はいまや会長、町工場を主とした支店銀行、その中で支店長と副支店長の争い、上司に歯向かってばかりいる出世階段から踏み外した男、途中まで一体誰の視点で書かれるのかイマイチで、ただ副支店長に比重を決めた後はすんなり話は面白かったな〜。

お金云々ばかりでなく、副支店長の家庭崩壊、愛人の支え、タイトルのお堅い感じからは想像できなかった二人の未来を感じさせるラストが心地よかった。
posted by じゃじゃまま at 10:32| Comment(0) | TrackBack(2) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月25日

オレたちバブル入行組 池井戸潤著。

≪★★★★≫

だいぶ読みやすくなりましたね〜。池井戸氏って元銀行員だし、ビジネス書を多く手がけてきただけあって、初期の作品は、金融や経済に弱い私が読むにはさっぱりで、話の大筋だけを追ってなんとなく分かったような気になっていた作品が多かったけど。
ようやく池井戸氏も弱い人間向けに書くことに慣れてきたのか(笑)、そういう人間がいることも理解してきたのか、肩の力が抜けてきたのかは分からないけど、今回は今までに比べて軽い調子で楽しく読めた。

そう、まさに私もバブル組。あの時代はそうだった、半沢たちが企業に夢の?拘束されたように、私たちも就職先から毎月の意思確認、豪華な食事会、友人に至ってはアパートプレゼント(?)と蝶よ花よの時代。
2流3流や無名の出身校でさえ、それなりに一流企業に入れた。

でも半沢たちに待ち受けてたのは、バブル崩壊後の銀行内での人事の闘い。
上司のミスを押し付けられて堪るか!と歯向かっていく。今までもこの手の話は書いていたけど、もっと硬かった。
「オレたちバブル入行組」は池井戸氏も楽しんで書いていたような気がする。読んでるこっちも楽しかったし、溜飲も下がって後味すっきり。
posted by じゃじゃまま at 21:15| Comment(6) | TrackBack(3) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月15日

架空通貨 池井戸潤著。

さすが元銀行マン、だけど難しいんだよね〜。専門用語出てきて一応説明はしてくれても、まるで興味ないから(すみましぇん)、飛ばし読み!!
小難しいことはわかんなくても、どうやら不正な金の仕組みで、ある町が破綻しようとしてる、ってことは分かった。

そしてその犠牲となった教え子の実家。なんとか父の会社を救おうと、向かった先で、企みの元となっている遠い過去の復讐。企業のことはさっぱりだけど、話の流れだけはつかめるし、中盤以降は、辛島が教え子と共に、大きな闇の壁を破れるのかに注目し、ラストは、銀行との応酬にハラハラと息を詰めてしまった。

正直、これ以上は書けないよ、だって感想書こうにも企業と銀行のお金の仕組みは興味ないんだもん。ただ、正義は勝つのか?それだけを見守っていただけだしね。
posted by じゃじゃまま at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月12日

シャイロックの子供たち 池井戸潤著。

「シャイロック」ってどシェイクスピアの作品の登場人物の名前だったんですね〜。
話にはどこにも子供出てこないし、いわゆるいつもの銀行物だったので、どういう意味かなと思ってたら。要するに現代のシャイロック=銀行ってことなのでしょうか。

連作集なんだけど、第1話読む限りでは、副支店長応援しそうだったのに。「仕事を甘く見るな〜〜」って、本当エール送りたくなったけど、全然違った。一番嫌な奴だった。
そしてそして!!ここで終わり?みたいなのは、いつもの手ですね。まだまだ奥の方に大きな事件隠されてるんじゃないの?って思わせる展開。

恋窪さんも、「株価暴落」だったか「銀行総務特命」だったか、はたまた両方だったか。
確かなんかまだありそうな終わり方だったんだよね。「シャイロックの子供たち」も、ええ〜〜、ここで終わりかい?結局どうなのさ?ってとても気になります。

一体誰に感情移入しようか迷う話ばかりですね。西木さん!!!!一番いい人で、彼の顛末に心痛めてたのに!!でも、ま、それならそれでいいんだけどね。
あっという間に読んでしまいました。

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シャイロックの子供たち
posted by じゃじゃまま at 22:13| Comment(2) | TrackBack(1) | 池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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